↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴィリジアン  作者: 千月志保
第6章 モーレ
PR
45/170

強い意志

「これでも答えぬか。なら、これでどうだ?」

 不快音の強度が許容範囲を超えてくる。頭の激痛は耐えられないくらいになり、グレンは頭を抱えて体をよじってのたうち回った。

 話さない。絶対に。ヴィリジアンのありかも。ウィンターやクレサック、シャロンのことも。

「何?」

 どこかでガラスの割れるような音がして、何かが砕けた。

「そんな、ばかな」

 宙に浮いていたグレンの体が跳ね飛ばされ、岩盤に打ちつけられて倒れた。

「呪縛を、断ち切ったというのか? 私の魔力の方が上なのに。なぜだ」

「魔力じゃないよ。呪縛を断ち切ったのは」

 どこからか声がする。姿はどこにもない。

「〈003〉か?」

「そう。グレンの答えまいという強い意志が、あなたの魔力に勝ったの」

「意志? 幻覚で相当の精神的ダメージを喰らわせたはずだ」

「そんなに簡単にはいかないよ。〈004〉が何度もやって駄目だったんだから」

 そう言う少女はどこか楽しそうだった。この結果を面白がっているようにしか見えない。

「まあ良い。目的の半分以上は果たしたしな。あいつらが疑っていたとおり、このグレンという男、いろいろなことを知りすぎている」

「追跡でもしてみる?」

「もっと面白い方法を思いついた」

 ヴァンパイアは口笛を吹いた。大きな鳥型の魔獣が飛んできた。

「ご苦労だった。別の場所に移動しよう」

 そう言うと、ヴァンパイアは魔獣とともに姿を消した。

「楽しみにしているよ、〈002〉」

 少女は水晶玉の前で微笑んだ。

 水晶玉には岩棚で意識を失って倒れているグレンの姿が映っていた。


 自分の絶叫で目が覚めた。

「グレン。しっかりしろ、グレン」

 激しく息を切らしているグレンは、隣にいるウィンターの姿に気づかない。目が覚めた勢いで上半身をすぐに起こしたが、そのまま苦しくて前のめりになった。そこから体を起こせない。

「グレン?」

 少し呼吸が整うまで待って再度声をかえてみる。すると、グレンはゆっくりと顔をその方向に向けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。