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ヴィリジアン  作者: 千月志保
第13章 魔術研究所
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秘策

 グレンはウィンターを見た。ウィンターの強さもテルウィングをヴァンパイアから解放したいという強い思いが育んだものに違いない。だからこそウィンターは分かるのだ。ソードを説得することがいかに困難なことかが。

「そうだね。ソードも自分の道を信じて歩いているんだ。だったら……」

 受け入れなくてはならない。ソードの信念もまた、揺るぎないものであることを。何がソードをそうさせたのかは分からないが。

「つらいか、グレン?」

 エストルが優しい目でグレンの顔をのぞき込む。すると、グレンは淡い笑みを浮かべて答えた。

「つらいよ。今まで心の支えだった人に裏切られるのは」

 スアで起こったことを思い出すと、自然に壁に立てかけてあったヴィリジアンに目が行った。エストルもグレンの視線を追いかけた。その先にヴィリジアンを見つけ、ふと思い出す。

「そういえば、ちょっと考えていたことがあるのだが」

「何?」

 グレンがヴィリジアンから目を離し、エストルの方を向く。エストルはゆっくり話し出した。

「現在、ヴィリジアンの使い手が二人いる。だが、私たちの手元にヴィリジアンは一つしかない」

 ウィンターが少し驚いたような顔をする。しかし、グレンは凛とした表情で大きくうなずいた。

「ヴィリジアンを増やすことはできないか、でしょ? 僕も同じことを考えていた」

「ヴィリジアンを増やす、だと?」

「そうだ」

 驚きで開いた口が塞がらなくなっているウィンターにエストルが平然と言い放つ。

「ヴィリジアンがもう一つあれば、グレンがパイヤンに偵察に行っている間もシャロンに浄化をしてもらうことができる。原因である上級ヴァンパイアを仕留めることも大事だが、ヴァンパイアの数を少しずつでも減らしていかなければ、この被害を止めることはできない」

「それはそうだが」

「ヴィリジアンの石は、おそらく魔力の結晶のようなものなのではないかと思う。そして、使い手の魔力を取り込んで自分の魔力に変換し、その力で攻撃したり浄化したりする。そうだろう、グレン?」

 グレンはうなずいた。スアでもエストルの執務室でもヴィリジアンのその能力を見てきた。

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