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12.群馬は素敵なところです。

 「宮城より問題だと思うのは、一極集中蟻地獄天空塔の六個の技が東京に繋げるための技で独自性がないことの方だと思うんだけど?」ソフィーは言う。

「いや、その辺は問題ない。東京に隣接してる県は、せっかく育てた人間とかその他リソースを全部東京に吸い取られるためにある無個性な魔力供給源みたいなものだからそれくらいの扱いで問題ないよ。」(京極竜太郎氏個人の感想です)

「そんな失礼なこと言っていいの?きっとその六県にだって光るものがあるよ!私は知らないけど。」

「俺も知らん。」

「あっ…そう。」ソフィーは諦めた。


「で、次は新しい必殺技か。順番的には群馬と長野だな。」

「群馬と長野には何があるの?」

「長野といえばスキーだな。上から下へスキーのように滑空して斬りつける。とかどうだ?」

「なるほど!確かにそれは強そう。」ソフィーも満足そうだ。

「よし。練習するから標的用のゴーレム準備しといてくれよ。」

「わかった!」ソフィーは元気に頷く。

「そうと決まれば次は富山だ。」

「群馬は?」ソフィーは不思議そうに言う。

「富山といえば置き薬。つまり範囲内の味方を癒すとかかな。」竜太郎は楽しそうに考える。

「いいね。いいと思うけど、群馬は?」

「岐阜は何にしよう。岐阜といえば白川郷だ。鋭い剣圧で敵の広範囲攻撃を受け流す。とかだな!乗ってきたぞ!」

「範囲攻撃を受け流すのは大事ね。回避だけじゃどうにもならないこともあるからね。で、群馬は?」

「次は愛知だ。愛知といえばト…」

「リュウ!!!群馬!!!忘れてる!!!」ソフィーが竜太郎の肩を掴む。

「あ〜、群馬。忘れてたっけ。っていうか、群馬って長野の近くにあったんだ。」竜太郎は意外そうに言う。

「群馬の人に怒られますよ?」ソフィーが困った顔をする。

「大丈夫。群馬いじりをしてるのは俺だけじゃないから。」

「いや、そう言う問題じゃ…」

「それに、群馬はまだネタにできる田舎だからまだマシだ。一番悲惨なのはネタにすらできない真の田舎。そう、たとえば…」

「言わなくていいです!さっさと技考えて!」ソフィーが大声で遮る。

「でも、群馬つったって何もないんだけどな…そうだ!」竜太郎は手を打つ。



竜太郎は魔物に囲まれていた。

「ソフィーはもう離れたか?」竜太郎は彼女の位置を確認する。

「よし!じゃあいくぞ新技!群馬ダウンフォール!!!」剣を一振りするとともに蓄積された魔力を爆発的に放出する。

自身の半径50m付近にいた魔物も岩も全てを粉々にし無に帰す。そう、何もなくなるのだ。


「すごい威力!さすがね!」ソフィーが駆け寄る。

「ああ。これであのクソ硬女も倒せるかな?」竜太郎はニヤニヤしながら言う。

「それはわかんないけど…そうだ。ネタにできる田舎でこれくらい強いなら、ネタにすらできない田舎はもっと強いんじゃない?」ソフィーはキラキラした目で言う。

「それは、すまない。」竜太郎はうつむく。

「何?」ソフィーは首を傾げる。

「俺さ、地理得意じゃないからネタにできないレベルの田舎はそもそも知らないんだ。」

「えぇ…」ソフィーはがっかりしたような顔をする。


そんなソフィーの額に何かが落ちる。火の通った牛タンだ。

「まあ、元気出せよ。」竜太郎は微笑む。

「わーい、牛タンだ!しかも焼いてある。」ソフィーはおいしそうに牛タンを食べる。


竜太郎は彼女の笑顔に心を必殺された。

「やっぱり宮城はこのままでいいな。」竜太郎は静かに呟いた。

「なんて?」ソフィーが不思議そうに言う。

「いや、なんでもない。」竜太郎は微笑んだ。


新しい必殺技編 完


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