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【完結】御伽学園戦闘病  作者: はんぺソ。
第五章「黄泉の王国」
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第九十二話

御伽学園戦闘病

第九十二話「出発」


時刻は早朝四時、ほぼ全員が起きている。起きていないのは水葉、刀迦、そして漆の三人だけだ。ただ時間まではまだ余裕があるので寝かせておく。

そろそろ誰と行くかなどの話が出てくる、大多数の人が二人以上で行動すると言っているが誰と行動するかまで決めている者は少ない。そこで会長がTIS陣部屋と中立陣部屋のメンバーを集めて話し合えばいいのではと提案する、皆賛成してそれぞれ部屋から連れ出してくる。來花は寝ている刀迦をおぶって部屋に入ってくる、そして取り合いが始めった。


「まぁわいらはひとまず一緒に動くやろ」


そう言って礁蔽は蒿里、ラック、紫苑、兵助、そして素戔嗚を引っ張って集める。四人は異論無しだが素戔嗚だけ少し躊躇っている、どうしようか迷っていると寝起きの刀迦が背中を押しながら小さい声でボソボソと話す


「休戦中なんだから行けばいいじゃん」


素戔嗚は佐須魔達にも伝えて許可を貰ってからエスケープと一緒に行動する事にした。そうして六人で決定する、六人は決まるとすぐに外に出てウォーミングアップをしてから外で待っていたエンマに渡された国内の地図を見ながらどう言ったルートで行くのか話し合う。


「さ〜て俺らは俺らで動きたいところだが…無理そうだね」


佐須魔は生徒会に連れて行かれそうな刀迦や叉儺、ラッセルを見てTISだけで一緒に行動するのは不可能だと考え今回は自由に組めと叫んで伝えた。それを聞いたTISメンバーはこぞって生徒会に引き抜かれていった、ただ佐須魔と來花は残されてしまった。どうしようか迷っていると佐須魔がいい案を思いつく、耳を貸す様ジェスチャーしてコソコソ話で來花に伝える。來花は「それはいいな」と頷き了承した、そして二人も外に出ていった。

佐須魔と來花はそれぞれ分かれて違う方へ歩いていく、來花は貰わず佐須魔は地図を受け取る。そして來花は楽しそうにルートを話し合っているエスケープの六人の元へ近付く。ラックが一番に気付き何か用かと訊ねると來花は


「一緒に行動しないか」


そう言ってきた。皆驚き少し話し合った結果特別問題はないだろうと一緒に行動することになる、來花もルート決めに加わりどんどん効率的かつ楽なルートを割り出していった。


「さて私達はこの四人で決定だな」


生徒会の方でも一チーム確定した。メンバーは香奈美、水葉、刀迦、レアリーの四人だ。決定した水葉は会長に背負われながら四人で部屋を出ていく、すると廊下で前方に一人で歩く英二郎を見つけた。刀迦はまだしっかり話していなかったと思い近寄る、英二郎は刀迦の方を向く


「久しぶり」


「お久しぶりですね師匠」


「一人?」


「はい、僕は一人で行きます」


「りょーかい。おたがいがんばろ」


「はい。それでは先に行ってますね」


英二郎は再び前を向き家を出て行った、四人も英二郎に続いて外に出る。英二郎と四人は一枚ずつ地図を受け取り適当な位置で地図を読んでルートや気を付けなくてはいけない場所をチームごとに話し合い始めた。


「私たちはこれでいいんだな」


引き抜いたはずのラッセルがリーダーに成り代わって五人で結成したチームのメンバーはラッセル、影、美玖、半田、蒼に決定した。久々にラッセルが教師として活躍することになりメンバーはワクワクしている。

五人は外に出でいく、地図を受け取り話し合おうとラッセルが提案した瞬間影が折角影が「折角ラッセル先生が戻ってきたんですし即興でルートを決めて旅気分を味わいましょう」と言って地図を奪い取った。ラッセルは少し呆れているが久々にお気に入りの教え子とともに行動出来てなんだかんだ楽しそうだ。


