8.旅館の謎の空間って心惹かれるよね。
部屋に入る。明かりはついているのに誰もいない。
「レオン、マグネス?」私は二人の名を呼ぶ。しかし反応はない。
不気味に思う。さっきの殺人鬼の二人か?だが、あの二人が?そんなはずは。
大きな声で二人の名前を呼ぶと、部屋の外から返事があった。
急いで開けてみると、外だとおもっていたのだが、リョカーンの部屋の奥には謎の空間があった。机と椅子が置かれた謎の空間だ。
「何この空間?」私は苦笑いする。
「わかりません。でも、なんか惹きつけられるんです。ね、マグネスさん。」レオンの言葉にマグネスも同意する。
「でも二人とも。今日は遅いしゆっくり寝ましょ?」私は二人に呼びかける。
「じゃあ、私はこの謎の空間の隅っこで…」そう言いかけた時、レオンが私の肩をガシッと掴む。
「布団で…寝てください…お願いします。」レオンの切実な訴えだ。
久しぶりにフカフカの布団に包まって寝るのは本当に気持ちよかった。
普段の寝方がアレなので人生損しているなと思った。
・・・・・・・・・・・・・・
朝起きる。レオンとマグネスは寝ている。私は二人を起こさないようにそっと部屋を出る。
忍足でリョカーンの中を歩く。
朝早くからやること。そう朝風呂だ。
一回に二度もお風呂シーンを入れる女主人公の鑑そんなことを考えながら温泉に浸かる。
そしてまた寝てしまった。
起きたのでまた朝飯を食べるため温泉を出て部屋に戻ろうとする。すると、また人が大勢集まっているのが見えた。
「あれ?どうしたの?おまつ…人殺し?」私は人だかりにいたマグネスに声をかける。
「いや、昨日の犯人二人が逃げたらしい。誰が逃したんだって今から犯人探しをするって。」
「はぁ。帰りましょ。」私が言うと、レオンもマグネスも仕方なさそうに頷いた。
そうして私たちはしれっと朝食を食べるとそそくさと帰った。
とりあえず二度と行かない。そう心に決めながら。
リョカーン編 完




