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15.痛みを思い出せイリーナ。

 「おお!村の人が貸してくれた服に着替えたらイリーナさん完全にか弱い女性ですよ!」レオンが着替えた私を見て言う。

「おい、まるで私がか弱くないみたいな言い方だな?」

「いいね。楽勝で攫えそうな見た目してる。あとはその太々しい目をもっと自身なさげにできれば完璧なんだが。」竜太郎が嫌味を言ってくる。ボコボコにされて顔を三倍の大きさにされたことを根に持っているのである。

「っていうか、お前衣装脱いだら小さいな。なんで鎧着てたんだ?いらないだろ?」竜太郎は嫌味ったらしく言う。

「鎧着てなかったらなんか私が生身で全部の攻撃弾いてると思われるじゃん!」私は反論する。

「事実じゃねえか…」


「あと、ゴブリン盗賊団から奇跡的に逃げ延びた女性曰く、奴らは最初に脚とか致命傷にならないところに怪我をさせて動けないようにして連れ去って好き放題してくるみたいです。」レオンが真面目に言う。

「極悪じゃないですか…」ソフィーが嫌悪感100%の顔をする。

「ええ?私好き放題されるの?」私は困惑する。

「イリーナさんなら大丈夫ですよ!」レオンは自信満々に言う。

「大丈夫。それまでには助ける。そういう作品じゃないからな。」マグネスが頷く。

「っていうか、危なくなったら自分でゴブリン殴って出てこい。」竜太郎が素っ気なく言う。これだから男どもは。

「何て言うか…頑張ってください。」ソフィーが苦笑いしながら言う。お前もか…


「それで、足に怪我させて連れ去られるみたいですけど、イリーナさん怪我したことあります?」ソフィーが不安そうに言う。

「確かに、もう痛みとか覚えてないんじゃないですか?」レオンも不思議そうに言う。

「確かに、最近痛みなんて経験してないわね。痛みなんて忘れたわ。」

「JPOPの歌詞みたいなこと言いやがって。」竜太郎がぼそっと言う。


「一回痛みにのたうち回る演技をしてみろ。戦場でそういうのいっぱい見てきたから教えてやる。」マグネスがいつものように冷静に言う。怖いって。

「バカにしないでよ!私だって怪我したことくらいあるからね?完璧に演技してやるっての!


あ〜いたた〜いたいな〜あ〜いたい。 …どう?」

「ダメ。」マグネスが一蹴する。

「ゴミくそダイコンB級映画実写化アニメ!」竜太郎も罵詈雑言を浴びせてくる。

「擁護不能な下手くそさですね。」ソフィーも呆れる。

「酷かったですね。やっぱり痛みとか覚えてないんでしょうね。」レオンも呆れる。


「大丈夫。心は痛かったわ…」


「とはいえ、見本になる痛みを与えることもできないからどうしたものか。」マグネスは考え込む。

それを見た竜太郎はため息をつく。

「はぁ…仕方ない。俺がお前に痛みを思い出させてやる。」竜太郎は真面目な顔で言う。

「どうやって?」私は尋ねる。

「お前のクソ硬え身体に痛みを覚えさせてやる。一回しかやらないからよく見とけ!」


「文化祭だりーわ。あんなのではしゃぐとかガキかってw」竜太郎は迫真の演技を見せる。


(…なんだ…この妙な違和感は…)私は久しく忘れていた感覚を思い出す。


「あっ、ごめんなさい。私フランスに留学してたのでついフランス語出ちゃうんですよねメルシー。」


(痛い…痛い!)


「高校生ですが選挙に立候補したいです。高校生だけど日本を変えたいです、現行の選挙制度は間違っています!」


「わかった!痛みがわかった!これが痛みなのね!」私は全身がムズムズし心に激痛が走るのを感じた。

痛みだ。これが痛みか!もしこれが脚にきたら…


『くぁwせdrftgyふじこlp;@:』私は脚を抑え迫真の演技を見せつける。その姿はまるでサッカー選手のようだった。


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