第八十九話
御伽学園戦闘病
第八十九「第十陣」
「やっぱりね、じゃあ頑張ろうか」
「あぁ頑張ろう。蒼もよろしくな」
「あぁ…はぃ…」
香奈美は鳥霊を召喚して準備を完了した。蒼はぶるぶる震えながら一応構えて準備を完了する。そして水葉は狐を召喚して軽くウォーミングアップをしてか伝えた伝えた。すると早速エンマが動き始める、今回は今までと違い一人一人が重要幹部並みの強さがある上対処できるようがいるのでしっかりと対処できるよう少し分割して戦闘をする。蒼を触手や動物達に任せる、そして先に水葉と香奈美を倒しに二対一の構図を作り上げた。
「い…いやぁ!来るなぁ!」
蒼は涙目になりながら情けない声を出して手を乱雑に振り回し攻撃を遠ざける。実際に力だけは凄まじいのでタコや新たに出てくるコモドオオトカゲなどが全く手を出せない、だが動物たちは野生にいる状態ではなくあくまでエンマの分身体なので知能がある。ならば作戦を考えてくるだろう、タコは周囲を確認して誰がいるかを確認する。
蒼と戦うことを命じられたのは自分たちタコ二体、コモドオオトカゲが一体、ゴリラが一体、そして虎が一匹だ。タコは自分が指令を出すのでそれに従いつつその場で臨機応変に戦闘スタイルを変え追い込もうとジェスチャーを送った。ただ他の動物たちは同じ生命体のようなものなので考えているだけで何をしようかは理解しているのですぐに行動に移す。
「来るなぁ!」
ひとまず様子見で虎が短期特攻を仕掛けた、蒼はパニック状態になり攻撃をする手さえも止めてしまった。チャンスだと大きく口を開き右腕に噛みつこうとする、蒼はしりもちをつき手を前に出して顔だけは庇おうとする。虎は突き出してきた手を牙で挟んだ、挟んだはずだ。なのに蒼の腕は傷つくでもなく汚れるわけでもない、むしろ虎の牙が折れてしまった。すぐに引くようにタコが指示を出す、既に蒼は緊迫感と一人で対処しなくてはいけないという圧のせいで能力を発動し身体強化がかかってしまっているのだ。
にしても虎の牙が折れてしまうほどの硬さとはどんなものなのか気になってしまうとゴリラが足を踏み出す、タコは背中を押して送り出した。
「もうやめてぇ!」
蒼は立ち上がり逃げ出す、だがゴリラの足は速くいともたやすく蒼に追いつき乗りかかった。蒼はあまりの重さから息が苦しく圧迫感が凄い、それのせいで力が増していたのも相まり少しバタついただけでゴリラは吹っ飛んだ。だがすぐに体勢を立て直し再び攻撃を試みる。蒼は近づいてくるゴリラを突き飛ばした。すると数十メートルも吹っ飛んでしまった。タコはゴリラが戻ってくるまで一度防御体勢に入れと指示を出して他の動物たちはすぐに逃げるような体勢で蒼を睨んでいた。蒼は攻撃が終わったと思って安堵し座り込んで空を眺め始めた、この行動にテレビで見ている奴らの数人から突っ込みが入った。だが蒼には聞こえていないのでただただ空を眺めていた。
一方水葉と香奈美はエンマに大苦戦していた、エンマは力を測るかのように攻撃してこないで様子を見ているだけだ。だが二人は指一つ触れることができない、まるで未来が見えているようだ。
「これではらちが明かない!転ばないように気をつけろよ!」
「りょーかい」
香奈美はそう言うとある妖術を使用した
『妖術・戦嵐傷風』
その瞬間エンマでさえ立っているのがやっとな風が発生した。香奈美は鳥霊の羽に優しく包まれて吹っ飛ばされない、エンマはただの風ならこの子たちの実力はこんなものなんだろうと決着を着けようと動こうとした瞬間右腕から血が噴き出す。何が起きたのか確認しても訳が分からない、そして立て続けに体のさまざまな場所が傷つき血が噴き出す。
「なーにが起こってるんだ?別に霊力の反応が有るわけでも…そういうことか」
エンマはすぐに察した、香奈美は風が起こった瞬間霊に保護されていたが水葉の霊は直利不動で今もそこに立っている。そしてこの傷は刃物傷だ、更に水葉は刀を持っていた。この技は名前で風の影響で傷をつけられていると考えさせて実際は水葉が風に乗って目にもとまらぬスピードで切り付けて再び風に乗り切り付けるを繰り返してるだけなのだろう。
エンマはある一点を見つめそこに水葉が通るのをいまかいまかと待ち続ける、だが一向に水葉はそこを通らない。
「そちら側も見えているか」
エンマはおとなしく諦めて他の方法で捕まえられないかと思考を巡らせる、だがどの方法も現実的ではない。結局スピードを落としてくれるか風がやむまで待たなくてはいけない、ただそれが実際に起こる可能性はゼロに近いだろう。最終手段としては少し力を開放してボコボコにしてもよいのだがそれではつまらないというものだ。エンマはとある方法で水葉を倒すことにした。
エンマはその場で立ち止まりキョロキョロと水葉を探すように見渡す、水葉は構わず剣を振りかざしながら背後に近づく。その瞬間エンマは振り返り水葉の手を掴んだ、そしてそのまま引き寄せてうなじをぶん殴った。
