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バイト中、お邪魔します

作者: WAIai
掲載日:2026/06/27

「いらっしゃいませ。こんにち…あ」

「やっほー」


私が手を上げると、バイトの制服姿の彼が固まった。


「来ちゃった」

「何で来るかな…」

「来ちゃいけなかった?」

「そうじゃないけど、その、ゆっくり話せないだろう?」


彼は周りを見、今、客が2、3人しかいないのを確認したようだった。

まるで眼光が獲物を狙うライオンのようである。


「他のスタッフのこともあるし、悪いな。あんまり話せない」

「いいよ。私の勝手で来たんだもの。ちゃんと買い物して帰るからね」


ICカードを出すと、私はコンビニの店内を歩き出す。


外とは打って変わって、涼しい店内。

まるで冷蔵庫を開けた時の冷たさみたいで、二の腕を擦る。


そういえば私服で会うのも珍しいかもしれない。


彼はどう思っているだろうと、ちらりと振り返ると、ずっと視線を追いかけてくれているようだった。


そんなに心配かなと考えていると、彼が客の対応をし始める。


初めて見る、社会人手前の姿。


慣れてきたのか、すらすらと話だし、客に商品を差し出す。


「ありがとうございました」


客が出ていくと、彼は忙しそうに動き出す。


「これから商品を補充するから」


早口で言うと、バックヤードから、パンやスイーツを出してくる。


私は邪魔しないように、商品を眺めていく。

しかし彼が気になり、つい見てしまう。


学校の彼とは違う、きりっとした姿。


彼の目には私はどう見えているのか気になり、近くに寄って行く。


「オススメのパンってある?」

「そうだな…。デニッシュかな。クリームたっぷりで、美味しいぞ」

「じゃあそれにする」


パンを受け取ると、スイーツのほうへ行く。

和菓子や洋菓子が並び、まるで宝の山みたいな感じだった。うーんと考えた結果、好物のプリンを手に取り、最後にジュースのところへ行く。


買うジュースは決まっていて、すぐに取り出すと、、彼の声が聞こえる。


「ありがとうございました」


よく通る声。

独り占めしたいけれど、ここは我慢してレジへ向かう。


「お願いします」

「おう。分かった」


彼が差し出した商品を見たので、聞いてみる。


「太るかな?」

「大丈夫だ。太ったら、一緒にダイエットしてやる」

「ありがとう!!」


優しい彼に甘えたくなったが、ぐっとおさえる。


「袋はどうなさいますか?」

「あ、エコバッグがあるから」


肩にかけたバッグから取り出すと、商品を入れていく。

あとはICカードをかざすと、精算を済ます。


「また後でね。連絡するね」

たくさん、たくさん、話したいことがあったが、ここは名残惜しくても去ることにした。


「じゃあね」

「ああ。気をつけて帰れよ」


バイバイと手を振ると、私はコンビニを後にする。

しかし彼の視線が追いかけてきているのに、気づいていた。


嬉しいやら、恥ずかしいやら。


1人でキャーと心の中で叫んでいると、車に乗り込んだのだった。

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