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【完結】御伽学園戦闘病  作者: はんぺソ。
第五章「黄泉の王国」
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第七十七話

御伽学園戦闘病

第七十七話「第一陣」


翌朝全チームルーズのフライパンとお玉がぶつかり合う金属音で目を覚ます、さっさと飯を食えと叩き起こされ昨日飯を食った部屋に通される。TIS陣と学園陣で分かれて座る、エンマは飯を食いながら聞けと今日やる事の説明を始めた。

簡潔にまとめるとある程度は分かっているが正確に実力を測る為何陣かに分けてエンマと模擬戦を行う、勝敗は公平にフェリアがつける。どれだけ怪我をしてもどんな手を使ってもいいが死なれると面倒臭い事になるのでそれだけは避けるようにと釘を刺され次に誰と戦うかが発表された。今日は第六陣まで戦闘し明日に残っている奴らと戦闘をするとの事だ、関係のない陣が戦闘中は自室で待っているよう命じられる。そして部屋にはテレビがあるのでそれをつければ超高画質で戦闘を見れるらしい、そして次に戦う人は莉子が転送するので部屋で待機、怪我をした人は順次兵助とタルベに回復してもらうように。と説明を終えたエンマは三十分の休憩を上げると言って部屋を出てそのまま外に出て行った。

皆さっさと食べ終わり自室に戻る、そして三十分が経過した丁度の時TIS陣部屋から佐須魔だけが転送された。そしてテレビには佐須魔とエンマが家から少し離れた場所で向かい合っている様子が映し出される


「さーてやるよ佐須魔」


「俺一人かよ」


「だって僕には勝てるだろう?」


「さぁな」


「あ、説明してなかった。僕の能力は『アクジキ』と呼んで食べた者の能力や見た目に変われたりする、だからこの後ろの出てる触手はタコとかそういうのから引っ張り出してきた物だ」


こういう説明も一言一句テレビに変換される。そしてエンマの能力はとても強い、何故なら佐須魔や來花の体の一部でも喰ってしまえば無敵といっても差し支えがないほどの力を発揮する事になるだろう。

初戦で佐須魔を選ばれ万が一能力を取り込まれたりでもしたら勝てる能力者などいるわけがない、三部屋の空気は重苦しい。初戦の佐須魔でほぼ決まってしまうようなものなのだから。

そんな重苦しい雰囲気の中戦いの火蓋は切られた


『唱・髭切』


佐須魔の手元に一本の刀が現れる、佐須魔はそれをしっかりと握りながらエンマに突撃する。エンマは小手調べに触手で佐須魔を絡め取ろうとするが佐須魔は全て髭切で断ち斬りエンマに刀を振る、エンマは他の触手を後方の木に絡ませフックショットのような避け方をした。佐須魔はすぐに体勢を変え速攻で追撃を仕掛けるがエンマは物凄い勢いで後ろに進んでいくので追いつく事ができない、佐須魔は他の手段でも攻撃を試みる


『降霊術・唱・猫神』


そう唱えた瞬間現れたライオンはエンマに向かって走り出す、エンマは猫神を無視して佐須魔の真横にある木に触手を絡ませ移動する。佐須魔は絶好のチャンスだと触手を断ち斬った、だがエンマは笑って行動を変えようとしない。何かあるのだろうと少し横に避けようとしたが少し遅かった。佐須魔の耳元でエンマが囁く


「ぷすー」


腕に痛みを感じる、すぐに視線を落とすとエンマの右人差し指がスズメバチに変わっており針を刺されているのだ。佐須魔は「やっべぇ」と呟きながらも冷静にエンマを斬ろうとするがエンマに刀が当たらない、そしてエンマは姿を消した。何処にいるのか見ても分からない、霊力を頼りにやろうとしても地下にいる他の奴らの霊力のせいで細かな位置の特定ができない。困っていると後ろから再び囁かれる


「こっちだよ」


すぐに振り向き刀を振るが手応えはないどころか背中に再び痛みを感じる、また針を刺されたのであろう。

あれ程まで強い佐須魔が完封されている、負けてしまうかもと思った瞬間起死回生の一手を放つ


『リバーサルキラー』


その瞬間何処からかエンマが現れ血を吐き出す、佐須魔が何処にいたのか聞くとエンマは「空気になってた」と自慢げに言う。佐須魔は面倒臭そうな顔をしてから刀と猫神を戻し遠隔から攻撃する事にする。距離を取るとエンマはすぐに空気になり姿を消す、だが勿論対策はある。

佐須魔はニア等がが使うサポート能力『広域化』を発動してから唱える


『|肆式-弐条.両盡耿(よんしき-にじょう.りゃんさんこう)』


その瞬間広域化が発生している範囲、実に半径10m全体に光が満ちる。そして広域化を使った者もダメージはくらうはずだが佐須魔は全て自己回復でやりくりしている。だがエンマだってそれぐらいの事は出来るはずだ、なのだが何かおかしい。地下にいるメンバーですらも分かるほどにエンマの霊力が減少している。

その瞬間地上でとんでもない事が起こる、なんと佐須魔が起こした技と全く同じ事が起きた。佐須魔とエンマは今全く同じ行動をしている、所謂耐久戦だ。


「でもお前は回復が使えないはずだ」


「君はもう取り込んでいる」


「は?」


「だって僕は刺したじゃないか、針を。その時に血を取って舐めて吸収したんだ」


「でもお前と俺とじゃ霊力に差があるはず…!」


「何を言っているんだい?ここは僕が管理する世界だよ?職権濫用ぐらい簡単だ」


そう言ったエンマは途轍もない霊力を放つ、その霊力は佐須魔の数倍はあるだろう。そして耐久戦はエンマの勝ちかと思ったその瞬間外部からの声が聞こえる


「ストップ!」


それはフェリアの声だった。その声がすると二人すぐに能力を消しフェリアの方をみる。フェリアは呆れたように「これ以上やるとバレますよ」といい中止を促した、佐須魔もエンマも了承し第一陣の勝負は引き分けとなった。

戦闘が終わると佐須魔は莉子に触れられ中立陣の部屋に飛ばされ治療を受ける事になる、そして治療が終わり佐須魔が部屋に戻ると同時に第二陣の人物が転送される。

飛ばされたのは再び一人、第二陣は[翔馬 來花]ただ一人だ。


「さ、やろうか」


エンマは血まみれだが回復はしようとせずそのまま戦闘を始めようとする。來花も胸元からコトリバコを取り出し戦闘体勢に入る、エンマの顔は次第にあの二人へと近づいていく



第七十七話「第一陣」

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