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ヴィリジアン  作者: 千月志保
第16章 海に浮かぶ橋
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力尽きて

 青白い光が現れ、グレンの体を包み込むように膨張し始めた。

「それがお前の全力か?」

 ソードは拳に瞬間的に力を入れ、全ての魔力を集中させた。感覚がおかしくなるくらい強烈で鋭い痛みが全身に走ってグレンは絶叫した。青白い光が弾け、体が後方に吹っ飛んだ。全ての痛みや魔力から解放されたが、意識がもうろうとしている。

「なるほど。強い。マスターヴァンパイアの力を取り込んだだけのことはある。だが、そこまでではないのか?」

 ソードの声がすごく遠くで聞こえているような気がする。

 行ったり来たりしている意識をどうにかつなぎ止めようと必死になる。ここで意識をなくせば、ソードにやられる。もう二度と意識を取り戻すことはないだろう。ウィンターも抵抗のできる状態ではない。

 ここで、全てが終わる。

 荒くなった呼吸の音を聞く。音に集中することで意識が少しずつはっきりしてきた。力は湧かない。ソードの魔力に対抗するには全ての魔力をつぎ込む必要があった。体が空っぽで軽く感じる。

 意識は戻ったが、これでは戦えない。

 渇いた笑いが込み上げてくる。

 置かれた状況が少しずつ把握できるようになってくると、周りの情報も五感から入ってくるようになった。視界にソードが映る。そして、初めて気づく。

 ソードも息が上がっている。

 グレンは出せる力全て出し切った。それを抑えてあれだけの魔力を一気に放ったのだ。上級ヴァンパイアといえども魔力を消耗しないはずがない。

 グレンは弱々しい笑みを浮かべた。

「君も、もう魔力残ってないんじゃないの?」

「フッ、そうだな」

 答えるソードの表情にも余裕はなかった。

「あの最後の一撃で仕留めるつもりだった。よく意識を保ったな」

 上級ヴァンパイアたちの鼻をへし折ったグレンの精神力はだてではない。

「君は僕に勝って君の力を証明すると言った。でも、これ、引き分けなんじゃない?」

「引き分けか」

 ソードは嘲笑した。

「それではエルに申し訳が立たない」

 ソードの眼光が鋭くなった。

「どちらもまだ生きているしな」

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