デジャブー
なし
なぜ
どこだろう
まえにみた光景
内側の
おしゃべりがとまって
静かになった。
女の子たちが
入り口に
注目している
大勢の女子
どこかでみた光景
デジャブー
思い出した
赤紙ならぬ
青い申し込み用紙で
むりやり
かりだされた
大きな大きなホール
着いた時に
混むからと
帰りの切符も2枚買わされた
そしてそこは
さながら
大きな大きな体育館
会場にうかぶのは
色とりどりのうちわ
長かった。
今日の朝からの
出発だけでない
当日のここまでが
本当に長かった。
つきあいとはいえ
またか、
感はいなめない
そして
毎度のことながら
ことわれなかった。
そんな自分に
ひどく自己嫌悪
「はいっ、
これ用意しといたから。」
はっちゃきに
言われて
渡されたうちわ
恒例のアイテム
会場すべての人が持っている
そして
毎回思うが
なぜか
はっちゃきと違う名のうちわ
自担
デジャブー
目の前のホール
ホールに集う
たくさんの女子
日本とまったくかわらない
いや
ちがう
きれいな立ち姿
モデルかとまちがう容姿。
口角がきれいに持ち上がっていて
そして、
自然な笑顔。
これが外国人の実力。
まったくもって届かない世界。
椅子文化。
靴を玄関でぬがない。
パンや
肉料理やワインの世界。
頭にうかぶ
それらが
くだらない。
しがない東洋人と
ひけめに思う自分がいる。
ぼんやり
しろい雲をみつめる
思い出す
突然
会場で頬をたたきまくる
はっちゃき
「最高の笑顔よ」
開演前に
真剣にただひたすら
体罰のように
頬をたたきまくる
はっちゃき。
そんなはっちゃきに
いつも
ただただ
圧倒
口角をあげて
自然な笑顔を
サービスするために
そして
毎回の台詞
「顔の筋肉がほぐれるのよ」
「じゅん、あなたもやりなさい」
最後はいつも命令だった。
まだまだ嬌声が
ホールにひびいている。
空を見上げた
なにもかたらず
しろい雲がうかんでいる。
なし