18.結婚相手のリサーチ作戦
「へえ、ホプキンス家の令嬢は領民に人気があるんだね。」青年が呟く。
「そのようです。」初老の男性が頷く。
「そこまで領民から人気がある。いいね。私の妻に相応しい!」青年は愉快そうに言う。
・・・・・・
「ということで、オーセン家のご子息からそう言う話が来ているのだが。」エレノア父は自室にエレノアを呼びつけ縁談の話を始める。
オーセン家はホプキンス家も属する王国の王族の分家であり、王国の中でも二番目に大きな領土を保有している。仮にこの縁談が成立すればホプキンス家にとっては大きな利益になることである。それに、王族の分家に嫁ぐということはエレノアにとってもさらに安定した生活を手にいれることができるという点で悪い話ではなかった。
だが、エレノアとしては複雑な心境だった。いずれどこかに嫁がなければいけない運命なのは分かっている。それにこの縁談が家のためになることも分かっている。だが…
「まあ、確かにまだまだ遊びたい年頃だもんな。」マグネスはエレノアの悩みを聞いて同情的に頷く。
「ですよね。僕に貴族の生き方はよくわかりませんけど、その重圧は計り知れないでしょうね。」レオンも頷く。
「まあ、立場によって悩みは異なるからね。」私も頷く。
「別に嫌ってわけじゃないんですよ?お家のためにも領民のためにもなりますし。でも、不安っていうか…どんな人かわからないのでね?」エレノアは不安そうに言う。
「そうね。結婚するってことはそれ以降一つ屋根の下で暮らすってことだからね。足持って振り回したりする男が相手だったら大変だもんね。ねえレオン。」
「そうですね。相手は慎重に選ばないといけないですよね。」レオンも同意する。うーん無自覚。
「そんなに不安なら、実際見にいけばいいんじゃねえの?」後ろから竜太郎が声をかけてくる。
「いたんだ。」私はびっくりする。
「武器もないからな。二人で帰るのは危ない。」竜太郎は当然だろという顔をする。
「確かに。事前のリサーチは大事だな。」マグネスも頷く。
「いいんですか?確かに相手の方のリサーチはしたいところですけど皆さんお忙しいのでは?」エレノアは申し訳なさそうに言う。
「なわけ。」
「ないよね。」竜太郎と私は苦笑いする。
「友達の結婚相手のリサーチだからね。私も人肌脱ぐわよ。」
「はい。今はホプキンス領で働いてますからね。エレノアさんのために働きますよ!」
「我が王の娘をロクに精査せず嫁に出して大変なことになったことがあった。二度はない。」私たち3人は言う。
「どうせ旧王都に新しい剣買いに行きたいしな。ついでだよついで。」
「リュウが行くなら私も行くわ。」竜太郎とソフィーも言う。
「剣買えるんだ…」私はあの時の苦労はなんだったのだろうと思う。
ということで、エレノア含む私たち一向は結婚相手を調査するためお忍びで王都に向かった。
エレノアがいるので私たちもお忍びなのだ。異論は認めない。




