表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴィリジアン  作者: 千月志保
第6章 モーレ
40/170

上級ヴァンパイアとの再会

 モーレには岩山がある。その麓には村があり、人が暮らしている。何もない山で、途中から険しい道もあるので、村人が山に登ることは滅多にない。代わりに冒険者が時折腕試しや修行に訪れることがある。

 山頂付近で大きな鳥のようなものが確認されている。冒険者たちが探索に行ったところ、魔獣らしいということが分かり、腕に自信のある者が何人か挑んだ。だが、いずれも力及ばず、命からがら帰ってくるのがやっとだった。

「これでは、山頂に行くこともできないし、麓に降りてこないともかぎらないし」

 酒場兼宿屋のおかみさんが言う。

 宿屋には他に泊まっている人はいないらしい。魔獣の噂が広まってから、危険すぎるということで冒険者も来ていないらしい。グレンは酒場で飲んでいた地元の人たちとも話をしたが、誰も山に近づく者はおらず、大した情報は集まらなかった。

 翌朝、日が昇って間もなくすると、グレンは出発した。一時間ほど歩くと、うっすらと霧がかかりだした。空気は澄んできたが、変な寒気がする。高度が上がるにつれ、気温は下がってはいるのだろうが、それとは違う。何とも不穏な雰囲気が醸し出されているのだ。いつもの魔獣とは異なる感じ。中腹を越えるとその感じがはっきりとしてきた。

 この感じ。知っている。

 グレンは少し平らな面積の広い岩棚に辿り着いた。山頂に向かう多くの登山者はここを休憩場所としていると聞いた。また、冒険者の中にはここで鍛錬を行う者もいるという。

 グレンも一息つくことにした。

 立ち止まって景色を見る。少し霧がかかっているため、遠くまでは見渡せないが、青く山々の影が見える。まさしく絶景だ。

 大きく息を吸い込んでみようとしたその瞬間、辺りの空気が凍りつく。

「久しぶりだな」

 振り向くと、そこには金色の瞳のヴァンパイアが宙に浮いたままグレンに笑いかけている。

「あなたは!」

「そう覚えているかな。お前を吸血したはずなのだが……無事だったとはな」

 忘れもしない。あの日会った上級ヴァンパイアだ。今なら。強い力を手に入れた今なら、勝機はあるだろうか。少なくとも少しは戦えるはずだ。

「はっ」

 大地を蹴って、剣でヴァンパイアに襲いかかる。

「ふん。愚かな」

 ヴァンパイアは素速い動きで手のひらから閃光を繰り出し、グレンにぶつける。

「うあっ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