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ヴィリジアン  作者: 千月志保
第5章 インディゴ
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魔剣ヴィリジアン

「ああ。紹介しよう。姪のシャロンだ。アウルで会っただろう?」

「姪?」

「そう。私、叔父さんから剣の使い方教えてもらったの」

 そう言いながらシャロンが鞘に収まったままの剣を置く。

「それ……」

「そうだ。見たか? あの剣の力」

「あ、はい。いえ、あの、ヴァンパイアを、元どおりに?」

 しどろもどろな回答にクレサックは苦笑した。

「これは」

 クレサックが鞘から剣を抜く。

「ヴィリジアンだよ」

「ヴィリジアン? 魔剣……ヴィリジアン?」

 がたっとグレンが体を起こす。痛みが走ってすぐに倒れる。

「グレン、大丈夫か?」

「だい、じょうぶ。あの、ヴィリジアンってエリーの洞窟に封印されていた、あのヴィリジアンなんですか? どうして、ここに?」

「取りに行ったんだ」

「倒したんですか、ドラゴン?」

「大変だったぞ。三人がかりで」

 いたずらっぽくクレサックが笑う。

「ヴィリジアンは魔剣だ。魔剣はヴァンパイアの手に渡ると危険だ。だが、ヴィリジアンは少し特殊な魔剣だ。使い手を選ぶ。例えば私には使えない」

 クレサックはシャロンに剣を渡した。シャロンが両手で剣を受け取ると、剣にはめ込んである青緑色の宝石が光を帯びた。ついで刃が同じ青緑色に輝きだした。

「シャロンはヴィリジアンの使い手だ。ヴァンパイアの核はカーマナイトという石が原料だ。ヴァンパイアの牙にかかった人間はカーマナイトの成分によってヴァンパイア化する。そして、ヴィリジアンにはカーマナイトを中和する力がある」

「それでヴァンパイア化した人たちが元に戻る?」

「そういうことだ」

「テルウィングでヴィリジアンのことを知った」

 ウィンターが言った。

「それでゲートを通ってムーンホルンに来た。テルウィングにある町はほとんどヴァンパイア化してしまった。ヴィリジアンに懸けるしかないと思った。それにムーンホルンをテルウィングのようにするわけにはいかない。そんなときクレサックと出会った。クレサックなら信用できると思った。それに、クレサックのことを調べているうちに、大変好都合なことに気がついたんだ」


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