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【完結】御伽学園戦闘病  作者: はんぺソ。
第二章「襲撃」
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第十八話

御伽学園戦闘病

第十八話「能力」


「お遊びだ」


「は…?」


光輝は絶望しおかしくなったのか笑っている。香奈美は驚きが隠せない様で青ざめる、だが急いで「教師が到着するまで粘れ」と叫んだ。だが原はまるで可笑しい事を言っているかのように笑う。


「君達が待っている教師は来ないぞ」


「どういうことだ!?」


「それは死んだ後の黄泉の国で聞くんだな!」


戯言を抜かしている原に向かって光輝が左手で殴りかかった。原は瞬時に右手で拳を止め左手で光輝の腹部を殴った。

光輝は右腕が折れているせいで受け身も取れずに数メートル先に吹っ飛んで横たわった。

もう終わったかと光輝に背を向けたが背後から嗄れた声が聞こえる


「ま…だ…おわり…じゃ…ないぞ!」


「そろそろウザいぞ」


「先生がこねぇなら俺がお前を瀕死にしなきゃ勝てねぇだろ!ここには一年だっているんだ、俺がしっかりしなきゃどうする!」


原はその言葉を聞いて呆れながらもゆっくりと光輝に近づいて行く。残り二メートル、一メートルと目の前まで来たところで拳を振り上げ、光輝にトドメを刺そうとした瞬間原に向かって大量の鳥が突撃してきた。漆が命令し邪魔させたのだ。


「光輝さんにそれ以上触れないでください!」


「さっきからなんなんだよ!トドメ刺そうとしたら妨害してくるじゃねぇか!そもそもお前はなんで中等部なのに生徒会にいるんだよ!」


「今はそんなこと関係ありません!」


原は漆本体を攻撃すればいいと知っていたのか笑いながら漆がいる後衛に向かって走り出した。前衛は完全に崩壊しているせいで止めることが出来ない、漆は恐怖からか硬直している。原は難なく漆の正面まで走ると拳に力を込める、漆は恐怖で震えている。それを見た原は先ほどの顔とは違う少しだけ優しい笑みを浮かべ何か呟いて漆のうなじに手刀を叩き込み気絶させた、だが漆を気絶させるのは少し遅かった。原は全く動かしていない左手に痛みを感じる、すぐに左手を見てみるとそこには漆が操っていた四匹のスズメバチが一斉の原の左腕に毒針を刺していたのだ。原は焦りながらスズメバチを追い払うが数秒刺されたままだったので体に毒が入ったのは確定だろう。


「まじかぁ…」


「よくやった漆!」


「おい!油断しすぎだぞ!」


光輝はいつのまにか原の後ろに回り込んでいた、ボロボロの体で原の脇腹を蹴る。原は光輝が立ち上がるとは思わなかったので急な攻撃に受け身を取る事が出来ず吹っ飛んだ。だがすぐに体を起こして光輝に向かって走り出す。光輝も負けずと原に向かって走り出した、だが体がボロボロな光輝は途中で転んでしまう。


「もう限界じゃねぇかよ」


「いや…まだ…まだやれる…まだ!」


「お前はなぜそこまで戦おうとする」


「俺は生徒会だ…生徒会はこの島の中でもトップクラスに強い連中が集まってる…その中で俺は弱い…だが弱いからこそ!やらなきゃいけないことがあるんだ!俺はいつも劣等感を感じていた…だけどお前を倒せば俺も強いと認められるんだ!」


「じゃあお前は自分が強いと証明したいんだな?」


「違う…俺は生徒会が強いと証明して市民に安心して暮らして欲しいんだ…」


「そうか…なら安心しろお前は十分強い。自分で思ってる程お前は弱くない、能力の事は心配かもしれんがお前には根性がある…でもまぁ俺をやるんだろ?ほら立てよ」


原は転んでいる光輝に手を差し出した、光輝と他のメンバーはその行動に驚いている。だが光輝は笑いながら原の手を取って立ち上がった。

そして戦闘体勢に入ってから一つ聞く。


「別に俺一人で戦わなくてもいいよな?」


「あぁ全員でかかってこい」


すると美久と灼が一瞬で霊を召喚する


『降霊術・神話霊・朱雀』


『降霊術・面・狐』


そして真澄は全力で威圧をかけている。蓮はどうにか目操術が決まらないか何度も挑戦している。皆光輝をサポートする形になった、光輝と原は互いに攻撃をしようと構える。


「行って!」


美久が指示をすると半霊は原に噛みつこうとした。だが原も戦いながら学ぶのだ、半霊を本気で蹴ろうとした。だが半霊は霊でしか攻撃できない。原の攻撃虚しく今度は左足のふくらはぎを噛みちぎられた、そして半霊は速攻で逃げ帰った。美久は霊力が半分を切ったので一旦霊を引っ込めた。

朱雀はろくな攻撃が出来ないので光輝を護るために待機している。横槍が入らなくなった光輝と原は言葉を交わし始めた。


「もう俺らの一対一だな」


「そうだな。けどお前もそろそろ毒が効いてきてるんじゃないか?」


「あぁ」


「じゃあ俺が勝つ」


光輝は左手で原のお腹を殴った、原は痛そうにしているがなんとか右手で光輝の顔面を殴り返した。二人は一度距離をとってはまた近づいて原は蹴り、光輝は殴って、また距離を取って、を数回繰り返した後光輝が呟いた。


