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ダブルサイココライド2 ―Saga Of Hermitー  作者: KJK
14章 Scare Crow 行進する案山子の軍団
95/111

衝突___英雄と死神、悪竜、レイトナイトシティ


——————英雄と死神



煙の世界で弟子を探す羽目になった。


私がここにきた時にはすでに都市の3分の1くらいは巨獣に破壊し尽くされたような有様であったが、煙の中で邪魔そうな建物は適当に斬って回る。


この世界の中で煙人はもう追いかけてこなくなった、もっぱら死神が出現しては私の首を落とそうとする、そのサポートにまわっているようだ。間一髪で大鎌を避けて2秒だけ死神と近接戦闘。


強い……

ドレイクと平気でやり合えるだろう。変身後のドレイクにも勝ててもおかしくない。強さの秘密は…… 謎。


私に斬れない特製の鎌を使い、瞬間移動を極めているようで察知するのが恐ろしく難しい。攻撃力は射程は短いが受けてはいけない程に高い。速さは今までの敵でも最高クラス、霊量は不明。格は間違いなくドレイク並み。では防御はどうかな?


再度逃走をしたと見せかけて、反転。

霊気を爆発させ推進力に変え一気に攻勢に転じる。刀は仕舞い、ショートソードを左手に持ち絶え間ない連撃を浴びせ、その間に懐の避霊針を片手で分解。小機雷を設置。


小さなピンが私の周りを浮遊する。

それに近づいた死神の目の前でそれが__爆発。


死神が一気に距離をとる、取らせる前に下から顎から頭頂部まで両断するつもりで斬り上げた。


「機雷は嫌いかな? なんちゃってね」


少し眠気がなくなってきたな、爆発自体は小さなものだがこの小機雷の爆発には強烈な霊気酔いを発生させる液体が混じっている。私は酔い止めなんできているから大丈夫だけど、これを食らって平気だったものは今のところ居ない。


死神の頭は無傷。体をうまく捻って躱したようだが、髑髏の仮面が取れた。



ーようやく顔を見せてくれたね。


そこにいたのは生気のない無表情な男。ぼーっとしているように光の無い眼、今この瞬間も心ここに在らず、といったほうがいいか。左目を瞑っている男だった。酷くぼうっとしているのは実際にそうだったらしく少し遅れてから仮面が取れたことに気づいて顔に手をやるといつの間にか眼帯がつけられていた。



「眼帯? ……覇気がないが、いい面構えだね。割とイケメンだし。あ、そう言えば円卓では挨拶してなかったね」


「ルーベン・ナイトレイだ。英雄の」


「グラ、ハムだ、死神、グラハム・リーパー……」



死神そう言って鎌を一振りすると武器が変化、全くの別物になっていた。


捻れた螺旋状の柄の三又の槍。


「良い名だ、死神ぽくて覚えやすい。覚えられる名前は皆助かるから感謝されるだろう」


ー俺は、俺を、最強とは、言えない、な…… 世界には、まだ、お前のような、奴がいるし……



何をとぼけたことを言い出すのか、とも思ったがルーベンはそれ以上に初めて聞くこの死神の声。辿々しく囁くように話す男、しかしその中にある濃密な死の匂いとこれでもかと充満する虚無の気配が気になった。


「なんか話し出した所悪いけど逃がしてくれると助かるな、どう?」


「もしも、お前が、俺よりも、強かったなら、そうしてくれると、助かる」

「そう? でもそれ意味なくない?」


三又の槍をまっすぐに突き出された。当たっていないし届いていない。が槍の穂先の向きがおかしい、垂直だった穂先が平行になっていたのだ。


捻った? 私ですら見えなかったけれど。

ルーベンがそう考えた時、空間が揺れた、いや捻れた。死神が槍を手元に引くとルーベンの背後から大鎌が引かれる。背中から上下に真っ二つにされそうになって慌てて前方に回避しながら、ショートソードを死神に突き出す、がその前に三又の槍が突き出されていた。もちろんリーチの長いほうに先に攻撃する権利があった。


