10・もしもクラス転移ものでブリキュアオールスターを実現できるなら、俺はその世界で彼女らと恋をしたいっ! Aパート
「ぷぷー! あんた、完全に見透かされてるじゃない! ぷっ。ロ、ろり、ロリコンの勇者様。ぷぷー!」
うるさいっ! りえめ、後で覚えてろ。
「どどどど、どうして俺がロリコンだとお、思ったのかな?」
「その動揺具合で完全に『黒』でございます。御主人様」
「勇者様、おいたわしい」
「ふむ、なかなか見どころのある娘子共だのう」
やかましいっ! しかし、どうしてだ? 俺の完璧な計画が漏れていた?
「実は、昨日の夜、聞いてしまったんですの。勇者様の部屋から、あ、あの、お姫様と、え、えっちな事している時、それを覗いていた先生の、その、あえぎ声を」
先生――――っ!
「途中で皆さんが退室された後、残られた先生が気絶されたのを介抱しようとして近づいた時に、部屋からお姫様と話している勇者様の声が聞こえてきて……」
「え? 聞いてらしたのですか? きゃー(><)/」
ジョゼ、そこは悦ぶところじゃないぞ? そして先生は口からエクストプラズムが出ている。
「私たちのプリキ○ア化計画というのをお話されていましたよね?」
げ! 聞いてたのはそこかよっ! にこやかに話す副会長の夏目雅嬢はふわふわした雰囲気で話を続ける。
「実は、恥ずかしながら私達小さい頃から大ファンでして、小学部時代に一緒に見に行った映画に感動して以来、『いつか私達四人でプリキ○アやりたいよね』って言い合っていたんですの」
「……流石にこの歳になってそんな夢が叶う訳は無いと思っていましたが……」
「もし、本当にそんな突拍子も無い夢でもこの世界で叶うのなら、そのチャンスに賭けてみたいと思いましたの」
「うちらの力でそれが本当に可能なら、是非やり方を教えて欲しいんですっス!」
四人の少女は前のめりにそんなぶっ飛んだ夢を語り出した。その勢いに俺も、りえやみきはおろか、シガーまでが圧倒されている。ジョゼは今一判っていないようだが。
「……それで、私達こんなものを作ってみたのですが」
そう言って会計の 継 百恵嬢が取り出したのは、【わたしがかんがえたプリキ○ア】の絵である。とは言っても所謂女の子が一度は描いたことのあるお絵かき的な絵ではなく、四人分の三面図と設定資料集である。
「……えーと、つまり? これを参考に衣装を作ってコスプレしたいと?」
「それだけじゃなくて、実際に戦って歌って踊れる『本物』になりたいんですっス!」
力強く書記の 萩原 順子嬢が宣言する。
「本物?」
「「「「何物にも負ける事の無い本当の【力】を持ったスーパーヒロインに」」」」
「えらいっ!」
なんか、りえがすんげー拳握って力強く褒め称えた。
「そういう事なら多分力になれると思うわっ! 今は居ないけど、もう一人うってつけの勇者が居るの。その子に協力してもらえば多分いえ、きっとあなたたちの力になって貰えるわっ!」
「ちょっ、おま、あいつにこの子たちを弄らせるつもりかっ!?」
「なによ。一番最適の人材じゃないの。どうせこの子達全員強くしなきゃいけないんでしょうが? だったら一番モチベーションを上げられる方法で強くなるのが一番いい方法じゃないの?」
「それはそうなんだが……」
悪い事は言わないから止めといた方がいいぞ。




