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3章 20話:リンネ

3章:狐人族


3章 20話:リンネ


 いきなりでなんだけど、ルーニャを家族に迎えて今日で一年経つ。時間がたつのは早い……まあその間にも色々とあったが、一番の大きな変化は……


「ルーニャちゃーん!訓練しーまーしょー」

「はーい!ちょっと待ってー!じゃあおにーちゃん、おねーちゃん裏で訓練してから街道行ってくるね!」

「タオルと水は持った?」

 クレアがいった。

「大丈夫!」

「帰宅予定は何時だっけ?」

 俺がいった。

「日が暮れる前です!鐘が十一回ニャる前には帰ります!」

「「気をつけて遊んできなさい」」

「はーい!」


 ……これだ。この子は商業ギルドの狐人族リンネさんの下の妹でナコルという。ルーニャと同い年で友だちが少ない事が悩みだったリンネさんから相談されて今に至るわけだけどその辺を語ることにする。


~一年前~


 ルーニャを妹にして二ヶ月が経った頃、商業ギルドで素材の換金を終えたら後ろから声をかけられた。


「アキ様、少々お聞きしたいことがあるのですが……もしよろしければお時間の空いている時にお話をさせていただけないでしょうか?もちろんクレア様もご一緒で」

 リンネさんだった。小走りで来た様で若干頬が赤い。今日も可愛いな~

 立つと俺と同じくらいの身長だった。170センチもあるのか……全然ありだね!ちなみにクレアは165センチである。

 カウンター越しでは気がつかなかったけどリンネさんはたわわに実った良い物をふたつお持ちだった。ダメだと思っていても目が向いてしまう。

「アキ君さすがに見すぎだよ?」

「あー顔を挟んでもらいた……えっ?」

 えっ?まさか声に出てた?サーっと血の気が引いていく。

「……私の回復魔法ではアキ君の頭は治せないのよ。ゴメンねリンネさん」

「い、いえ……それにそういう目線には慣れてますから」

「ほ、本当にすみません。つい心の声が!」

 軽くジャンプしてそのまま土下座しながら謝る。

「い、いえ本当に大丈夫ですよ。ですが……次からは恥ずかしいので声には出さないで欲しいです」

 そういってしゃがんで優しく許してくれるリンネさん。ゆっくり顔を上げるとそこには、目の前でしゃがんでいる為にスカートと腿の間から黒いレースの見えてはいけない物が見え、急いで顔を逸らした。

「どうしました?」

「あ、あのすみません!その位置だと見えてしまうので……」

 やっと気がついたリンネさんは、スッと立ち上がって後ろに下がった。

「……アキ様はエッチですね」

「アキ君はラッキースケベ検定持ってるの?」

 何それ?あるのなら今度クレアに聞いてテキストを取り寄せることにしよう。

 それにしてもリンネさんの恥ずかしくて赤くなる顔はそそる物がある。クールビューティーにそういう顔されると胸が打ちぬかれたような気持ちになる!

 とはいえ、いつまでも土下座している訳にもいかないので立ち上がり本題に入った。


「で、時間ですよね?日にちと時間をいってくれればリンネさんに合わせますけど?」

「い、いえ空いている時間を教えていただければ私が都合つけますので」

 申し訳なさそうに答えるから少し早めに質問をしてみることにした。

「ちなみに、リンネさんの次の休みはいつなんです?」

「明日です」

「予定は?」

「特にありません」

「いつも休日はどのくらいに起きます?」

「いつも通りです。鐘が一回鳴る時には起きています」

「胸の大きさは?」

「Fで……って、え!?」

「すみませんでした」

 本日二回目の土下座である。それにしてもFか、ヤベエな。リンネさんと付き合うにはどう努力したらいいんだろう。

「アキ君さすがにセクハラよ?ちなみに私は……」

「Dでしょ?」

 すかさず答える。

「えっ?何で?何で知ってるの?」

「酔って帰ってきた後に色々と片付けしてるの俺だし……」

 神界にいた時と同様に俺は、たまにクレアの愚痴を酒場で聞いていた。

 以前と違ったのは、翌日に仕事がないからか、ベロベロになるまで酔っ払ったクレアを背負って帰り、帰宅するとルーニャを起こし絡もうとするのを止め、風呂に入ろうとするので仕方がなく一緒に入る事になる。頭と体を洗わせられ、着替えさせベッドに運んでから脱ぎ散らかされた服や下着を俺が洗濯しているのだからサイズくらい知っていても問題がないはずだ!と力説する。

「ごめんなさい!」

「アキ様も苦労なさっているのですね……」

 一方には俺がさっきまでしていた土下座で謝られ、一方には優しい目で見られた。 

「まあその話は置いておいて、明日の鐘が六回鳴ったくらいに俺らの家でどうでしょうか?どうせなら一緒に食事でもとりながら」

 これでさっきの事を流せないかな?

「そうね、折角だし私も頑張って作るね」

「いえ、でもご迷惑では?」

「リンネさんには日頃お世話になってるからね」

「たまには私らがもてなすわよ」

「では、申し訳ありませんが明日の六回の鐘が鳴った時にお邪魔させていただきます。ちなみに場所はどちらになりますか?」

 六回というのは日本でいう十二時って事だ。

「あ!そうだよねちょっと待って!【創造】と【創造】っと」

 ペンと羊皮紙を創り簡単に地図を書いていく。

「それがアキ様の魔法ですか?始めて見ましたがすごいですね」

「まあ神様に貰ったスキルだしね」

「えっ!?」

「できた!これでわかるかな?」

「これは……すごいですね!道や建物に…って建物の名前まで?これなら迷わず行けますよ!これもスキルで書いたんですか?」

「いやこれは記憶を元に俺が簡単に書いたものだけど?」

「これを街全体で書いてもらえれば商業ギルドで高額買取します!」

「えっ?何で?」

「商人が寄った際に一目で行き先が判るので、入場の際に門番に売ってもらえれば利益がでると考えられます」

「なるほどね……まあこれは暇があったら考えておくよ」

「いい返事をお待ちしております」


 そんな感じで俺らは明日にリンネさんと約束をし冒険者ギルドを後にした。


 とりあえず、今から俺らがすることは明日の為の買出しだ!

 どうせなら教会に寄ってルーニャも連れて行こう。

 折角だしルーニャの食べたいものも聞いてあげないとな!

 それに、お金も溜まってきたし皆の服を買って帰る事にした。


この世界では時計が非常に高価で大型の為に街にひとつあればいいです。

その為に、住民は鐘で時間を把握しています。

十八時以降は寝る住人の事も考え鳴りません。


七時:一回

八時:二回

九時:三回

十時:四回

十一時:五回

十二時:六回

十三時:七回

十四時:八回

十五時:九回

十六時:十回

十七時:十一回

十八時:十二回


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