「うそ…やっぱ強いな…」
水葉は呆気なく気絶してしまった。エンマはただの風を起こしている香奈美を倒すために足を動かした瞬間右足が吹っ飛んだ、痛みはなくスパッと切れたようで血がドバドバとあふれ出してくる。
「何!?」
「私がただの風起こしにわざわざ名前を付けるつ思うのか?この技は風に一定の間隔で霊力を込めてから発動することで接触するだけで体の一部が持っていかれるほどに強力な風だ、こう話している今も着実に風の刃は近づいてきているぞ」
香奈美がそう言った直後まるで言霊のようにそれが起こることになる、エンマの右手に風の刃が触れた。一瞬にして腕を切断しその腕さえも風に飲まれてい行った。エンマはすぐに右手足を修復し香奈美がどこにいるかを探る、だがどこを見ても香奈美を乗せているはずの鳥の霊力が見えない。どういう事か分からず困惑していると急に風が止まった。香奈美の霊力が限界に達したのだろうとすぐに周囲を見渡す、だがどこにも香奈美の姿はない。まさか、と思い上空を見上げてみるとそこには香奈美が持つ鳥霊が急降下で突撃してきているではないか。
だが気づいているなら交わすことは簡単だ、しかもよけれなさそうだったら灼の時のように水葉を盾にすればいい、そう甘い考えをしていた。だがその考えはすぐに払拭された、なんと蒼がエンマを動けないよう掴んで固定したのだ。
「何!?あの子たちは…」
エンマは動物たちがいたはずの方向を見るが動物たちの姿はない、既にエンマの元へ還ってきていたのだ。蒼は戦闘時に極限まで追い込まれると発動するハキハキとした態度で風が起こっているときに動物たちを蹴散らしたと語る。
そして鳥が目の前まで来て勝ったかと思われたその瞬間蒼、鳥霊、香奈美、そしてエンマに激痛が走る。エンマは当たる直前まで引き寄せたところで広域化を発動しここう言ったのだ
『リバーサルキラー』
広域化を使った影響で自分自身もくらってしまったが修復すればいい話、だが香奈美達にとっては大きすぎる攻撃なのだ。結果香奈美の攻撃は失敗に終わり無駄にダメージをくらっただけだった、だがすぐに体勢を整え二対一の人数有利状況で叩きのめそうとした時香奈美の視界がぐわんと大きく揺れ立つのもおぼつかなくなて遂には気絶してしまった。
「何故だ!?」
「リバーサルキラー、昨日マッサージチェアで気持ちよくなっているときに佐須魔とテレパシーで会話してたんだ。これも佐須魔の能力を吸収したおかげだね。そしてその時に『リバーサルキラー』の能力を教えてもらった、大まかな性能は流君の『インストキラー』と変わらないがこの能力にはおまけがある。そのおまけとはくらったものの霊力を減らしていくというものだ」
「戦嵐傷風で霊力がほぼなくなっていた会長にそれを打って霊力の欠如により気絶させたってことか」
「正解。じゃあ君だけじゃかてないと思うしリタイアする?」
「するわけないだろ、ぶっ飛ばす」
蒼はエンマに殴りかかった、エンマは軽々かわし反撃のパンチをぶち込んだ。蒼はわざと避けずに隙ができたところを狙って今出せる最大火力を使って殴った、エンマはあまりの力に吹っ飛ぶ。吹っ飛んでいる最中エンマが思うことは「自分で覚醒できない子でよかった」、それだけだ。すぐに体勢を整えると蒼がすぐそこまできている、すぐに蹴りをかましてきたがそこはフィジカルで受け流し一度距離を取った。
蒼は止まらず距離を詰めてくる、エンマは「これで終わりにしよう」と言って九戦目で一番の力をためる。
蒼も最大限力をためながら距離を詰め続ける、そして双方リーチ圏内になったところで顔面めがけて拳を突き出した。
鈍い音が鳴り響いた三秒後蒼が倒れ気絶した、その瞬間フェリアがエンマの勝利宣言をした。三人は平助とタルベに回復術をかけてもらったので完治したがエンマはずっと外で待って回復はしない。
「すごいね…殴られた左側の頭蓋骨はほぼ全域が粉砕骨折、右側も全域にひびが入った。どんな力してるんだか…まぁこの状態でもあと三人なら相手できるけどね」
「いえ…さすがに回復なさてはどうでしょうか。残りの三人は中々…」
「大丈夫だフェリア。それとも僕を心配してくれているのかい?」
「しょうがないですね。でも次の戦いが終わったらしっかり治してくださいね」
「分かってる分かってる…さーて第十陣、大トリは楽しみだね」
エンマは今までしてきた笑顔よりより一層深い笑みを浮かべなあら最後のメンバーが来るのを待った。一方TIS陣部屋ではある疑問が浮かんでいた。
「残りは流坊と素戔嗚と…誰じゃ?あの感じだと莉子や平助達は戦闘しなさそうじゃないのう?」
「な~に言ってんだよ、まだ戦闘できる奴が残ってるじゃん」
「?…誰じゃ?」
「[ルーズ・フェリエンツ]」
そう、大トリを飾る第十一陣の三人は因縁しかない[櫻 流][杉田 素戔嗚][ルーズ・フェリエンツ]の三人なのだ。
第八十九話「第十陣」