「明らかに弱ってる…?」


「スズメバチの毒で筋肉がおかしくなったし、両手が痺れてんだよな」


「まじか?じゃあ勝てるな」


光輝は少し嬉しそうに原の顔を蹴った。すると原は今までとは違い遠くに吹っ飛んだ、原は数秒起きなかったがゆっくりと体を起こした。だが光輝はゆっくりと体を起こし終わった原を再度蹴った、原は驚きながら更に吹っ飛ぶ。光輝は攻撃の手を止めず吹っ飛んだ原に向かって走り込み仰向けになっている原に馬乗りになった。原は無防備な状態だったので光輝は左手で一生懸命に顔を殴っていた。何回か顔を殴り終わったところで原は馬乗りになっている光輝を無理矢理どかし距離を取った。先ほどまで余裕がありそうだった原は顔が血まみれで息も切れていてだいぶ辛そうだ。

原はすぐ後方が海で引くに引けなくなっている、光輝は原に向かって走り出した。そして一瞬にして懐まで近付き原のみぞおちに本気の蹴りをいれた。限界だったのか原は倒れた。


「やった…やった!」


「まだだ!」


そう香奈美が言った時には遅かった。原が浮かれている光輝の足を掴み右足を本気で捻った。ボキッっと鈍い音が鳴り光輝は座り込む、完全に右足が折れた。光輝は何故この状況でトドメを刺されず生きているのか疑問に思ったがそんな事よりまともに動けなくなってしまった事をどうにかしなくてはならない。座り込んでいる光輝に向かって原は足に力を入れる。


「俺の勝ちだ!」


光輝を蹴ろうとした瞬間後方から途轍もない殺気を感じ振り向く。


「やって黒狐」


真後ろで気絶していた水葉は目を覚まし、攻撃を始めていた。黒狐は出ていた時より数段デカくなっている。圧がすごくその場にいる誰もが黒狐を見て動きを止めた。その場は先程より空気が薄くなっている、体力に余裕がある蓮も灼も息を切らし青ざめ時期に立つのも厳しくなっていく。動けないまま数十秒が経ち立っている者は原と水葉、光輝だけになっていた。


「なんだよ…こいつ」


「これじゃあ俺立てねぇかも…」


原と光輝はあまりの迫力に薄笑いを浮かべて冷や汗をかき、身体中が凍えるような感覚を覚える。水葉は光輝に休むように伝えた、光輝は承諾しよれよれになりながら後方に下がっていった。

原は光輝から水葉の方に体を向け、質問を投げかける


「お前は俺を殺す気でくるか?」


「じゃあやろっか」


水葉は質問に答えず目に負えないスピードで原の足を蹴った。原は今更なんだと反撃で水葉を殴ろうとした瞬間、黒狐が吠えた。とても狐とは思えない咆哮をした後、原を鉤爪で引っ掻いた。

原は体から血が吹き出し倒れるように見えた、水葉が動きを止める。


「おつかれ、やっぱり本気出せれば強いね」


水葉は黒狐の頭を撫でていた。水葉は終わったと思っていたのだろう、だが原はまだ立っていた。しかも数秒前まであった引っ掻き傷など体のどこにもなかったのだ。原は気付いていない水葉の後頭部を蹴った、急な衝撃に動揺した水葉は倒れ込んだ後数秒考える。完全に殺したはずだが実際にまだ起きているし攻撃をくらった、そんな当たり前の事を数秒考えこんな事をしている暇ではないと水葉は体を起こした。そして無傷でピンピンと立っている原の方を向いて驚きと疑問、そして恐怖を感じた。


「なんで…生きてる」


「秘密さ」


「まぁいいもう一回やって」


黒狐はアリを踏み潰すかのように最も簡単に原を殺害した。だが原は狼狽える事すらせず堂々と立っている、水葉は無言で指示を出す。黒狐も黙ってそれに従い三回ほど一気に引っ掻いた、だがその攻撃も意味を成さず原は無傷でその場に立っている。


「それが能力か」


「正解、じゃあ詳細は分かるかな?」


「不死とかなら傷は出来るはず、時を戻すでもこのスピードの攻撃は避けられないし…ダメージを無効にするとかでしょ」


「ほぼ正解」


「ほぼ?」


「じゃあ俺を殴ってみろよ」


「じゃあ殴るね」


水葉は原の顔面を容赦なく殴った。今度こそ原はダメージを受け鼻血を流し始めた。水葉は勘付く、原は水葉が答えを言うのをいまかいまかとソワソワして待っている。だが水葉は冷たい声で自分の口で言うように促す、原は少し悲しそうに答えを教えた。


「俺の能力は『自分が死に至る攻撃を無効化する』だ」



高田(タカダ) (ウルシ)

能力/念能力

動物を操る

強さ/操っている動物によるためピンキリだが強い


第十八話「能力」

2023 4/26 改変

2023 6/22 台詞名前消去

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