胸部から喉にかけて貫かれようとしたところを肩を犠牲にして逃げた。防御に使った霊気は槍にあった特殊な霊気により崩壊するように散らされた。


(千切れていないだけマシだが、もう右手は使えないな……)


癒しの霊気を発生させる呼吸法を使用しながら、立ち回る。


一度距離を取るために300mほど離れる、離れたと思った瞬間には死神が背後にいる。撃ち合うと背後から鎌が引かれた。鎌に対処すれば前方から槍、ジリジリと追い込まれる。左手だけで対処し続ければジリ貧。


避霊針をあたりに撒いていく。

この場いる全ての生物の霊気の循環を阻害するため。



それからこの戦闘に決着がつくまでの間、英雄があくびをすることは無かった。ルーベン・ナイトレイの眠気を吹き飛ばすほどの敵。


「もうちょっと本気でいこう、時間を取らせちゃって悪いね」


ルーベンが言った。


ショートソードを仕舞い、ベルトのバックルの前で両手を動かした。見えない水晶を撫でているような動きで、丹田から自身の霊気を練り上げ始め膨大な霊気がルーベン・ナイトレイの中から溢れ出す。




ー変、、身……







* * *



戦闘が激化する中ルーベン・ナイトレイが変身。


英雄ルーベンの悪役モード。赤茶色の外套の下に身につけていた鎧が変化。サイズこそ変わっていないもののコートは突き破られてボロ切れとなった。それ以外の見た目の変化はなし、しかし身に纏う霊気の質は邪悪に満ちていた。




ルーベン・ナイトレイ

シャドウ型 悪役(ヴィラン)モード:邪神騎士


それは邪神の騎士と呼ばれるルーベンのもう一つの顔。


鎧の隙間からはドス黒い霊気が溢れ出てルーベンを包み込んでいた。そのオーラは瘴気、怨念、呪詛を煮詰めて濃縮したような禍々しさでルーベンの半径数mに渡って亡者や邪竜の姿を浮き上がらせながら常に形が変化する霊気。


「さぁ、せっかく変身したんだ。もうちょっとやろうか」

「そうか、ならば、もう少し、やるか」


死神の三又の槍が神聖な光を帯び、英雄を捉える。今までの戦闘では見せていない属性を帯びた突きが放たれた。英雄の、邪神のオーラに触れると光は淀み鈍くなったが穂先がルーベンの胸まであと数センチで届く、というところで髑髏のような形をとった霊気が穂先に噛みつき槍ごと死神を引き寄せようとする。


と、同時に人間の胴ほどの大きさの頭部を持った霊気の邪竜が6体、死神目掛けて飛び出し切迫する。素早く槍を手放した死神が宙を蹴ると同時に瞬間移動。ルーベンの斜め後方に出現し右手をあげる、と槍が手元に戻ろうとするが数十に増えた髑髏の怨念のような霊気が槍に一斉に噛みついて離さない。


「これは没収だ、理想を言えば壊したい。というか貰いたいほどの武器だけど……」


ルーベンが言い終わらぬうちに打って変わって近接戦を死神が選択。距離を瞬きするよりも早く詰めて鋭く研ぎ澄まされた、鉄塊すらも容易く切ってしまうであろう霊気を纏った両腕で無数の斬撃を振るった。


が、全て禍々しい霊気に触れただけで霧散。逆に夥しい数の邪竜が飛び出し飢えた獣の如く死神を襲う。裂けても裂けても追いかけてくる邪竜をいなすのに煙の世界が動き、煙人の拳や刃が邪竜を消滅させようと立て続けに生成され、ようやく襲いくる霊気の邪竜を滅する。


ルーベンが速度、パワーのどちらもギアを上げるようにぐんぐんと上げる、が死神は難なくついてくる。ともにギアを上げるように。



それでも数十ほど打ち合うと死神に手傷が増えてきた。



「これ持って帰ってもいいかな? ほら戦利品は皆喜ぶから」



ルーベンがそう言った時。


死神が左目にしていた眼帯を上げた。英雄と死神の眼があった、その下に英雄は意味不明なものを見た。


そして視線が交錯した瞬間_____


_____英雄の意識が吹き飛んだ。





「ダメだな。俺が、お前の刀をもらおう、俺の、武器に喰らわせるために……」






@@@






新西暦??? 〜250年?


