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【第二章開幕】乙女ゲームで存在しない悪役令嬢の双子の兄に転生してしまった  作者: かみながあき
第一章◇幼少期編

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18/30

十六話◇攻略ノートを綴る

手が疲れる……

 

 その後、JとKはまた隠匿で姿を隠し、僕の部屋に張られていた結界も解かれ、アリシアも自室へ帰っていった。


 今後はさっきのメンバーにもちゃんと共有出来るように、僕はゲームの情報について"この世界の言語で"改めてノートにまとめることに決めた。


 各攻略対象の個別ルートについても、分かる限りで細かく書いてみようと思う。

 と言っても、この三年間で少しずつ書き溜めた情報を日本語から書き直すだけの作業に近いんだけど。

 

 タイトルは必要か分からないけど、一応『こもれびの中で愛の花束を』と記しておく。

 ヒロインの名は"クリスタ・フローレス"。

 薄桃色の髪に濃い蜂蜜色の瞳の、歴史上でしか存在しなかった程の強い聖属性を持つ心優しい美少女だ。

 中等部までは『女子学習院』に通っているが、聖女候補として見出されたことで高等部から貴族学園に編入する。

 高等部の進学式(ヒロインにとっては入学式)が、ゲームのオープニングだ。

 

 攻略対象は、隠しキャラを入れて全員で六人。

 ほとんどのルートで共通してアリシアが悪役令嬢として立ちはだかり、各攻略対象に会うための場所を選んでもパラメータが足りないとアリシアの妨害を受けて、会えないまま行動が終わってしまったりする。

 アリシアに会ってしまうとたまにミニゲームが発生して、クリアするとパラメータが上がったりするんだけど……まあそれは置いといていいかな。

 

 まずは王道の王子様キャラは、この国の第二王子である"フェリクス・グランディエ"。

 聖女候補としてヒロインに目をかけてやるように言われているフェリクスとの出会いは入学初日。

 事あるごとにフェリクスに頼る選択肢を選んでいく事で親しくなっていく。

 やや俺様気質で横柄な振る舞いも目立つが実は繊細な一面もあり、兄であるフレディ第一王子に対して"憧れを拗らせたコンプレックス"を抱いている。

 なまじ優秀なせいで第二王子派から王位を望まれて担ぎ上げられ始めたフェリクスは、慕っている第一王子とも対立しかけてしまう。

 そこでヒロインが背中を押して、フェリクスは心の内を晒して兄と和解。


 その後フェリクスが、かねてよりヒロインに対して指導という名の虐めを繰り返していたアリシアとの婚約を破棄し、障害が無くなった二人は晴れて堂々と恋仲に……というのがフェリクスの攻略ルートだ。

 恋愛エンドを迎えるには知力関連や礼節のパラメータをメインに上げていく必要がある。

 

 フェリクスルートではアリシアは苛烈な言動が多く、婚約破棄された後にもクリスタの命を狙い、最終的には追放処分を受けた道中で事故として始末されてしまう。

 今となっては同じ事にはならないと思えるが、一番避けたいルートなのは変わらない。

 

(……いまの二人なら、こんな事にはならないと思うけど…………絶対にフェリクスルートだけは阻止してみせる……!)

 

 

 二人目は騎士キャラである"クロード・オルドリッジ"。

『オルドリッジ侯爵家』の嫡子で、騎士団長のランドルフ卿の息子でもある。

 父に憧れて自身も騎士を目指していたが幼少期に後遺症が残る怪我を負い、ヒロインと初めて出会う十六歳頃にはひどく荒んでしまっている。

 夢を諦めきれずに人目を忍んで一人鍛錬を続けていた所をクリスタに発見され、冷たく追い返すのが出会いのシーンだ。

 最悪な出会いにめげずに何度も足を運ぶ内に事情を知り、クロードの古傷を癒す。

 完治したクロードはそれまで腐っていた時間を取り戻すように全てに真剣に取り組み、元来の明るく真っ直ぐな性格を取り戻していく。


 クロードの婚約者である"シャロン・コールマン"は、クロードを本気で慕っているが故にヒロインに惹かれていく彼の気持ちに気づいてしまう。

 シャロンは傷を癒してくれた感謝とクロードとの婚約解消をクリスタに告げると一人静かに身を引いて、こちらも障害が無くなった二人が結ばれてハッピーエンドだ。

 必要なパラメータは、運動関連とそこそこの礼節。

 

(現実なら、本当にハッピーエンドと言えるのか……って感じだけどね……)

 

