11・西から昇ったお日様が東へへなーらさんせっとっ! Aパート
「駅構内で乗車待ちのお客様が突然全員倒れてしまいま」
バタン。
ホームの異常を知らせに来た駅員がここで卒倒して倒れた。彼も元騎士でそこそこレベルは高い筈なのに。
「あ゛~、桜さん? ちょっとは怒りをセーブしてくれると助かるんですが?」
「ふっふっふ。これは是が非でも帰還するか、こちらの世界から地球を攻撃する方法を確立しないとねぇ」
ブラックなオーラを纏った桜はかつての両親に向けて殺意の波動を展開した。ほんとに次元を超えて殺してしまえそうな感じがする。
「そこまで大規模な事件を起こしたんだ。おまえがわざわざ殺らなくても多分死刑は免れないと思うぞ?」
「ぬるいですっ! 死ぬよりも辛い四肢断絶の上、次元流しの刑が妥当ですっ!」
1m/m秒で却下された。本当に出来そうでこえー。
「あやつ、ここまで恐ろしい存在だったとは。(ガクブル)朕より余程魔王っぽいのじゃ。もう退冠したい」
「「「みすてないで――――っ!」」」
俺達必死。こんなヤヴァい奴を野放しにしちゃいけない。俺とシガー、りえ、みきが共同でかかればせめて一太刀くらい……
「ま、それはともかくプリキ○アですか? いいじゃないですか。ガンガンやりましょう!」
「「「「凍てつく波動は!?」」」」
あっさりと霧散した凶悪な殺意に俺らはツッコんだ。
「聖女様はうんこもおしっこも、殺意も出しませんっ」
よくいう。その台詞だけで台無しなんだけどな。うん。将来アニメ化してこいつに声優つけるとしたら大竹○ゆに決定だな。
「で、本題なんですけど?」
「無理だから。全員失神してるからっ!!」
「あらあらあらあら」
☆
明けて翌日、初期馴致も無くいきなりLV300超えの殺意を向けられた一行が目を覚ました頃にはすっかり日も高くなっていた。
ええ、あの後生き残った俺達と桜で全員を予定していた私室に運び込み、ベッドに寝かしつけましたとも。
まぁ、最低レベルの段階であの殺意を感じた以上、並大抵の事では動じない精神を身に付けられるのではないか? とは期待しているのであるが。心が折れてなければ。
「それじゃあ~ 改めましてプリキ○アやりたい人?」
「「「「「はーい」」」」」
「「「「「はーい」」」」」
「「「はーい(^O^)/」」」
けっこう多いな。大人気だな。プリキ○ア
結果、過半数の26人がやりたい。いやちょっと、が12人。保留が4人。内訳は6年生と7年生が少なめなのはいたしかたなかろう。先生は当然やらない組かと思いきや、参加する方向で前向きに検討しているようだ。
「ふふふ。もはや恥ずかしい場面も暴露された私ですから……もう怖い物なんかありませんよ。ふふふ。ええ、今ならオークさんとだってチークが踊れちゃいますよ。奥さんになるのは勘弁ですが。オークだけに」
なんか目がレイプ目になったまま戻って来ていない。俺が部屋まで運んであげた時に失禁している事に気が付いて着替えさせてあげた事と関係があるのだろうか?
意外だったのが、明乃嬢ら7年生組が辞退した事。ミッチーはやりたがるかと思ったが、そもそも記憶に残っていなかった。明乃嬢が言うには
「流石に女児向け作品の主人公になるには羞恥が邪魔をして……」
とは、もっともな意見である。但し、武芸を習う事については前向きであり、装備さえ地味なら是非にという事であった。




