↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴィリジアン  作者: 千月志保
第10章 結界の向こう
PR
84/170

結界の向こうへ

「ただ周りにいた者たちがそう思っただけかもしれない。でも、私も少し、気になってはいる」

 クレサックはそう言っていた。そして、そのセレストが自ら王騎士にするために連れてきたソード。

 何度か考えたことがあった。セレストとソードとヴァンパイアに何らかの関係があるのではないかと。だが、その度に否定した。ヴァンパイアに支配されているなんて、ヴァンパイアの部下として働いているなんて考えるのは怖かった。信じたくなかった。

「敵は、僕をおびき寄せているんだと思う。心当たりがある。これは罠だ。だから」

 グレンはソフィアを真っ直ぐに見つめた。

「きっと僕以外の人は結界に弾かれる。僕は一人で二階に突入することになる。ソフィアたちは今までどおり上で何か事態が変わって結界が解かれたときにすぐに突入できるように待機していて欲しい」

「罠だと知っていて、自ら飛び込んでいくの?」

 ソフィアは呆れたような、しかしどこか優しい口調で言った。答えはもう知っていて諦めている。ただ送り出すしかない。

「分かったわ。ここは任せて」

「僕を、信じて」

 突っ込んでみなければ分からない。だが、そうするしかエストルを解放する方法はない。それに今、ヴィリジアンがある。その力には未知なところだらけだが、試す価値のある手はいくらでもある。グレンは結界の前に立って言った。

「待たせたね、〈追跡者〉。グレンだ。道を開けて」

 すると、城中に声が響き渡った。

「待ちくたびれたぞ。来い」

 結界の一部が裂け、グレンは中に入った。結界はすぐに閉じて、元通りになった。

「頼んだわよ、グレン」

 ソフィアは心の中で祈りながらつぶやいた。


 グレンは迷わずエストルの執務室に向かった。〈追跡者〉の意図は分かっている。誰もいない廊下を真っ直ぐ歩いて執務室の扉の前で立ち止まる。

「どうぞ」

 扉が勝手に開いた。

「エストル!」

 部屋に入るなり、魔法陣に拘束されて衰弱しきっているエストルの姿を認め、駆け寄る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。