いよいよお茶会の日
~サクラ~
今日はオリュンポス宮殿のお茶会の日。
私は仕立て屋の死神さんが作ってくれたドレスに身を包んでいた。その姿を腕を組みながら眺めているクレアス。ドレスが素敵すぎて私に似合わないかな…。
「さすが…素敵なドレスね。あなたによく似合っているわ。」
「本当に?良かったぁ。」
「でも…」
と言いながらクレアスが私の唇を指でなぞった。
「こうしたら、サクラも女らしく見えるんじゃない?」
鏡に映る私は唇に色がついていた。
「口紅…?」
「えぇ、あなたの白い肌に映える綺麗な色でしょう?私はこれ。」
クレアスは気品漂う暗めの色合いのドレスとも合う赤みの口紅。美人なクレアスは何を着ても何色を合わせてもよく似合う。反対に私は淡く華やかな色合いのドレスとも合うピンクの口紅。
それからクレアスは私の首に香水をつけた。まるで、ハデスがくれたネックレスから良い香りがするみたい。
「フフッハデス様の反応が楽しみだわ。」
鏡越しにクレアスが微笑む。そんなクレアスに女の私でもドキッとしてしまう。
「ハデスはクレアスに反応するんじゃないかな…。」
言った後に思った。自分で言ったくせに何で胸が苦しくなるんだろう。今までこんな風になったこと無いのに…。
クレアスは呆れた目をして私に言った。
「何馬鹿なこと言ってんのよ。ハデス様が反応するのはいつだってあなたなのよ?サクラ?下らないことを言ってないで、笑っていなさい。笑っているあなたが1番なんだから。」
そう言ってクレアスは笑った。馬鹿なことって言われた。下らないって……クスクス。胸の苦しさなんか一瞬でなくなった。いったい何だったんだろう。
「さぁ、用意もできたことだし、ハデス様のところへ行きましょう。」
ハデス、似合うって言ってくれるかな…?
クレアスの言った、ハデス様の反応、が私も気になった。私たちはハデスの部屋へと向かった。
~クレアス~
「どうかな?」
仕立て屋の死神が作ったドレスを纏ったサクラが私に聞いてきた。華やかで淡い色合いのドレスはサクラが動く度にふわりと揺れた。サクラの白い肌ととてもよく合っている色味のドレスだ。長い髪の毛はいつもと同じように下ろしている。なのに、
ドレス1つでサクラがこんなに変わるなんて思わなかった…。
「こうしたら、サクラも女らしく見えるんじゃない?」
私はサクラの唇にピンクの口紅をのせた。これは…
「フフッハデス様の反応が楽しみだわ。」
鏡に映る少女はただの美少女ではなく、とびっきりの美少女だわ。で、何やら下らないことを言い出した。まったく、何を言ってるのかしらね。鈍いのは2人ともなんだから困っちゃうわ。
ハデス様の反応を想像しながら廊下を歩いていた。
でもお茶会での心配も増えたわね。まぁ、狼たちから守るためにメークと行くんだけど、まさかドレスと口紅1つでサクラがここまでとはね。
さぁハデス様はどんな顔をするかしら。




