いよいよお茶会へ
~ハデス~
「用意ができたよー。」
そう言って部屋に入ってきたサクラを見て驚いた。
いつもより大人びて見える。思わず黙ってサクラを見る。
「やっぱり変?」
「いや、よく似合っている。」
サクラは嬉しそうに笑った。
「メーク、見てー♪」
「大変よくお似合いですよ。大人っぽく見えますね。」
「クレアスが口紅を塗ってくれたの♪」
そう言ってクレアスの隣に並ぶとまるで姉妹のように見える。
「これは困りましたねぇ。」メークが小声で呟いた。
「こんなに可愛いと心配になりますね。」
「あぁ。」
「それにあのドレスのお色、布屋の青年はなかなか見る目がありますね。」
サクラに好意を寄せたロエンという人間の青年のことを忘れていたというのに…。
「え?何です?」
「いや、何でもない。」
確かにロエンはなかなか見立てが良い。サクラに合う色をここまでピッタリと似合わせるとは…。ただの布屋の店主だからか、それともサクラを見ていたからか。イライラする。
「サクラ、向こうでは私のそばを離れないように。」
メークとクレアスが居るというのに、何故かそんなことを言った。
「うん。」
「では行こうか。オリュンポスへ。」
~メーク~
まったくハデス様ときたら、サクラ様の可愛さに言葉を失っていますよ。それにしても、何と可愛い。これでは心配にならないわけがない。ハデス様も素直に返事をするし。ただやっぱり布屋の青年は気がかりだったらしい。ハデス様ってこんなに分かりやすかったっけ?クレアスと目が合い笑ってしまいました。
では可愛い冥府のお姫様を連れて行きましょう。




