優しい光
「ソード」
振り向くと、分厚い本を持ったエストルが柱の向こうに立っていた。
「少し話がしたい」
「今、行きます」
ソードは立ち上がってエストルの方に向かった。二人はエストルの執務室の方向に去っていった。
「大丈夫ですか、グレン将軍?」
勝負を見ていたデュランが駆け寄ってくる。
「ああ、デュラン。久しぶりだね」
立ち上がろうとしたが、よろける。デュランが慌ててグレンの体を支える。
「少し休まれた方がいいのでは?」
「うん。そうする」
思ったより回復ができていなくてグレンは苦笑する。
「部屋までお連れします」
「ありがとう」
グレンはデュランの背中にもたれかかった。
デュランはグレンをベッドに降ろした。
「ごめんね。立ちくらみして」
「あれだけ出血したんですから当然です。椅子お借りしてもいいですか?」
布団をてきぱきとかけながら、デュランは聞く。
「どうぞ」
デュランは近くの椅子を取ってきてグレンの横に座った。
「力もあまり入らないんじゃないですか?」
「そうだね。でも、魔力が尽きてしまっただけだから、少し休めば回復するよ」
「そうですね。あ、そうだ。まだ傷完全には癒えていませんよね?」
「うん。だいたい二人で治療したけど、魔力が足りなくてまだちょっと痛む」
「治療させてください」
そう言ってゆっくりとデュランがグレンの胸に手を当てる。淡い光が全身に広がっていく。
「すごく、優しい光」
グレンが穏やかな顔になって微笑む。デュランは嬉しそうに言った。
「グレン将軍に教えてもらったことを毎日練習しているんです。少しは上達していますか?」
「うん。前よりもずっと上達している」
治療が終わると、光がしぼんだ。




