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幸せ♡ロリコンえんぱいあ♡  作者: おまわりさ~ん こいつです~
第二章 8年生の秘めた望み
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08・若気の至りとはいえ考えなしにやってもた。後悔はしている! Bパート

 

 

『創造主様。ト○マスって何ですか?』


「聞くな!」


 機関車のフロントにある顔に向かって威嚇する俺。シュールだ。と、いうかしゃべる顔を付けた時点で負けだよなぁ。




 そんな製作者の葛藤はさておいて、車掌のルーカスに促され次々と乗車していくガールズたち。思わぬ汽車旅にテンションが上がって行く。中に入るとその豪華な内装に更にテンションが上がって行く。ま、今の今まで城に居たんだから目は肥えていると思うけど。この分なら楽しく移動して貰えそうで重畳である。


「勇者さま~駅弁買っていいですか~?」


「一応食堂車もあるけど、駅弁も旅のだいご味だからね。出発まで余り時間が無いから欲しい人は早く買って来てね~」


「「「「「ハーイ」」」」」


「おじさ~ん! あたし、これ!」


 早速ミッチーが釜飯を一つ取る。


「はいよ。一つ500万ガバスだよ」


「は~い。500ガバスね?」


「! いやいや、違うよっ! 本当に500万ガ・バ・ス!!」


 ぴきっ!


 並んでいた全員が固まった。一応、国王から一人100万ガバスの小遣いを貰ってテンションがMAXだったのだが、どうやらインフレ率に追い越されていたようだ。当然駄菓子屋的な慣用句ではない。仕方ないか。


「あー、主人、領貨ではダメか?」

「! 勇者様? め、めめ、めっそうも無い! 勇者様領の貨幣なら20ダイナーで結構でございやす!」

「わかった。全部貰おうか。金貨でもいいか? 釣りはいい」

「へ? 一万も? 貰いすぎですよ勇者様」

「構わない。暮らしも仕入れも楽じゃないだろう? せめて駅弁くらい旨い物が食えるようにしてくれ」


 じーん、と感動したような店主に何度も礼をされながら、お付の騎士たちに皆に配る様指示を出した。


 結局全員最初の食事は駅弁となりました。


『え゛~、まもなく本列車王都発勇者領行、定刻通りに12時00分発車いたします。発車いたしましたら窓から顔や手を出さないようにお願いいたします。この列車は翌翌日の午前11時40分勇者領駅に到着いたします。二日間の旅、皆様どうぞお楽しみくださいませ。それでは間も無く発車いたしま~す』


 車掌のルーカス渾身のアナウンスである。こんな所に日本的なサービスを感じたのか、皆半笑いだったのは、まぁご愛嬌ということで。


 ピ―――――っ



 がたん、ごとん、と列車が動き出した。これで、二日はゆっくりできそうだ。


「お兄ちゃん、ありがとう。おべんとうたべていい?」


 俺と向かい合わせに座ったミッチーは最早お預けを喰った犬状態である。記憶と共に知性までどっかに捨ててきてしまったかのようだ。ひらがな率増えてるし。まぁ、屈託のない笑顔は増えたので結果オーライでもいいんじゃなかろうか?


「ああ。みんなも遅くなったから食べて構わないよ。騎士たちやメイドの分もあるから全員に行き渡ると思うが」


「20ばかり余りましたが2つ喰っていいですか? 辺境伯?」


「脳筋どもは少し遠慮しやがれ! 子供達が優先だ!」


 がっく死した騎士どもを叱りつけてから俺も自分の分を食べようと包みを開いた。とはいえ、一応乗車中の6食分は料金に含まれているから、足りなければ食堂で好きなだけ食えるんだけどね。


 日本風の弁当なので無論ご飯入りである。見目の綺麗さにしばし郷愁に浸っていると、


「はい。あーん」


 ミッチーが俺にあーんをしてきた。それに触発されたのか隣に座っていたジョゼまでもが、


「こちらもおいしそうですわよ? あーん」


 ミッチーに張り合ってきた。睨み合う二人の間にあって居たたまれない雰囲気の先生が不憫である。


「あの~私もあーんした方がいいでしょうか?」

「いや、張り合わんでください」


 列車の構成は、二両目に昼間用のパノラマ展望車。今はここで弁当を全員で喰っている。

 三両目に食堂車。四両目以降が一両当たり10部屋の個室寝台車。八両目に騎士達の臨時詰め所。九両目がスイートで一応俺とジョゼの部屋である。基本二人部屋なので、少女たちの部屋の間に一部屋メイドの部屋を設け両隣を担当して貰うことにした。騎士たちは雑魚寝であるが、巡回など仕事もあるし、一両まるまる使用しているのでそう窮屈でもないだろう。


 やがて王都を抜けて田園風景が途切れると内陸最大の湖「ベルカ湖」が現れる。湖のむこうに見える山々は「アデウ山脈」国内では最大の銀鉱山のある山々である。


「あ! ネッシー!」


 少女の一人が湖から顔を出す首長竜に気が付いた。全高は15m程度であろうか? 気性の穏やかな草食恐竜である。大人しく、ずぼらな性格の為家畜にして作業をさせるには向かないが、その巨体ゆえ、観光資源としては有用で見ると幸運が訪れると言われている。


 見られたのはほんの一瞬である。見られなかった娘たちは見た娘から自慢されてくやしそうではあったが、そんな感じの物見遊山気分で飽きる事無く日暮れまでほとんどの子がこのパノラマ展望車で初日を過ごした。


 夜はというと、俺とジョゼが同室と知ると一部より純粋にお叱りが寄せられたが、特にお怒りやご不満をお持ちの「有志連合」様方による(先生とミッチー、明乃嬢、しずくちゃん、他)監視により不純異性交遊等防止に努められました事、御協力心より感謝いたします次第でございます。ちっ!


 明くる二日目になると、列車は森の中をひたすら走るようになる。景色に変化がないため、飽きて来た子たちの中で、列車内を探検する組と展望室でゲームに興じる組に分かれて行動していた。


 そしてその日の夜はというと、流石に辛抱たまらんので、早々に籠城したところ、どこから入ったのかミッチーが紛れ込んでいた為、あえなく断念。かと思いきや直ぐにおねむとなったので、横に寝かせたままこっそりといたした次第でございました。ぺっかーん!


 翌朝股間から濃厚な蜜をしたたらせて昇天しているミッチーを発見したのですが、見なかった事にしてスルーし、正体を取り戻した彼女からの数々の疑問やお問い合わせをシカトして平穏を取り戻した。なぜか「有志連合」の皆様もつやつやとしていたのはこちらも聞いてはならない事と認識しておりますですはい。




 そしてその日の正午目前、遂に森林から抜け出すと、見渡す限りの赤茶けた荒野に景色が代わり、


「領都 ヴレイヴラント」に到着した。

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