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丘陵のさき 世界の先 Ⅲ  作者: 玲於奈
41/50

幽閉

なし

最上階から

みわたす夜景は

わるくない


2週間も前から

あまりの階下の

寒さに

ついに

意を決して

掃除のおばちゃんに

直談判


ちょうど

夏休み後の

ショートの留学生が

帰って

空きになった

最上階に

めでたく

お引越し


家電製品もなく

荷物の少ない

私には

あっという間の引っ越し

まさに

スーツケース一つ

そんな浮世です


直接は

となりの部屋には

行けないが

きがつけば

となりの塔は

ずっとこちらで

暮らしている本科の皆様

いつも

あわただしく

中央フロアの電話に

降りてきては

電話を取り次いでくれる

私にも

一度か二度とりついでくれた


そして

みんながみんな

行きつくところは

やはり

最上階なのか



しばらく住んでみて

そのあたたかさの

あまりの違いに

驚いた

まったくの

別世界


そして

いつも授業に出ず

ふて寝をきめこむ

大先輩


そんなことなら

わたくしが

本学に通っても

よさそうなところ


何がどうあろうと

あいかわらず

先輩は

談話室に一番近い

出入りが楽な

入り口近く


そして

私は高い塔の

てっぺん

下に降りる時も

地下室かと

思ったけれど

最上階への

階段も

よくまあこんな階段を

作ったな

これもこれで

何か囚われ

幽閉かとも思わせる


今日はこのまま

幽閉したい気分


部屋にもどれば

19時すぎで

夕暮れ


10月も近いのに

夜の7時が夕暮れとは

日が長い


広いしばふ

そのひろい大学構内の先に

ランプがともる


2、300mくらいの

ちいさい山

なんとそこは

スキー場だそうで


いよいよ

きたるべく

冬に備えて

リフトや照明の点検


オレンジのライトがいくつか

ついている


その向こうには

100万とも

いわれる

グラスゴーの夜景


さすがに

熊の巣といわれる

土地柄だけあって

いまでこそ

開けて大学が誘致されたが

やはり小高い山


さらには

幽閉の

最上階

ここからの夜景は

とてもきれいだ


そういやと

思い出し


こないだ

ショートの

アメリカの留学生が

免税で

買ったターキーのウイスキー


お別れ会で

残ったものを

グラスにそそぐ


日本の方に

グラスを

かかげたかったが

どちらの方角かわからない


しかたなく

夜景に完敗


ぐっと飲むと

胃に熱いものがくる


ウイスキーの本場に

いるのに

地場でない

ウイスキーを

はじめてのんだ



なし

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