初の円卓の勢力ど同士の大戦が起こった。


衝突しあったのはスケアクロウ、そして君主同盟の2大勢力。戦争の起こりに両者は互いに中立勢力を攻めた、君主同盟は悪魔党に勝利、そしてスケアクロウはなんと5倍以上の国力を持ちながら勢力「New World」侵攻に失敗。撤退を余儀なくされたとされる。この戦いでスケアクロウ側の司令官が負傷した記録もあった。





* * *



死と罰の都ディストピア



破壊され尽くした首都を眼下に見下ろす展望台にて。


【死神】の異名を持つ新世界の当主グラハム・リーパーは相方である煙人、ガストン・エマーソンと神妙な面持ちで茶を飲んでいた。


スケアクロウ侵攻をなんとか退けた新世界であったが被害は多少どころでは無かった。文字通り全力で押し返してなんとかなった。


都市の破壊に大いに貢献したのは煙人ガストンを相手にしても止まらなかった巨獣。これはグラハムが鎌でめった切りにしてやってようやく沈んだ。そして贖罪兵を大いに困らせたのは竜たちであった。ドラゴンが3匹、新世界側はこのような存在を想定していなかった。要するに、魔防壁を半壊させた妙な風の対策、死物の軍勢への対策、巨獣やドラゴンの対策、そしてあの男。【英雄】の対策に都市の復興。


これらを大至急こなさなければ新世界に未来はない、それが死神と煙人の出した結論だった。



「よぉ、グラハム。……不味い気がする、しかも英雄とあの巨獣の騎士両方ともまだ生きてるぜ」


忽然と姿を消したウィルとボロボロの状態でまんまと逃げおおせた英雄ルーベン・ナイトレイについてガストンは嫌な予感がして仕方がなかった。


「グラハム、あの英雄気取りの魑魅魍魎オーラの野郎、次も勝てそうか?」

「……ウン、奥の手は、使って、いない。まだやれる、が、あれは、手加減、していたと、思う」


「お前相手に加減できるわけねぇだろッ! する理由もねぇッ!」

「あれ、なら、できる。確証、は、ない」


「チッ、しかしそれが本当なら…… 」


「……ガストン、奴らが、次、来た時、押し返す、自信、は?」

「あるに決まってんだろ、舐めんな。……でも本当のこと言えってんなら、……無いぞ?」


「侵攻して、倒す、自信、は?」

「ねぇけど…… 本音で言うなら、……ふむ、面白そうだな」


ーそうか、俺は、攻撃、こそが防御、だと、思う。


「勝てねーなら殺せってか?」


「別に、負け、なければ、なんでも、いい。まだ、世界は、理想とはほど遠い、この過程を、経て理想へと、辿り着くはずだ」


「俺たち、は先を、行っている、この過程を、経て、既定路線の、未来へ、いく」


グラハムがそういうとガストンが顔の顔の周りの煙を解いて返す。


「Phase3になるつもりだな?」


【死神】グラハム・リーパーがうなづくと__


ーもうそろそろだと思ってた。確かに頃合いだよなぁ……


【煙人】がそう言って笑った。






@@@




悪竜バルター


__スケアクロウ英雄領


__英雄領 第1首都 コンクエスト



この高地に在る都市は比較的涼しく夏は17度前後、冬は4度から10度と一年を通して過ごしやすい。現在は世界崩壊後の人類の暦でいえば2月。ここルーデルラントの気温は7度前後の陽が続いていた。