 ちなみにクロードルートでは、フェリクスの将来の護衛騎士として改めて側近に加わったクロードから今までの行い(クリスタ虐め)を咎められたアリシアは、破棄ではないが婚約解消をされる事になる。

 まあ、このルートに関しては完全にフラグ潰しちゃったわけなんだけど。

 

 

 三人目は……悪役令嬢の兄、"カーティス・ガルブレイス"。

 悪役令嬢の生家である『ガルブレイス侯爵家』の嫡子で、才色兼備と名高い次期侯爵だ。

 ヒロインの入学時には既に卒業しているもののカーティスの人気は根強く、特定の場所で噂話が聞けたりする。

 最初の一年はパラメータ上げに専念して、二年目から教会に通って子供たちに勉強を教える事を続けているとカーティスとの出会いイベントが発生する。


 余談だけど、このルートでは一年目はひたすらパラ上げをしているだけなので虐めは発生せず、なぜか悪役であるはずのアリシアにちょっとだけ褒められるシーンがあった。

 

(前世でもよく分からなかったけど、あれは何だったんだろう……?)

 

 教会で何度も会う内に、カートと名乗り低位貴族を装うカーティスと徐々に親しくなっていく。

 帰りが遅くなったある日にヒロイン宅まで付き添って送ってもらった事で、ヒロインの兄でありカーティスの友人でもあるダリルと遭遇し、カートの正体について知る事になる。

 それからも変わらず親交を深めていき、学園卒業と共に婚約を申し込まれて一年後に結婚エンドだ。


 カーティス攻略では出会いイベントの発生に全てのパラメータでかなり高い数値を要求されるが、知り合ってしまえばそれ以降はそこまで数値を上げなくても問題ない。

 クリスタとアリシアも敵対しないまま終わる、ある意味一番安全なルートと言えるけど。

 兄様の気持ちだってあるので無理にこのルートに進むよう画策しようとは思わない。

 

 

 ……はいっ、次!

 四人目、年下キャラの"ルカ・コールマン"。

 クロードルートで登場する"シャロン"の弟であり、コールマン伯爵家の子息だ。

 紺色の髪にシャロンと同じライトサファイアの瞳の、やや引っ込み思案の『可愛い系男子』であるルカ。

 ヒロインの一歳下なので二年目に高等部一年の後輩として登場する。


 ルカのルートに入るには、一年目でクロードの古傷を癒しておく必要がある。

 が、同時にクロードを含めた他の攻略対象の好感度を上げ過ぎずに友好までに留めておく必要もある。

 実際は恋愛状態まで好かれていてもルート確定イベントさえ踏んでいなければ乗り換えることは可能だけど、某有名ギャルゲーの『爆弾システム』のようなものが存在するのでその後の攻略が非常にやり辛くなるのだ……。


 要求されるパラメータ値もそんなに高くないし、クロードの傷を治した時点で裏で勝手に好感度が上がっているから、さっきの二点さえ押さえておけばルカの攻略はトントン拍子に進む。

 絶望的な選択肢選びをして遊ばない限りはスムーズにハッピーエンドまでいけるだろう。

 このルートではアリシアの妨害も二年目以降はそれほど発生しないので婚約破棄や解消には至らず、クロードとシャロンの婚約も当然そのままだ。


(うーん。そう考えると、割と"アリ寄りのアリなルート"かもしれないなぁ。…………って!クロードの古傷が無いんだから、ルカのルートもほぼ潰れちゃってるのか……!?)

 

 

 クロードの怪我は絶対に防ぎたかったから、後悔なんて微塵も無いけど。

 もしこのまま、どんどんフラグを潰してしまったら、ヤバいことにならないだろうか……?


 そんな不安を抱きつつも、ここまで書いて見開きのページが埋まったので、僕はノートを捲って次の白紙のページを開いた。

 

 

 

 


 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

(アナログで書くのは大変そうだね……)

よければまたアシェルに会いに来てくださいね!


さて……。

本日で冬休み" まったり乙兄企画 " も最終日となりました。

12/26〜1/4までの毎日更新にお付き合い下さり、本当にありがとうございました!


【お知らせ】

明日からは通常更新(週2回:火・土 20:00)に戻ります。

次回の更新は【1月6日(火) 20:00】予定です。


もし「毎日更新お疲れ様!」「これからも楽しみ」と思っていただけましたら、下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援いただけると、執筆のパワーになります!

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★おまけのお知らせ★

活動報告にて【企画完走御礼】を投稿いたします。

初の試みとして……アシェル、アリシア、フェリクスの「限定妄想イラスト&トーク」を公開しますので、ぜひ覗いてみてください☆

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