「じゃあ俺は姉ちゃんと二人のタッグでいくからな!」


「あんまり大きい声出さないでよ…とりあえず行くわよ…」


自律神経が狂っている真澄はダルそうながらは拳を連れて部屋を出て行った。

部屋に残っているのは十一人、その人数で出来たチームは六パーティーだ。

一つ目が菊、叉儺、フェリアの三人に決まった。元々フェリアは戦う気はなかったが菊が部屋の隅っこである話をすると快く、というか目を輝かせながら受け入れてくれて三人パーティーとなった。

二つ目は漆、蓮、光輝の三人だ。漆で移動を担当し蓮と光輝で攻撃するのだ、三人は満場一致で部屋を出て行った。

三つ目は灼、胡桃、フェアツだ。灼の朱雀で移動と攻撃をしてフェアツと胡桃でサポートを行う予定だ。

四つ目はルーズ、カルム、康太。康太が今ままで持っていなかった上昇志向を持って二人にサポートしてもらいたいと提案してチームを組んだ。

そして莉子はエンマと一緒に適当なチームに着いていくらしい、何かあったときに直ぐに飛んでいけるようにエンマが提案したのだ。

そして部屋には一人だけ残っている人物がいた、それは須野昌だ。須野昌は組めなかったわけではなく断っていた、何故単騎で突撃することを選んだかというと須野昌が契約した香澄の狐はあまりにも凶暴で周囲のメンバーに被害をもたらす可能性がある、そうなってしまうとこちら側が戦いにくくなる一方なので気を使わなくてもよい一人を選んだのだ。

須野昌は部屋を出なかった。わざと遅れる気でいた、須野昌の考えは自分が倒せなくてもいい、ただだれも倒せなかった場合に力を出してぶっ叩く。その為には少し遅れていかなくてはならない、莉子は所属していないので転送はさせないだろう。となると最速はゲートを作れる佐須魔がいるチームか影がいるチームになる、ただ距離から見ても最速は五分程度だろう。そして遅くても五時間あればつくだろうと考え六時に出発しようと考えていた。

ただ昨日の説明である程度覚えてい入るが一応地図は欲しかったのでエンマに地図を貰ってから再び部屋に戻った。

そして待ちに待った五時がやってきた。皆決めていたルートに向かって走り出す、基本的に全員後方に下がっていったが灼は朱雀を出して崖から直接飛び降りた。それに続くように拳も身体強化を発動し真澄にしっかり掴まるよう促してから崖を飛び降りた。

そうして皆快調なスタートを切ったのだった。


「あ~あ遅れちゃうねぇ」


その声を聴き目を覚ます。目を擦り誰がいるのか見てみるとそこには佐須魔が座っていた、だが戦闘体勢にすら入らず何故ここに来たのか聞く。佐須魔は呆れるように笑って


「俺とタッグ組もうぜ、流君」


即答しタッグを組んだ。ただ二人はまだ出発はしない、流の霊力が完全に回復していないからだ。流は置いて行けばいいじゃないかと呟くが佐須魔は薄気味悪い笑顔を浮かべながらこう返した。


正義(ヒーロー)は遅れてやってくるだろ」


流は馬鹿馬鹿しいと貶したが内心では同じ考えだった。



『Ⅰ』

[管凪 礁蔽]

[空十字 紫苑]

[ラック・ツルユ]

[樹枝 蒿里]

[杉田 素戔嗚]

[沙汰方 兵助]

[翔馬 來花]


『Ⅱ』

[姫乃 香奈美]

[姫乃 水葉]

[神兎 刀迦]

[フルシェ・レアリー・コンピット・ブライアント]


『Ⅲ』

[フィッシオ・ラッセル]

[拓士 影]

[浜北 美玖]

[葉月 半田]

[和也 蒼]


『Ⅳ』

[驚砕 真澄]

[驚砕 拳]


『Ⅴ』

[松葉 菊]

[桐生 叉儺]

[フェリア・アルデンテ]


『Ⅵ』

[穂鍋 光輝]

[高田 漆]

[目雲 蓮]


『Ⅶ』

[拓蓮 灼]

[真田 胡桃]

[クルト・フェアツ]


『Ⅷ』

[麻布 康太]

[ルーズ・フェリエンツ]

[タルベ・カルム]


『Ⅸ』

[木ノ傘 英二郎]


『Ⅹ』

[葛木 須野昌]


『Ⅺ』

[櫻 流] [佐須魔]


『未所属』

[フロッタ・アルデンテ(エンマ)]

[中谷 莉子]



第九十二話「出発」

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