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【完結】御伽学園戦闘病  作者: はんぺソ。
第五章「黄泉の王国」
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第百話

御伽学園戦闘病

第百話「繋ぐ」


ラッセル達は拳がやられた直後に王座の間に到着した。ゆっくり扉を開くとフラッグがこちら向いてまっていた、五人は戦闘体勢に入りながら入室する。ラッセルが先頭で様子を伺う、ただフラッグは攻撃してくる素振りは見せない。ならば先制攻撃をするまでだ。


『降霊術・唱・黒蝶』


大量の黒蝶がラッセルの背中から飛び出してくる。そしてラッセルが指示を出すと物凄い勢いで突撃して行く、フラッグは歪みを発生させ黒蝶を消し飛ばした。

ラッセルは佐須魔から能力を聞いていたので知っているが生徒達は知らないだろうと思いフラッグの能力を説明する。


「こいつの能力は『歪み』だ!時空を消し飛ばせるから気を付けろ!」


四人全員能力を聞き面倒臭そうな敵だと思う。だが全員でかかれば勝てるだろうと全員能力を発動する、影は沈でいった。美久は半霊を召喚し、蒼は力を発揮する。半田はどうにか触れる事が出来ないか様子を伺う。


「行きますよ」


フラッグは走って距離を詰めてくる、すぐに蒼と美久が攻撃し止めようとするが歪みを発生させ蒼と美久の後ろへ移動した。次は影が引きずり込もうとしたがまたまた歪みを発生させ影の位置をずらして回避する。誰が目的なのか見てみるとフラッグの正面には半田が立っている。先に厄介な念能力を潰す気なのだ、もう少しで触れてしまう距離まで来た。

半田は逃げようとしているがフラッグの能力相手だと逃げる事なんて不可能、もうやられてしまうかと思ったその時ラッセルが唱える。


『妖術・貫刃(ようじゅつ・がんば)


その瞬間蝶の羽が全て刃物のように鋭く変化しフラッグに襲いかかる。流石にこれをくらったらひとたまりもないと思ったフラッグは後ろに引いて距離を取った。

それに漬け込むように猛攻を仕掛ける、蒼と半霊が同時に突っ込み相手をさせている所を影が足を掴み動けないようにする。そしてラッセルが蝶に攻撃をさせる、フラッグはあまりの攻撃スピードに回避する事が出来ず押される一方だ。

だがフラッグもされるがままで終わるわけがない、フラッグはその部屋全体を歪ませた。その瞬間全員の視界や感覚が狂い始める、まるでジェットコースターに乗っているかのようにフワフワしながら体が回転していく感覚。次第に気持ち悪くなってくる、ヤバいと思ったその時その感覚は消え去った。何故止まったのかフラッグの方を見てみると半田が触れている。


「残念、俺が触れてれば全部消える」


「よくやった、半田!」


ラッセルが距離を詰め体術と持ち霊のコンボで圧倒していく、そこに蒼も加わり優勢は続く。たまにフラッグが反撃をするが半田が触れて止める。完全に詰みと言っていい状態だ。後ろには美久と半霊がいつでも動けるように構えているしなんなら影だってすぐ真下で待機している、フラッグはこのままでは負けてしまうと察知し最終手段を使う事にした。

全身に霊力を巡らせ一気に体全体から放出する、すると周りにいた全員の体の節々が消失した。ただ影だけは無傷で何が起こったか知らない。


「大丈夫か!」


「私は大丈夫です…」


「ぼ…僕も…」


「いってぇ!右腕が吹っ飛んだ!」


半田の能力を発動するのが難しくなってしまう、ただ不思議な事に血が出てこないので止血はしなくていいのは不幸中の幸いだ。

次にこの攻撃をされた場合は誰かが戦闘不能になってもおかしくはない、すぐにでも決着をつけなくてはいけない。ラッセルが影の名を呼ぶと影はフラッグの足首を掴んだ。すぐにラッセルと半霊が攻撃を仕掛けるが全て歪みで回避さてしまう、ならば蒼が直接殴ればいいのだ。

殴りかかったところでフラッグは影の手を吹っ飛ばす、だが影は離さまいとフラッグを影に沈めていく。蒼の一発が決まったと思った瞬間美久の左腕が飛んだ。


「こう言うやり方は少々嫌いなんですがね、やむを得ないと言うやつですよ」


フラッグの予想通り蒼は美久の方を見て動きを止めた、その隙に蒼を殴り飛ばす。折角のチャンスだったと言うのに、次のチャンスはいつ巡ってくるのか。そんな事を考えている間にフラッグのターンの突入する。

その瞬間皆の体の部位が次々無くなってゆく、美久はその衝撃に耐えきれず倒れ込み動かなくなった。半田も左腕が吹っ飛びろくに能力を使えなくなる。


「黒蝶!」


そう叫んだ時には遅かった、ラッセルの右下腹部は吹っ飛び立っている事さえも出来なくなってしまった。残っているのは影と蒼。だが蒼も左足と右手が飛んでいる、立っているのも難しく戦闘不能と言っても過言ではないだろう。

ならば影は、影はどうなったのだろうか。影は暗闇の世界で倒れている、何故攻撃が届いたかと言うと影が足を引きずり込んでしまっていたせいで暗闇の世界の影にも攻撃できたのだ。

一瞬にして五人が戦闘不能に陥った、その強さを見たある青年が[ギアル]の音を響かせながら部屋に入ってくる。


「凄いね、フラッグ」


入ってきたのは[木ノ傘 英二郎]だ。そしてその英次郎の右眼は碧く燃え盛る『碧眼』だ、『エクスカリバー』からは途轍もない霊力を感じる。フラッグは眼鏡の位置を戻してからこう言う


「久しぶりだね、英二郎君」


「僕が小さい頃に少し話した程度にしか記憶は無いがこれだけは言える、お前は悪だ。TISよりももっとクソな悪だ。僕は絵梨花先生を越える為に悪を裁く、最強の剣士だ」


より一層碧い眼を輝かせながら言い放った英二郎の顔は佐須魔や流に似ている笑顔だった。

『III』は敗北してしまったが与えたダメージは英二郎にとって大きな有利となり得る、英二郎は『エクスカリバー』を構えた英二郎は動き出した。



第百話「繋ぐ」

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