06・普通のチーレムものなら上がりの話ではあるが、ここで盛り上がれないのは仕様なので許してちょんまげ! Bパート
どちらにしろあれを放っておく訳にもいかない。誰も出来ないなら俺が殺るっ!
二匹目を仕留めた瞬間にまた20以上レベルが上がった。
続いて三匹目、四匹目は同時に上空3000mまで上昇させる。そして、一気に魔力を切ることで土魔法タワーを消去する。どど――――――――ん! 二匹を同時に墜落死させ更に20のレベルが上昇する。
ここで手に入れたスキルが何やら使えそうだ。
【無詠唱】
【魔法発動短縮1/4】
【マルチタスク】
複数の同魔法を時間短縮でガンガン打ち出す。上昇のスピードが今までとは段違いにアップしている為、上昇する地盤はとてつもなく重い玄武がぽんぽんと空に飛ばす!
どっすん! どっすん! と次々と地面に叩き付けられる玄武たちはその自重により莫大なダメージを負い地面に激突死していった。その度に俺のレベルが上がる。上がるごとに更に殺るスピードが上がる。終いには地面を隆起させるスピードだけでぽーん、と跳ね飛ばしてしまう勢いであった。
遂に玄武を全滅させた俺は最終的にレベル231に達した。人類種としては前人未踏の境地である。
いや、未だ一頭残っている。大きさは今までの倍。成獣の玄武である。
「これで最後だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
気合を入れ直して地面を隆起させる。大きさが大きさであるため、念の為に高度を今までの3倍以上。10000mまで高く上昇させる。そして、最後に頂点部分を尖らせると、足場を失った玄武が転落する。
ヒュー――――――――――――――――――――――――――――――――――っ、ドンガラガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!
余りの重量に周囲は完全にクレーター化する。濛々と上がる土煙、いや、土石流と言っても良いレベルである。この一撃で外周部に詰まっていた魔物も巻き込んでいるが、こちら側の被害も決して小さくはない。
魔王国への侵攻は事実上断念となるだろうと確信していた。しかも、未だ魔物は多く、大型のものも少なくは無い。
ん? そういえば、レベルアップしてないな?
「ねぇ、あれ?」
りえに指さされた方を見やる。
「まだ、生きてない?」
クレーターの中で確かに玄武は息があった。ただ、転倒して逆さまになっている事と、首をだら~んと地に寝そべっている状態を見ると瀕死ではあるようだ。甲羅の上に生えてる蛇は完全に千切れていてこちらもぴくぴくしている。
「今だ! ラストアタックいただきっ!」
「ひゃっはーっ! 経験値うまうま」
「バカ野郎! いただくのは俺だっ!」
あ、あいつらは第1パーティーの連中か? 確か勇者っぽい加護の持ち主ばっかで構成されてて国からも贔屓されてる……今までどこに居たのかは知らないがこの場面で火事場泥棒かよ!
だが、うかつに近寄った事が裏目に出たのか、千切れた蛇が最後の力を振り絞り喰いつきに行った。
蛇だけとはいえ、全長30m程、直径も5m近い大蛇である。一息に噛みつくと、そのまま三人纏めて丸呑みにされた。
「いかん! 勇者様をお助けしろっ!」
既に青息吐息の騎士たちが必死になってクレーターを駆け降りる。だが、勇者を丸呑みした効果か、蛇は超回復を果たし、騎士たちを蹂躙する。このままじゃ、全滅する!?
俺はついさっき手に入れた【権能】を使い蛇を足止めする。
「【ロックバインド】」
巌にまとわりつかれた蛇は身動き出来なくなり、その瞬間に
「【スカーレットビーム】」
「【フォースエクスプロージョン】」
「【鎌鼬・乱れ打ち】」
みき、桜、りえの三人がそれぞれ新しいスキルを発動し止めを刺した。
「どうしたんだ? 新しいスキルか?」
「どうした? じゃ無いわよ!」
「わたしたちは同じパーティーなんですよ?」
「御主人様がレベルアップすれば必然的に私達もレベルアップしますよ。それは」
うかつ。そりゃそーだ。聞くと、ラストアタックボーナスこそ無いものの、みんなそれぞれレベル100
の大台に乗ったそうな。
りえが、今のラストアタック込みで156.
桜は、129
みきが、131
ちなみに俺も一つレベルが上がった。今232だ。
さっきの第1パーティーが出征前で40台前半だったからすんげー差を付けた訳だ。生きていれば。
「駄目だ! 酸と毒にやられて絶命している!」
やつらのお付の騎士達が悲壮な報告をしてきた。相変わらず玄武の本体は息があるがこんな惨状では誰も近寄らない。
「ついでだ。あいつのラストアタック、誰か貰っとけよ!」
「あ、じゃあ、桜がいいんじゃね?」
「賛成です。桜さんはこれからが仕事が増えるんじゃないですか? 負傷者が一杯出てますし」
「いいんですか?」
「妥当な所だろう? 死者をよみがえらせろとまでは言わないが、神聖魔法はいくらでも要るだろ?」
と、言う訳で既に虫の息の玄武の口の中に
「【フォースエクスプロージョン】」
空気の塊を叩き込む。ややあって体内で爆発した魔法は成体玄武の息の根を止めた。
レベルがあがった!
レベルがあがった!
レベルがあがった!
レベルがあがった!
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レベルがあがった!
レベルがあがった!
なんと、32もレベルが上がった。計161レベルだ。
りえ、みきも各8ずつ上昇。俺もまた一つ上がった。
俺 レベル233
りえ レベル164
桜 レベル161
みき レベル139
「ま、次はみきのパワーレベリングだな」
「そうね~」
「この御恩は必ず返しますからね~」
「ありがとうございます。でも、必要でしょうか? 今までレベル100以上の人なんて見た事無いですけど?」
「「「! そこに気がつくとは~」」」
未だ周囲では領兵や別の勇者もまだ魔物と戦っている。なのに既に俺達ときたら一仕事終えた感じで半笑いであった。油断があったのだろうと思う。だから、太陽を背負ったそいつの強襲に気が付くのが遅れた。
「ファイヤードラゴンだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」




