11.誕生会に棺桶を持ってくるな。こら開けるな!
「ようこそお越しくださいました。いえ自分の言葉で言います。来てくれてありがとう。レオン、イリーナ。」綺麗な服に身を包んだエレノアはニッコリと言う。
「お誕生日祝いに来ましたよ。おめでとうございます。」レオンがにこやかに言う。
「タダ飯食べに来たわ。」私も言う。
「もう、照れ隠ししないでちゃんと言ってください。」レオンが呆れたように私の脇腹に肘鉄を喰らわせる。
「おめでとうエレノア。」私も素直に祝う。
「二人ともありがとう。それで、一つ質問なんだけど、そこの棺桶担いでる大っきい人は誰ですか?」エレノアは困惑したようにマグネスを指差す。
「マグネスだ。よろしく。」マグネスは自己紹介する。
「この人は私たちの仲間よ。この前はいなかったからエレノアは知らないと思うけど、ハブるのもアレだなと思って。」私は苦笑いしながら説明する。
「二人のお友達なんですね!よろしくお願いしますマグネスさん。」エレノアはにこやかに挨拶する。
さすが男爵家の娘だ。社交性は抜群だ。
「ああ。お誕生日なのだろう?おめでとう。男爵家であれば王との謁見も問題あるまい。」マグネスはそう言って棺桶を開けようとしたので私とレオンはあわててマグネスを屋敷の外に放り投げる。
(おーい、謁見はいいのか?)扉の向こうからマグネスの声が聞こえる。
「どうしたんですか?」エレノアは不思議そうに言う。
「ああ、いや。なんでもありませんよ!」レオンが焦りながら言う。
「でも、ドア叩いてますけど?」
「マグネスは外でソロキャーンするのでお構いなく〜って言ってます!」私は急いで取り繕う。
「そうなんですね。ソロキャーン楽しそうですね。」エレノアはニッコリと笑った。
「だから連れてこない方がいいって言ったでしょ?」
「でもハブるのはかわいそうじゃないですか。」
「大体、誕生会に棺桶持ってくるのがさぁ…。」などと話し合っていると、エレノアが半分困惑しながらも声をかけてきた。
「じゃあ、二人はうちの使用人が案内するから先に会場に行って。私はまだお出迎えしないとだから。」エレノアは参ったなと言う顔で笑う。
「うん、じゃあ後でね。」私とレオンはエレノアと別れ、使用人に連れられひと足先に会場へと向かった。




