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ヴィリジアン  作者: 千月志保
第13章 魔術研究所
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休息

「行くぞ、グレン」

「うん」

 グレンの剣を右手で持って、いらないかもしれないと思ったが、グレンに肩を貸してみた。グレンは素直にエストルにもたれかかった。そんなに体重がかかっている感じはしなかったが、やはり支えはあった方が楽だったようだ。

 仮眠室は隣の部屋だった。エストルはその辺も計算して部屋を借りたに違いない。

 壁に生まれ変わったグレンの剣を立てかけ、エストルはベッドにグレンを寝かせる。

「片づけをしてくる」

「ありがとう。ごめんね。何から何までやらせちゃって」

「それはこちらの台詞だ」

 そう言い残すと、エストルは部屋を出ていった。

 グレンは目を閉じて疲れ果てた体を休めることにした。


 翌朝、体調はすっかり元通りになっていた。

 昨日はよく休ませてもらった。しばらく仮眠室で休ませてもらった後、エストルと少し話をして自室に戻った。自室でもゆっくりした。夕方になってから、ウィンターとシャロンがグレンの様子を見に来た。

「将軍、お疲れ様です。ありがたく使わせていただきます」

 シャロンはウィンターから魔術研究所でのいきさつを聞き、ヴィリジアンを返してもらったことを伝えて礼を言った。そのまま少し話をして夕食を一緒にした。エストルは忙しかったのか、顔を見せなかった。

 グレンは身支度をして剣を手に取った。

「おはよう、調子はどう?」

 剣に話しかけると、ヴィリジアンの結晶が反応して輝く。グレンはにっこり笑って剣を持って訓練場に向かった。


 訓練場に来ると、昨日と同じようにエストルとウィンターがいた。昨日と違い、土のグラウンドと壁に囲まれた殺風景な場所だったが、今日も美しい青空が広がっている。

「もう大丈夫なのか?」

 エストルが聞くと、グレンは笑顔で答えた。

「うん。昨日ゆっくり休ませてもらったから」

「それは良かった」

 ヴィリジアンの輝きが目に入ってエストルはにやりと笑う。

「今日はやる気だな」

「うん。ヴィリジアンが僕の剣でうまく力を発揮できるか見てみたいと思って」

「そうだな。相手させてもらおう」

 ウィンターが言った。すると、エストルが目を輝かせる。

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