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秋物語り  作者: 大橋むつお
11/30

11:『で、出た~!!』

秋物語り・11

『で、出た~!!』        


 主な人物:サトコ(水沢亜紀=わたし) シホ(杉井麗) サキ(高階美花=呉美花)




 わたしはアレが重くって早引きした。やっぱ家出が影響して不順になっているようだ。


 薬を飲んでひっくり返った。なんだか東京が恋しくなってきた……そのホームシックがいけなかったのかも知れない。



 気がつくと、枕許に瞳さんが座っていた。『うらめしや~』で見たシャメのままのポニーテール。薄手のセーターに、ジーンズのミニスカ、足は赤と黒とのシマシマタイツ。それが、サキのようなヘタレ八の字の眉で、力無く頬笑み、自己紹介をした。


「おどかして、ごめんね。トコちゃんなら、お話できそうな気がして……」


 わたしは、「出た~!」と叫びたかったんだけど、金縛りで身動きもとれない。

「あ、暗いから怖いのよね。明るくしようね」

 瞳さんが、指先を動かすと、カーテンが開き、蛍光灯が点いた。とたんに瞳さんは半透明になってしまった。

「ちょっと補正するね」

 瞳さんが、ハイビジョンのようにクッキリ鮮やかになった。服装が季節はずれなこと以外、普通の人間のようだった。

「瞳さんって、死んだんですよね……?」

「うん。でも直樹が刺したってのは、ガセなんだよ」

「だって……」

「あ、トコちゃんの金縛りは、あたしのせいじゃないから。落ち着いたら動くわよ」

 そう言えば、わたしは喋っている。

「いて!」

 起きあがろうとしたら目まいがして、瞳さんが支えてくれたんだけど、その手は、わたしの体を素通りしてしまい。枕に変な角度で頭が落ちた。


 思わず二人で笑ったら、それがきっかけで体が自由になった。


「本当に幽霊さんなのね」

 瞳さんは、安心したように頷いた。

「トコちゃんとは、霊波動が合うから、お話ができるの」

「霊波動?」

「うん、血液型みたいなもの。で、これ見て」

 テレビがひとりでについて、映像が現れた。


 ちょっとロングだったけど、映像は鮮明だった。



 料理をしている直樹さんらしい男の人が、キッチンで料理をしている。そこにゾンビのマスクを被った瞳さんが、忍び足で近づいてくる。直樹さんは楽しげに、何か話している様子。直ぐ後ろまで来た瞳さんが、直樹さんをおどかした。振り返ったところを、ゾンビの瞳さんが抱きついた。で、二三秒あって、ゆっくりと仰向けに倒れる瞳さん。そして、そのお腹には深々と包丁が刺さっていた。


「これって、瞳さんがおどかそうとして、たまたま振り返った直樹さんの手に……」

「そう、包丁でタマネギ切ろうとする寸前。タイミングの悪い事故」

「このビデオ見たら、一発で分かるじゃん。これ、警察持って行こうよ!」

「だめ、他の人には見えないわ。あたしの霊力で、トコちゃんにだけ見えるの」

「あ……確かに。でも、なんで、直樹さんのこと、おどかそうなんてしたの?」

「赤ちゃんが出来たのが、その朝分かったの……」

 瞳さんは、愛おしそうにお腹を撫でた。

「今でも、赤ちゃんはお腹の中にいるんだよ」


 そりゃ、そうだろ。いっしょに死んだんだから。


「じゃ、このビデオは、単なる瞳さんの記憶の再生?」

「ううん、本当に、これを撮った人がいるの」

「じゃあ……」

「それがね……」


 わたしは、瞳さんの打ち明け話に協力することにした。


「いいわよ、書けた!」

 わたしに取り憑いていた瞳さんが、体から抜けていくのが分かった。

「うん、これでいい。あとは、お話したように、お願いね」

「うん……あ、生理痛無くなってる!?」

「せめてものお礼」

「ありがとう。下手すると明日も休まなきゃならないくらいだったから!」

「明日は、実行してもらわなきゃならないから」

「がんばるわね!」

「よろしく……あ、それから、生理痛は治したけど、ここしばらくは妊娠しやすくなってるから、気をつけてね」

「それは、大丈夫です!」

 わたしはサキやシホとは違うんだ!


 で、明日から、直樹さん無実証明作戦が始まる、


 で、瞳さんが、最後に言ったことが気がかりになる出来事も……。




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