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ヴィリジアン  作者: 千月志保
第8章 ロソー城
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部隊長会議

「今のお前なら、追い返すことくらいはできると思う」

「とにかく城に入れないようにしっかり周囲の監視をすることだよね」

「同じ意見だ。城壁の外側で叩くのがいい。お前が駆けつけるまでの時間程度なら兵士何人かで結界を張るなりして時間を稼げるだろう」

「そうだね。やってみるよ」

 ソードに後押ししてもらって少し自信がついた。やはりソードのような経験豊富な戦士にそう言ってもらえると安心する。

「ソードも気をつけて」

「ありがとう」

 二人は別れた。再会の形を想像することもなく。


 グレンはクレッチとデュランを執務室に招いた。外出することが多いため、あまり使うことのない執務室だ。非常にシンプルな作りで、飾り気もない。魔道書、戦術書、歴史書などといった本が収まっている本棚があることだけが特徴だ。

「部隊長たちを集めて欲しいんだ。城の警備について相談したい」

「会議ですね。集まり次第、お呼びします。しばらくここでお待ちになっていてください」

 小一時間ほどで二人がグレンを呼びに来た。グレンは城の見取り図を持って会議室に向かった。

「将軍自ら知恵を貸していただけるとは。心強い限りです」

 南門の部隊長を務めるドマーニが最初に口を開いた。白髪交じりの老練な部隊長である。

「城壁を見張る兵士の数を通常より増やしたいんだ。どれくらい回せるかな」

 各部隊長の回答を聞いて少しずつ整理していく。どの場所にどのように配置するか。城壁だけは手薄になる箇所がないようにしなければならない。会議が始まったときは全員席についていたはずだったが、もう座っている者はいなかった。全員真剣な表情で見取り図を見ながら議論を交わしていた。

「どうだ、良い案は出たか?」

「エストル様!」

 突然の宰相の登場に一同驚いた様子だったが、グレンはすぐに落ち着いた表情に戻ってエストルを招き入れて席を用意しようとする。椅子に手をかけると、その上にエストルが手を載せた。

「いや、このままでいい。少し様子を見に来ただけだ」

 一緒にテーブルの前に立ち、これまで出た案をまとめながら、エストルに説明してみる。出席者全員の理解の確認の意味もあった。

「何かお気づきの点があれば」

「そうだな」

 城の構造を知り尽くしたエストルが明晰な頭脳で細かい修正を加えていく。室内に感嘆の声が上がる。

「これで検討してみてはいかがだろうか。まとまったら私のところに報告しに来てくれ。こちらの方でも把握しておきたい」

 エストルはそう言って会議室を去った。

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