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【完結】御伽学園戦闘病  作者: はんぺソ。
第二章「襲撃」
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第二十一話

御伽学園戦闘病

第二十一話「裏切り者」


これは薫達がチームBと合流する少し前の事

午前九時三十分 能力館


そろそろ予定されていた時間なので出発するか軽く話し合う、薫は朝食を取っているので翔子がその事にキレる。薫は少し考えたから翔子も食べたいと言う結論に達し翔子に向けて最後のおにぎりを差し出した。


「違うわよ!…でも食べるわ」


兆波は二人が食べ終わってから出発しようと提案し全員賛成した。そんな中一人で飯も食っていない教師[フィッシオ・ラッセル]が口を挟む。


「全く緊張感が無いですね」


「いやぁ緊張感で動けなくなったりするよりマシなんじゃないんですか?黒蝶(こくちょう)使いさん」


「なんて言いました?」


「だから、黒蝶使いさんって言ったんですよ」


「黒蝶使いで何か悪い事があるんですか」


「…なんでかはあんたが一番知ってるだろ?」


喧嘩が始まりそうになっていたので兆波が仲裁する、薫は残りを食い尽くし能力館の出口へ向かった。そして生徒会チームが全員出撃してから約三十分が経過してから予定通り教師チームは出撃を始めた。

教師達は焦る様子も無く早歩きどころか普通の歩く速度よりゆっくり歩いている。何分かダラダラと歩き目的地のビーチまで残り半分といった所まで行った時、時空が歪んだ。

一瞬でその歪みは治る。だがラッセルを除いた全員が同じ方向を見つめる。


「なぁ翔子、ここならいいよな?」


「いいんじゃない?被害出したら知らないけど」


三人が見ているのは時空を歪めた翔子ではない、最後尾を歩いていたラッセルの方向だ。

ただ見ただけじゃない、三人の足元には黒い蝶が二匹ずつ堕ちていた。


「最近不思議に思ってたんですよ、ラッセル先生…いやTIS重要幹部[フィッシオ・ラッセル]」


「なぜ不意打ちが当たらなかった」


「あ?索敵してんのに霊出してないわけないだろ」


「全員の時間を遅くして蝶を潰しただけよ」


「反射神経です」


「やはりあなた達はどこかおかしい。全てあなた達が悪いんです。全て…全て!」


薫は「戯言聞いてる暇はないからさっさと終わらせるぞ」と言った。翔子と兆波は返事をして戦闘を開始した。

そしてその直後ラッセルの動きが遅くなる。兆波はその動きが遅くなった隙を突き顔面を蹴った、ラッセルはゆっくりだが後ろによろめく。そのよろめいた瞬間を狙い薫は思い切りジャンプして踵落としをくらわせた。


「一秒解除!」


翔子は薫の指示通り一秒だけ能力を解除した。するとラッセルには一気に痛みが襲い地面に叩きつけられた。その衝撃と痛みで何も状況を理解できないラッセルはゆっくりと腕を顔の前に構えてガードをしようと思ったのだろう、だがスローになっているのにガードなんてしても意味は無い。薫と兆波は息を合わせ、同時に蹴りをぶち込んだ。それだけでは終わらず兆波は踵落とし、薫は顔面を殴った。


「もういいだろ。解除してくれ翔子」


「え?大丈夫なの?」


「言霊で動けないようにするから大丈夫だ」


「分かった先に言霊やって」


『動けない』


薫が言霊を放った後に翔子はスローを解除した。

すると一気に衝撃が襲ってきたラッセルは押し出された声を出し再度叩きつけられる。だが動けないので少し浮いたまま止まっている。

薫が質問をしようとするとラッセルはブツブツと何かを唱える。


「れ…う…ちょ」


「は?」


『降霊術・唱・黒蝶』


兆波は気付き薫の名を呼ぶ、だが遅かった。ラッセルから勢いよく出てきた黒蝶達が薫を包み込んだ。ラッセルはしてやったりと少し口角を上げる。翔子はパニックになり動きを止める、兆波は声をかけるが反応はない。


「クソ!すぐパニックになる!とりあえず薫を…」


翔子と兆波はあまりの勢いに冷静に考える事が出来ず翔子はパニックになり、兆波は黒蝶の群れに突っ込もうとした。だがそんなことしなくてもいい。何故なら今攻撃を受けている男は最強の男[華方 薫]だ


『降霊術・神話霊・ラー』


その瞬間薫を中心とする半径10mの距離の温度が10℃以上上がった。そして黒蝶は全てパサパサと静かに紅葉の葉のようにゆっくりと舞い、散った。

その温度を上げた者はエジプト神話の最高神である[太陽神 ラー]だ。


「な…ぜ…それをお前が…それは佐須魔様が何年も探し続けた最高神…ラー」


「もういい、やれラー」


太陽神ラーはラッセルにゆっくりと近付く。ラッセルは先ほどと同一人物とは思えないほどの形相で叫んだ。


「黒蝶!私を連れて行け!」


ラッセルがそう叫ぶと先ほどの数十倍の量の黒蝶がラッセルの体を完全に包んだ。だがラーは見向きもせず少し手を払った。すると何百匹もいた黒蝶は全員焼き払われた。だがその灰の中にフィッシオ・ラッセルの姿は無い、数秒で逃げられてしまった。


「クソ…逃げられた…まぁいい還れラー」


ラーは薫の方を向きゆっくりと頷いてから、薫の中に還っていった。すると周りの温度は一気に通常の温度に戻った。薫は二人に声をかけ正気を取り戻させた、そしてしっかりと話を聞けるようになってから次の行動を説明し始める。


「チームAの方にラッセルが行ったら不意を突かれるので兆波先生が全速力で走ってチームAの所に、俺と翔子はそのままチームBの場所に行きます」


「分かりました。では早速行ってきます」


気を付けるよう言ってから見送った、兆波も「気を付けて」と言葉を残してから速攻で今までのルートの真反対を走って行った。それを見た翔子と薫は急いで規定ルートを走り出した。



中谷(ナカタニ) 莉子(リコ)

能力/念能力

自分に触れている物をテレポート出来る

強さ/サポート系のため不明


第二十一話「裏切り者」

2023 6/22 改変

2023 6/22 台詞名前消去

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