湿度はやや高めで雨がよく降る。川と緑の多い都市。


この克服都市コンクエストの主人であるルーベン・ナイトレイの居城の前に流れる河川を挟んで向かい側に悪竜たちの住まう山がある。


緑に覆われた山肌に剥げたように岩や土が剥き出しになった場所に大きく口を開けたような穴。そこに数頭の竜が空から入っていく。


ちなみにその山肌には竜に何処か似た生き物が住む。

竜鳥類である。竜鳥類は竜からすれば羨ましいことに繁殖を問題なく行える竜族の末席に連なるかも知れない生物で、その名の通り竜と鳥の中間のような存在。


ここコンクエストには数十種生息し、他の土地ではなかなか存在が確認されていない。少なくとも騎士団に知られている限りは、である。竜よりも大きさ、戦闘力、霊力で格段に劣るものの人型エイリアン並みの戦闘力を持つ種もいる。


羽毛に覆われている種が多く、大型のカバ以上のサイズの種だけが羽毛が無い。ちなみに幼体の頃はある。最大個体は羽を広げない状態でも象なみの巨体であるが空は飛べない。飛行可能な最大個体はそれよりも一回り小さい。


何にせよ、その竜鳥類のたむろする穴がここ悪竜山の入り口であるのだが、そこからずーっと奥深くまで進むと多数の竜がその巨躯をまるで気にせずにくつろげるほどの空間がある。


そこに悪竜たちの中心的存在であり、まとめ役でもあるバルターはいた。


体長30m以上、尻尾まで含めれば45mを超える黒鱗の竜バルターが



ードレイクかラ根回しが来タカ……


「ウヌ、裏切る気はないか? とのことダッタ……」


ーそうカ、他ニハ?


「克服都市ニモ、ドレイクの手のものがクル。そこで話し合いの場を設けたいとイッテイル……」









* * *





旧西方騎士団、英雄領東部、レイトナイトシティ。


人口20万。戦力十分、防御抜かりなし。



中央広場、英雄の墓。


日はすでに地平線の向こうへと去り、夜と星空が街を包んでいる。


理由の墓と呼ばれる広場では夜店が立ち並び、縁日のようであった。今夜もここでは市民たちが罪人の公開処刑を見せ物のように見にきている。毎日はやっていない。今回は英雄の勢力内部からの裏切り者とそこから芋蔓式に釣れた旧東方騎士団から投降し赦されたのにも関わらず国家転覆計画を練っていたものどもが処刑される。


その一味の存在を確認。旧東方騎士団と密かに繋がっていた集団とダブルスパイをしていた集団の中で潜在的裏切り者を発見。彼らは断首刑に処されることになった。


英雄の街ではこのような公開処刑が少しあった。評判は意外とそこまでひどくもない。ちなみに英雄の軍では拷問が禁止されている。このような公開処刑もどのような大罪人も拷問をせずにすみやかに公正に処分する、ということでもあった。


ギロチンには昼の部と夜の部があり、昼の部はより格が低い罪人のために、夜の部では重要な罪人が選ばれる。処刑方法も若干の違いがある。昼は簡素なギロチン刑。夜は罪人の頭部に霊気の炎を点火してすぐさま首が落とされる。


黄色や、橙色の炎で煌めきを放つ頭が転がり、そして宙に浮いていく、頭部からは怨念が生前の欲望の限りの呪詛をブツブツと唱えるが、すぐに言葉がつっかえ始める。


頭蓋骨がその皮膚がジリジリと焼かれ光に変換されて夜空に舞う。


街ゆく人たちは幼子だけがあどけない喜びの顔。ほとんどは大人も子供も真剣な顔つきだった。この都市では皆が現実や事実とは向き合うことになる。その上で克服すること、問題を解決すること、取るべき措置を取ること、全てが求められる。市民たちからすればこの罪人たちはまさしく落ちこぼれの成れの果てであった。



そんな都市にて、夜空に舞う燃える首を苦々しい顔つきで見ている男がいた。



「ボブ・ダービー・ダルトン」


濃い色の茶の髪で側頭部は綺麗に刈り上げられている。中肉中背で男はどこにでもいそうな顔つき、しかし精悍さを感じさせる何かがあり、鍛え抜かれた肉体を隠すように外套を羽織っていた。


