今すぐ行こう
掲載日:2025/01/03
ある老人が、夢を見ていた。若い日の自分の夢だった。
夢の中で彼は、銀の鎧を着て、重い剣を振るい、怪物を従えた敵国の軍勢と戦っていた。
目を覚ました老人は、立ち上がった。体中に、力がみなぎっていた。普段ちょっと歩くのにも杖が必要だが、この時の老人は自分の足だけで家の中を歩き回った。
彼の昔の鎧や武器は、大切に保管されている。たんすの鍵を開けると、鎧が大きな音をたて、床に転がり落ちた。拾い上げた鎧を身につけ、剣と盾を両手に持ち、老人__かつての英雄は、胸を張った。
家の扉を叩く音がする。中から扉を開くと、美しい若者が立っていた。若者は英雄に手を差し伸べ、笑顔で言った。
「さあ、終わらない冒険に出かけましょう」
英雄も不敵な笑みを浮かべた。
「ああ、もう準備はできている。今すぐ行こうじゃないか」
そして、英雄は天使の手を取り、天に昇っていった。天が近づくにつれ、英雄は若返っていく。
そして、彼が一番楽しかった頃の年齢にすっかり戻った時、たくさんの天使が英雄を出迎えた。英雄は天上の国で、悪魔と戦う刺激的な日々を過ごした。




