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: 5p.

「――ああ、そういうわけだ。

ああ…、ああ…、よろしく」


聞き覚えのある声が耳に入ってくる。


眠気が徐々に覚めていき、寝起きの脳がゆっくりと始動する。


わずかに瞼を開け、視界にうっすらと入ってきたものは、知った顔だった。


「よお、ベン」


リアムが屈んでベンを見下ろしていた。


「お勤めご苦労」


両手にコーヒーを持ち、そのうちの一杯を口にしながら、仰向けで倒れてる彼に挨拶を交わす。


なぜ、居場所が分かったのか、などの疑問は、もはやこの男には無意味だと感じ、訊く気が失せた。


「…遅ェぞ」


「 一人でやるんじゃなかったか?」


文句を垂れるが、軽く言い返されてしまう。


()()、お前が全部やったのか?」


リアムは周りを見渡し、地面に転がってるギャング達について尋ねる。


「ああ、そうだよ…っと」


ベンは、ゆっくり体を起こすと、窓から陽の光が見え、夜が明けたのだと気づく。


そして、右腕もいつの間にか()()()()()()()()()、一時の夢を見た気分になった。


「ほう、是非経緯を聞かせてもらおうか」


呑気に尋ねられたベンは、気怠く応える。


「経緯も何も、ボコボコにされて、疳之虫が使えるようになって、全員シメたって話だよ」


「お〜、ついにデビューか、おめでとう」


棒読みの上に気持ちがこもっていない祝福を受ける。


「ほら、勝利の一杯」


「ん…」


差し出されたコーヒーを手に取り、口にした途端、熱と苦みが同時にやってきた。


「あのさ、砂糖とか無いの?」


「おっと、悪いな」


ポケットからスティックシュガーを取り出し、ベンに手渡す。


「 アイツ等はどうなる?」


ベンは紙コップの蓋を開け、口でスティックの封を切る。


砂糖を全部投入し、再度蓋を閉めて軽く振り始めた。


「ついさっきキャンベルに連絡した。

探し物が見つかったってな。

もう少しで警察が来るだろう」


甘くなったコーヒーを飲み、冷え切った体に染み渡って一息つく。


「それじゃ、その前に撤収しないとな。

しばらくあのオッサンの面を見たくない」


膝に力を入れて立ち上がると、疲労で重くなった体を伸ばし、骨が所々鳴る。


「そんなに嫌ってやるなよ。

素直で面白い奴だろ?」


「オレは、アンタみたいに大人じゃないんだよ」


リアムは鼻で笑い、立ち上がってはコーヒーを口にする。


その時、ベンの頭に血が通い、冴え渡ったからか、ふと気になることがあった。


「そういえば、()()()、って…」


突如、全身の力が抜け、膝がガクンと折れた。


手に持っていたコーヒーは地面にこぼれ、倒れてしまったベンをリアムは動じることなく、ただじっと見下ろしていたのだった。




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