復元身体 4
彼女は復元身体の理解者でありたいと言った。
つまりそれは、その理解者を、復元身体自身が殺害してしまったということか?
彼女が生きていたなら――。
自分は、今以外の道を行くことができたということか?
分からない分からない分からない。
結果的に、彼女は、だから死んだ。
『だから』の部分は、未だ不明のままだ。
分かったのは。、彼女は、誰かの意思の道具でしかなかったということだ。
このキカク地域において、くだらないものの為に彼女は死んだ。
自身の夢を、捨てる結果になった。
――ならば、復元身体はその代弁者になろう。
彼女の意思を継ぐのではない。結果的に彼女が行いたかったことを、違う形で実現する。
キカクの体制変革。
人間の人間による理解者の獲得。
それを、武力と傷を持って実現しよう。
モモタビ・マイリの意思でもない。オリガ・カナエの意思でもない。
ただ。復元身体という。一人の人間の意思として。
彼女の存在を、行動によって自身に示してやろう。
犠牲はそのためにはいとわない。そも、自身に犠牲を厭う理由はない。
自分の前で死んだ彼女に、彼女の欲しかった世界を見せてやろう。
行動は今までと同じだが、意思は違う。
今までの行動原理からは逸脱している。
思想ではなく。
怒りではなく。
恨みではなく。
迎合ではなく。
嫌悪ではなく。
失望ではなく。
憧憬ではなく。
逆襲ではなく。
離反ではなく。
阻害ではなく。
想いではなく。
憧れではなく。
惜春ではなく。
黙認ではなく。
納得ではない。
これは、ボク自身のトウソウだ。
彼女に対しての、もう存在しない単一の誰かに対する行動だ。
感傷は不要。理由があればそれでいい。誰かの為にだとか、何かの為にだとか、そうではない。
ボクは、ボクの行動で彼女を理解する。
そのために人間に寄生しよう。
彼女が、一体どのような人物だったのか。
やり終えた後に、感じたことを、答えとしよう。
そうして、復元身体という人物の行動は始まった。
キカクという地域における戦線布告。人的鎧を扱った襲撃。幾多の人間の中に入り込んでの活動。それらすべてを、総合し、併合し、計測する。目的を達成することが重要なのではなく、その過程、そして終わった後に残る『何か』こそを求めようと、彼は決めた。
結果なんて、どうでもよかった。




