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第19話・魂を食らいし悪魔

ルークは悪魔に人質にされるような格好でもがいているところを・・・・・・。

「クックックッ・・・・・・悪魔狩りルークと言えど、呆気なかったなぁ?」

「ルーク!」

私は慌てて武器を取り出した。

その時にあざが見えたらしく悪魔は驚いて声を上げた。

「おまえ!」

私は剣をかまえる。

「何よ。」

「そうか、お前があれの契約者か・・・・・・。」

悪魔がニタリと笑う。

「あの時の娘がお前、ねぇ・・・・・・。」

「あ、あんたとなんか会ったかな!?」

声が上ずってしまった。

緊張で喉が・・・・・・口が干上がったようにカラカラだよぅ・・・・・・。

とりあえず今は悪魔の意識をルークからそらさなきゃ。

嘘でもいい、お願い。

フリーズしそうな重たい頭の回転でもなにかしら出てきて!

まずは落ち着いて。

お願い。

動揺がばれてしまえばルークも私も死んでしまう。

今、パニックになってしまったら私はきっと何もできなくなってしまう!

お願い。お願い。お願い!

「会ってるとも、草影で息を潜めていたあざつきさん。」

ビクリとした。

目が大きく見開かれているのを感じる。

私が・・・・・・一番最初にあった悪魔?

あの時の恐怖が再び体をかけぬけていく。

「う、そ・・・・・・だって!外見があまりにも違う・・・・・・それに・・・・・・それだけ、あれから今までの間に人の魂を食らったの・・・・・・?」

悪魔はニヤリとさらに笑い、口が裂けているようでおぞましかった。

「大当たり・・・・・・人殺しは楽しい。みんな言う。やめてくれ、何でもするから生かしてくれ。期限があるのはどの人間も同じなのに、必死にすがりついてくる。気付いたら強くなってた。ルーク・・・・・・だったかな?強いと評判のお前はいったいいつまで楽しませてくれる?そしてそこの娘はいったいどれほどの卑屈な声を聞かせてくれる?」

ケケケケケ・・・・・・と悪魔が笑いだした瞬間にルークは悪魔の腕を擦り抜け私の隣について、結晶を手にとると二つの剣を両手に構えた。

「ありゃりゃ、逃げられちゃったか・・・・・・縛り上げてつるしてなぶりごろしてやる予定だったのに・・・・・・まあいいか、どっちも剣遣い・・・・・・ねぇ。」

「スィル、向こう側に一斉に走るぞ!」

ルークの息が荒れている。

やるしかないんだ。

逃げられない、相手は私たちよりずっと強い。

私達6人で力を合わせてもまだ力が足りないくらい相手は強いのに、無謀だけど、強いからこそ逃げ道なんてどこにもないんだ・・・・・・。

私は息を呑んでからうなずいた。

「っせーのっ!」

それを合図に走りだすと悪魔は空を飛び、追い掛けてきた。

「逃げるのかー?ムダだね、逃げられるはずない。」

もうダメだと思った瞬間切り開かれた平地に出た。

そこで悪魔に向き直り、ルークは言った。

「逃げるんじゃないさ。めくらましされやすい場所にいるよりこっちのほうがいいからね!」

ルーク・・・・・・ここを一瞬で?凄い。

「でも、めくらまししやすいほうがおまえたちに有利なんじゃないのー?」

「空を飛べる奴に物陰に隠れるなんて無駄な抵抗だと思うけど?」

ルークが言うと悪魔は一旦無表情になり、それからニヤリと笑った。

「面白い!その通りだ!ルーク、貴様なら本当に楽しめそうだよ!」

攻撃が仕掛けられるなか、ルークは微かに笑った。

「そりゃ、どーも。」

皮肉を言う余裕があるなんてさすがルークだね。

私なんか全然だけど、こっちまで自身がついてきたよ。

私は悪魔に向き直り、すべての攻撃をなんとか交わすと無謀とわかっていても悪魔に向かっていった。

剣は相手に近づかなきゃ万に一の勝ち目もなくなってしまうから。

「うりゃあぁあああ!」

叫ばないとやってられない。

気持ちの上でも相手に負けるのはまずい。

だけど、私は相手に触れることも許されずに悪魔が手をあげた瞬間に跳ねとばされた。

そのまま肩から地面に着地し、頭や腕から出血した。

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