ボブ・ダルトン、それがこの男の名だった。ドレイク配下の幹部高位騎士の副官である。


旧東方騎士団残党の抵抗勢力と接触し、内部から西方騎士団、いや現在はスケアクロウの英雄領を脅かそうとしていた騎士達は軒並み処刑されてしまって、もう内部協力者を頼ることは適いそうになかった。それがこの男がここレイトナイトシティに訪れた理由である。


夜の騎士の街を目立たぬようにそそくさと歩いていく、とお目当ての石造りの橋に辿り着いた。ここはほんの一年前までは連続猟奇殺人犯がたびたび現れたとされる場所だった。この橋の近くで若い女や子供が惨殺された、被害者の中にはボブの恋人、そして恋人と一緒にいた弟もいたのだ。おぞましい、酷い殺し方だった。


この事件は迷宮入りし、ボブは捜査班に立候補したが受け入れられなかった。被害者遺族は捜査班には入れないと時の捜査班主任官はボブに告げた。


ボブは訝しく思った。本当にまともに捜査しているのか?

能力者がここまで揃っていて何故捕まえられないのか。犯人も能力者なのではないのか。もしそうならより本腰で捜査しなければならない。それなのにその兆候は見受けられなかった。そしてボブはこの捜査主任官とその班員たちを信用していなかった。


石造りの橋の下に入ると、夜の明かりは消え失せ自らの腕すら見えない闇に包まれる。橋の下で気配を殺してただひたすらに待つ。東方騎士団では忍耐の訓練が多く採用され、ただひたすらに無意味な我慢をすることが多いのでこのようなことは慣れっこであった。7時間待って夜が明けた。


次の日は満月が過ぎてから奇数の日だったのでボブは違う橋の下でまた12時から夜明けまでひたすらに待った。その日も待ち人はこなかった。


次のはもちろん偶数の日なのでよく被害者が捨てられていた石造りの橋の下。その日は雨で橋下の川の水位が上がってこないかが心配であったが数時間待った時、闇の中の気配が自分だけでは無くなった。


雨の中、聞き取りづらい男の声。


ー騎士の夜明けは来るか?


「騎士の時代は再び訪れる」


ーどの騎士の?


「……本物の正義の騎士の」



ーよし、いいだろう。遅くなってすまんな。互いに名は知らんでいいだろう。こちらからの情報だ、我々は英雄領からそちらへ合流したいものが多数。と言ってももう数少ないが。だがこちらは悪竜と組んでいる。


「正竜に関しては誤魔化しておく、受け入れ準備もある、約束のものは?」


ー約束の前に、俺たちのポジションの保証が欲しい。そっちの約束が先だ、いいな?


「ああ、それよりこの場所殺人鬼が出ないだろうな?」


ーそんなもの大丈夫だ、もう殺人鬼は出ない。


「捕まったのか?」


ーいーや、ただ出ないものは出ないんだよ。


ここへはドレイクの命令で来ていたのだ、そしてただ今は自分の個人的な恨みや復讐心、怒りを思い出さないようにしてこの地で任務をこなしている。ここへは殺人鬼を探すのではなく悪竜に寝返らせる計画が順調だという英雄に投降した東方騎士達とルーベン暗殺計画のために来ていた。


しかし……



「……悪いな事情が変わってしまった」


闇の中で格闘が始まった。


ボブはこの橋の下に慣れていた。そしてこの闇の中の男よりも戦闘に優れていた、東方騎士団の高位騎士でも上位の戦闘力を有している。そうでなければルーベン暗殺計画のメンバーにはなれるはずもなかったし、頭の中ではいつだってこの橋の下で能力者の殺人鬼を殺す想像をしていたのだ。


今まで会話していた男の頭部を殴りつけ首投げで地面に叩き伏せる。相手が腰からダガーを抜こうとした手をナイフで貫きそのまま手をバンザイするように頭の方にあげさせる。もう一方の手は握り潰すように手首を砕いた。


ライターで火をつけて相手の顔を確認する___



「捜査主任をやっていたな、覚えていたんだ、お前の声……」






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