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3.古代の財宝鑑定。そして大金持ちに?

十数分後


 「じゃあ、このまま気をつけて上に上がろう!」私たちは良さげものを持ってダンジョンを出た。

まずは鑑定屋に寄る。どれほどの値段がつくのか楽しみだ。高額装備やチート装備があるかもしれない。私が武器にならなくて済むほどのものも…


「金貨1500枚ってところかな?」鑑定屋の親父は無表情で言う。

「1500?その杖がってことですか?」私は目を輝かせる。

「いんや、全部で。」親父は冷たく言い放つ。

「すげえ!大金持ちだ!」

「やべええ!」

「すごい!」下級パーティーのメンバーは抱き合って大喜びしている。

だが、私とレオンはなんともいえない顔で見つめ合っていた。


説明すると、金貨1500枚は日本円に換算すると現在の相場で150万円から200万円ほどだ。

確かに、一回の仕事で200万円稼げれば素晴らしいが、パーティーの人数やかかった費用を考えると実際そこまですごい稼ぎではない。


学生アルバイトが200万円稼げば大喜びするだろうが、どこかの正社員が200万もらっても当然大喜びはするだろうが、学生ほどは喜ばないだろう。

「あの、なんでそんなに安いんですか?」レオンは尋ねる。

「だってこれ青銅だから武器としては使えないからほとんど価値はないね。装飾品も金の純度も宝石の加工技術も別にすごいってわけでもないしね。ただの古いアクセサリーだね。こういうのが好きなマニアには受けるだろうけどそれ相応の値段しかつかないよ。」親父は冷たく言い放つと奥へ入っていってしまった。

「まあ、なんとか黒字ですね。ははっ」レオンは笑っているが目は笑っていない。

「うん、そうだね。」私も乾いた笑いで返事をした。


約150万円を9人で分けるとすると1人につき約17万ほどになる。だいたい今回の探索に準備期間含め二週間ほどかけているので、今回の戦果がどれほど微妙なものなのかわかっていただけただろう。

冒険者には夢がある。だが、基本的にはこんなものである。いずれ冒険者ドリームを掴めるか。それは誰にもわからない。

せいぜい私たちにできることは今日の疲れを癒すためどんちゃん騒ぎをすることだった。


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