セーナの過去(番外編)
契約解除に成功した3人目のセーナ。
正式名称、セーナ・キャント・ルビアナ。
頬にあざを持ち、クール系の人物。
彼女は結構我慢人生だったため、自分の感情を後回しにして他人の考え方を理解するという並外れた技をもっているが、感情が激しくなるとおさえることでいっぱいいっぱいになってしまうことがある。
~セーナの過去。
今日も舞踏会、昨日も舞踏会、へらへら笑い、くるくる回る。
言葉に気を使い、感情を抑えるだけのつまらぬ人生。
踊ることは好きだけど、歌はオンチ。
自由に生きることが許されないなら、この不自由の中であたしはどう生きようか。
それが毎日考えることで一番好きな時間。
与えられたものの中で、あたしはアタシらしく生きる・・・・・・なんて難しいことは考えちゃいないけど。
でも、与えられたものの中でどう生きるか、それが人生の醍醐味だと、誰かから聞いた気がする。
あたしはよくダンスがほめられた。
だからダンスを武器にいろんな人と仲良くなれ・・・・・・と。
“ええ、だから踊るわよ”
言葉にも気をつけて、美しくスカートやドレスをなびかせて、毎夜毎夜、夜だけの美しく、儚い蝶になる。
でもね、男が手を伸ばして捕まえようとするその“蝶”は朝にはただの人間になって、ある意味では獣に変わるんだ。
男らしく、勇ましい性格だと知ったとき、今目の前で笑っているこの男性は・・・・・・それでもあたしを美しいと愛で、目の前で笑ってくれる?
答えは決まってる。
“NO”
明日はあたしはどこで踊っているんだろうか・・・・・・。
明日は何人があたしに近づいて綺麗だと愛でてくれるだろうか・・・・・・。
でも、あたしは当たり前のそんな言葉なんかより、たった一つきちんと自分に筋をもって生きていて、自分の言動に責任が持てる人がいいんだ。
そんなこといったらわがままかな。
わかってる。
わかってるよ。
だからこれはアタシだけの秘密なんだ。
たぶん、これからも、ずっと。
あたしが貴族であり続ける限り、蝶であり続ける限りずっと・・・・・・。
そんな時、不覚にも後ろから後頭部を殴られ、あたしは意識を失った。
気づいた時には紐で縛りあげられていた。
「ん・・・・・・。」
「あ、起きたぜ。」
ち、こじきか。
考えていることはまぁ、大体わかる。
あたしを出しに貴族からお金を巻き上げようってことだな。
「早くはなせ。」
「おおっと、そうはいかないんだなぁ・・・・・・。」
「・・・・・・望みはなんだ。」
「話が早くてたすかるねぇ、じゃぁ、まずは金だ。」
そう言って相手が盛り上がっている隙に持っていた小さなナイフで縄をきり始める。
ふっ、所詮素人だな、持ち物さえ確認しないとは。
見張りが向こうとこっちとあわせて3人か・・・・・・まあ男3人だと少しばかりきついがなんとかなるだろう。
「額は?」
ついに縄が切れた。
「そうだな・・・・・・」
相手が考え込んだ隙に殴りかかり、駆けつけた二人の攻撃もかわし、みぞおちにヒット。
「ふん・・・・・・造作も無い。」
その場を誘うとしたとき、クンッ。
足を引っ張られ、どこから出てきたのか四人目があたしに殴りかかってきた。
くっつ、不覚だった。
まさか四人目がいたなんて!!
そのあと、男4人にボコボコにされ、死に掛けた。
こんなところで死ぬわけにはいかない。
四人はもうあたしが死んだと思って逃げていってしまった。
それもそのはずだ。
打ち所が悪かったらしくあたしは今、体がまったくうごかないのだから。
そんなとき、気味の悪い生命体があたしに言った。
「生きたいか?」と。
当然あたしは頷いた。
その後、眠りにつき、あたしは記憶の一部を失って、それを捜すたびにでた。
町の人から嫌われ、蔑まされて、ルーク達に会うまであたしは何をしたらいいのかわからないままだった。
でも、出合った。
その先で恋を知り、絶望を知り、あざつきを知り、悪魔を知っていく・・・・・・。




