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ダブルサイココライド2 ―Saga Of Hermitー  作者: KJK
2章 DEVIL'S PARTY 傀儡師と悪魔の一派
9/104

1話


「明けない夜の街・Q」


映画館前通り、信号機の近くにあるレストラン。

バックヤードテラスはテーブル席が10程度あり

鉄骨のフレームの上に開閉式のテント屋根が取り付けられている。


もはや日課となっている瞑想は店にいるときは

ここですることが多い。

バックヤードはいい雰囲気だが客はあまりここには来ない。


瞑想しながら呼吸、ちょうど吐く息に意識を向けている時だった。

テーブル横に佇んでいたシャドウの額のルチルクォーツの水晶が微かに振動。

上空に飛ばしたカラス型傀儡が近くの住宅から歪な霊気を感知したらしかった。

すぐに住宅街へ向かう。


夜の路上、街灯の近くの暗闇で思いがけず蠢く何か。

人間サイズの巨人がQの住民を咀嚼していた。


不気味な目がぎょろりと動いてこちらを覗いた。

こちらに気づき次第、跳躍して掴みかかろうとしてくる。

攻撃が届く前にシャドウがヤツの胴体に強化散弾を連射。

まともに胴体に喰らいよろけたところに

ダメ押しのように霊槍をヤツの胸に突き刺した。


仕留めたか? と思ったが少し浅い気がした。

その予感を肯定するかの如く巨人が瞬間的に無理くり槍から自身の身体を引き抜いた。

背を見せながら4つ脚で駆け出す。

追いかけていくが巨人が何か暗がりに投げると

闇の中から現れた市民とイヌ型エイリアンが襲い掛かって来る。

何体もだ。何だ? 奴が操っているのか?

いや、何か違う。


ボールを夜の暗闇に投げているのだ。目を凝らすが

市民や魔物は元々居ない空間から出てきていた。

謎の球体の中に市民やエイリアンを入れているのか?

ハンマ爺に近い能力。


ハンマ爺の神隠しのハンカチは

敵がこちらに気づいているときはハンカチに仕舞えない。

隠形を使用。姿をくらます。

俺を見失ったエイリアンを背後からハンカチに仕舞う。


巨人が角を曲がり切る前に

槍に霊気を込めて投擲。当たった。右半身を槍が抉り(えぐ)

小巨人が転がるように倒れ込んだ。


ヤツの体から黒い血が噴出する。

ハンカチからエイリアンを出す。

すぐに巨人を視認して襲い掛かる。


持ち運んだ生き物を暴走状態には出来るが

近くの生き物を見境なく襲うのかもしれない。

巨人とヒト型エイリアンが取っ組み合いになる。


ゴーストの触手から霊糸を射出。

両者の体を絡めとり、そのまま強化火炎ブレスを浴びせる。

奴は逃げようともがくが…

もう霊糸が絡みついている、無理だ。


そのままヤツの首を落として戦闘は終了した。


何となく

ヤツの死体を傀儡化。


情報が流れ混んでくる…

==

儀式 弱さ 逃避 生贄 教団 繭

……


名無し(アロンソ)


悪魔型傀儡 ネフィリム系統 

強靭な体躯 各種属性耐性 悪魔の球技 スピットダークエナジー

==


俺の脳裏に流れ込んできたイメージをまとめると。

……もしかしてこいつら元は人間じゃないだろうな?

名はアロンソ…


悪魔崇拝者たちとネフィリム?

一体こいつら何人いるんだ?

結構いそうだが。

この傀儡は要研究だな。


こいつが襲撃の首謀者だったのだろうか?

