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【完結】御伽学園戦闘病  作者: はんぺソ。
第五章「黄泉の王国」
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第七十九話

御伽学園戦闘病

第七十九話「第三陣」


「ほれお前ら二人がやれ、教え子なんじゃろう?妾は後からサポートしてやろう」


「そうですけど…もう…」


「やるぞ影」


『降霊術・唱・蝶』


ラッセルの手元から大量の黒蝶が現れる、影もそれに合わせるように沈んでいく。ラッセルは突撃するよう黒蝶に指示を出してから走り込む、エンマは力を抜いて冷静に対処する。触手に全て蝶を捌かせ他の攻撃が来ないかどうかに気を割く、その意識のおかげかラッセルが向かってきている事に気付く。

すぐにガードの体勢に入るがある事を思いつく、エンマはガードの体勢を崩し手をバッと開きラッセルを待つ。ラッセルはバレているとは見ず知らず蝶の群から勢いよく突っ込む、すると群に取り囲まれているエンマはニヤニヤしながらラッセルを待っていたのだ。ヤバいと後ろに引こうとしたがもう遅い、エンマはラッセルを引き寄せ抱きしめる。


「何をする!」


「君の仲間もよくやってるじゃ無いか、アイアンメイデンってやつさ」


ラッセルは瞬時に理解する。すぐに抜け出そうとするがものすごいホールドで抜け出せない、そしてエンマは体に様々な動物の牙を生やす。勿論その牙はラッセルを蝕み上げる穴を開けていく、結構奥深くまで刺さったところで影が怒ったような顔で飛び出してくる。そしてエンマの顔を蹴る、一瞬力が緩んだのでラッセルは抜け出した。


「助かった」


「いえ、それより来ますよ!」


影の言葉通り蝶の群れの中から触手が何本か出てくる、そしてその触手達は二人に向かっていく。あまりのスピードに被弾覚悟で最低限の動きで回避しようとするラッセルを見た影はラッセルを自分の影に沈める、ただすぐに地上に戻し「ちゃんと避けてください!」と注意して再び影に潜っていった。ラッセルはこのままでは駄目だと次の段階へと進む。


妖術・狂鋭(ようじゅつ・きょうえい)


そう唱えると黒蝶がの羽が物凄く鋭利に変化する、それは襲撃の時にも見せた技だ。エンマは羽を生やし宙に浮いて逃げる、ラッセルは追うように命ずるがエンマは飛んでラッセルの方に向かってくる。だが寸前まで来たところで動きを止められる、影に足を掴まれた。

影は思いっきりエンマをぶん投げる、エンマは家にぶつかりそうになった所で再び浮遊し衝突を回避する。そしてすぐに突撃しようとする、その所を黒蝶が一気に襲いかかる。

エンマは体の所々を切り血を流す、だが気分がノッてきたエンマにとってはそんなものは蚊に刺された程度だ。ラッセルはならばと羽を切り落とさせる、エンマは落下するかと思いきや違う羽を生やし突っ込んでくる。今度こそ終わったかと思った瞬間視界が真っ暗になる、どうやら影の世界に引き込まれたようだ。


「戻しますよ!」


その声がすると光が戻り地上に返される、エンマは後方に移動しておりクルッと方向を変え再び迫ってくる。すぐに盾になるよう指示を出したが蝶達はそこまで早く無いので間に合わない、最悪当たってしまってもいいと思い対抗しようとする。だが自然と沈む


「ほんっとに貴方は!当たったら駄目だって言ってるでしょう!」


「すまない…」


「すまないじゃないでしょう!」


ラッセルは地上へ押し返される、エンマはそろそろ決めようと手を猛禽類の脚にする。そして一気に決めようとした瞬間エンマの背後から嘲笑う声がする


「なーにを終わらせようとしておる、妾を忘れるでない」


叉儺がとんでもない霊力を発する、流石のエンマでも驚きそちらに顔を向ける。叉儺は面を顔に当ててから唱える


『降霊術・面・狐神』


次の瞬間真っ白い毛に赤い紋様を携える狐神が召喚された。叉儺は適当にあいつを殺せと指示を出す、狐はエンマに襲い掛かろうとする。だがエンマはこう言いながら最終攻撃を行う


「ちょっと遅かったな」


『|肆式-弐条.両盡耿(よんしき-にじょう.りゃんさんこう)』


一瞬にして光に包まれる。何が起こったか理解できずに模索するが唐突に痛みが襲う、まさか光に触れているとダメージをくらうのか?と嘘であってほしいと思いながら考えるがその予想は的中する。両盡耿は光を発生させその光に触れたものを無作為に攻撃する術式だ、その代わり代償はデカく最低でも腕が一本持っていかれるがエンマは代用が効くのでそんな事関係ない。

暗闇の世界にいた影でさえも途轍もない痛みを感じる、ラッセルは蝶に庇ってもらうおうとしたが全ての蝶が墜落する。叉儺は「こりゃあ無駄じゃな」と言って狐をしまい堂々と攻撃をくらう。体が蝕まれ切れて血が吹き出す、その時三人はこんな馬鹿そうなやつでもこの世界を護るマモリビトなのだと再確認しながら痛みが限界を超え気絶した。


「K.O!」


「お父様の勝ちです」


フェリアがそう言うと三人は莉子に連れられ中立陣部屋に飛ばされ治療を受けた、一瞬にして怪我は治り部屋に戻る事になる。

TIS陣の部屋に戻った所で佐須魔が拍手しながら出迎える、そして影の方をおもむろに見ながらこう言う


「いやーお疲れ強かっただろう?でもあれは僕の力なんだ、君達学園の子供はそんな僕に正面から喧嘩を売ろうとしてる。今言うのもなんだが諦めた方が…」


「黙ってください、次の戦闘が始まります」


影は話を遮りテレビの前に座る。影の言葉通り第四陣は開始されようとしていた、佐須魔はパッとしない影が自分の話を遮った事に多少の不服感を覚えながらもこれぐらい反抗してくれる奴がいないと面白くないと思うようにして叉儺、ラッセルと一緒にテレビの前に座った。



第七十九話「第三陣」

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