旅立ち
「おい、クロス!起きろ」
「…」
ドアの外から大きな声で叫んでいるのは友人のレイだった。
「もう少しだけ寝させてくれよ」
「何寝ぼけたこといってんだ。今日は、、、」
そこまで聞いたところで僕は飛び起きた
「急いで準備するから待ってて!」
レイにすかさず返事をして、慌てて昨日用意しておいた持ち物とカバンを持ってドアを開いた
あたりはまだ薄暗くひんやりとした空気が頬を冷した
地平線を徐々に明るく照らしていく太陽に向かって馬車は向かっていった
これは英雄にあこがれた少年が英雄になる物語。
ーーーーーーーーーーーーー
と、なるはずだったが。
クロス・ホリンは、暇そうに窓の外を眺めていた。
黒髪だが所々、赤色と金色が混じっており、
まだ幼く、整っているがどこか抜けている。
12になったのでようやく退屈だった村を出て、遠く離れた街にある学校へと進学した。
両親は物心ついた時からおらず、友人のレイ・クーリーの家族に世話になっていた。本人はというと、隣で爆睡していた。
村は貧しく決して裕福とはいえなかったが、自然に囲まれていたため毎日狩りや、2人でスライムなどの小型の魔物を倒し稼いでいた。
学費や、こちらでの生活費もこれからはこの地域で稼いでいく必要があるが、村のように自由にはいかず、冒険者登録をしてクエストをこなす必要がある。
何故そこまでして学校に入ったかといわれると、神器を貰えるからにきまっている。
ーーーーーーーーーーーーー
おっ、やっときた
ようやく、クラスの担任と思われる人物が入ってきたが、、
!!!!
何か癖の強い、、
「これから・・・ 中里だ。・・・なかちゃんと呼んでくれ」
何か自己紹介しているが全く話が入ってこない。
アフロ!!!だっ!! 、、しかもごりごりのおっさん、、
レイをすかさずゆすって起こしたがまだねぼけて前をみて停止していた。
「なんだ、夢か・・・」
と言ってレイはまた寝ようとしたが、
「なっ 消え、、」
アフロのおっさんはすでに目の前に移動していた
「なかちゃんー、チョップ!!!」
かわいい名前とは思えない、ごつっという音とともにレイが声をあげた。