こいつだけ逃げ出すのが早かった。他の個体はもっと好戦的で…

他の巨人もエイリアンや魔獣を操っているようなそぶりはなかった。


取り逃がした小さなネフィリムを仕舞い、その足で

仕立て屋に向かう。


「やぁ、爺さん。」

「ふん、お前か。」


「ちょっと服を直してほしくてね」

「うーん、前から料金払ってくれないやつのオネガイは断りたいんだよ。」


「まぁまぁ、この街も敵が出来たかもしれないからね。」

「それと君がお金を払わないことって何か関係あるの?」


「それに関しては知らないとしか言えないけど…」

「え? じゃあ何でその話したの? 僕もう君と話さなくていい?。」


「まぁ、なんと返せばいいかわからないけど…」

「とりあえず出直して来たらどう? お金ないんでしょ?」

「地下室に行きたいんだ、ここの。」

「? 地下室なんてないよ?」




「あるよ、お前のいるカウンターの下。俺の幻視がその場所を見せてくれた。」

「……なら仕方ないね、僕の妻のようにお前に無残に殺されたくないもんね…」

「お前の妻を殺したのはお前だろうが、この糞ジジイ。」

「あれ、忘れちゃった? キミが散弾で殺したじゃない? 死んだふりしているところをさ。」

「なすりつけるな、もう死んでいただろうが。まぁ、どちらでもいい。とりあえずどきな…」


仕立て屋をどかせてカウンターを蹴り飛ばす。


鈍い音と共にカウンター吹き飛びその上のミシンが床に落ちる。

絨毯を引っぺがすと大きな蓋が現れた。

蓋をとると地下へと続く階段。霊気を変質させて指先に浮かぶ光源を創る。

降り始めて気付いたが随分と長い階段であった。


壁も階段の踏面も不思議な霊気を宿した石で出来ている。

建物4階分以上降りたあたりで音が何も聞こえないことに気づいた。


少し落ち着かない気持ちになった後、またずっと降りると大きな扉。

巨人も通れそうなほどの扉が開きっぱなしになっていた。

部屋の中を見るとそこには

見覚えのある光のエネルギー体。


俺が目を覚ましたあの水辺の森にもあったプラズマのようなものが部屋の中央に浮遊していた。


「やっぱりあったか…」

ポータル。

ここからあの巨人たちは入って来たのだろうか。

このポータルもどこかに繋がっているのだろう。

光に触れようか迷っているとANKHが右手から出てきて

胸の前で浮遊する。


ポータルとANKHが共鳴する。


ANKHが振動し始め、なにかがこすれるような音と

風のような轟轟という感じの音が部屋に響いた。

暗い部屋、俺の作った光源しかないはずの

部屋の中に色が出来たり消えたりする。

壁が所々、暗い青や赤、紫などに変化して明滅しながら

肌では感じない耳鳴りのような風の音に圧倒された。


幻視が発動する。

=========

杭 ピース 鎖 世界安定化 世界の破片 深界

=========


ポータルの形が少し変化する

ANKHの振動が激しくなりポータルの光に

ANKHのように穴が開きはじめる。

そのままポータルはプラズマ状のANKHの形になり地面に半ば杭のように刺さる。


刺さったポータルは石のような物質に変化した。

少しだけANKHの形に似ている。


ANKHは俺の右手の中に消えた。


恐る恐るポータルに手を伸ばし、それに触る…


イメージが見えた。

森の中だ…

今見えた森のポータルと夜の明けない街のこのポータルが繋がった。

このポータルは俺の領域の固定化されたGATEとなった。


石化したポータルに触れて念じると光が迸り

森の中に瞬時に移動した。

こちら側のポータルも石のようになってGATEと化している。


森の中を進む。

夜だった。

この森からネフィリムが攻め込んできていたのだろうか。


まっすぐに歩いていくと黒い霧が道を塞いでいた。

迂回してみるが状況は変わらない。

戻ろうかと思った時、地面に違和感を覚えた。藪の中を進んでいくと

地面に穴が開いている、大きな穴だった。

ぽっかりと運動場が丸々入るくらいの大きな穴。


その穴の底に目をやると、大きな目がこちらを見返していた。


最初何だか分からなかった。

それは恐らく大きな大きな鯨だった。

考えられないほど巨大な黒い鯨が穴からこちらを見ていた。

圧倒的な存在感に押しつぶされそうだった。そしてこれの霊気、霊量は…

計ってはいけない。それだけ本能で理解出来た。


ソレが通り過ぎると大地が見えた。

まるではるか上空から世界を見ているように…

地下にもう一つの世界? 地球?

……


寒気が止まらなくなる。


もう一度戻る。


地下室には仕立て屋の爺さんがいた。

ハサミを持ちながらこちらをいつも通りの光のない目で見ている。


「どうしてわかった? ここに地下室があること。それとその世界のこと。」

「勘がいいんだ、それだけだよ。」


「ここはもう半ば君の仕切る街だからね、裏切るつもりはないけど…」

「ないけど?」


「ネフィリムを手引きしちゃったからねぇ。」

「私のことを裏切り者扱いするんだろう?」

「ネフィリムってなんだ?」


「見なかった? 多分君が殺したと思うんだけど。ほら、あの大きな超越者。」

「超越者? 裸の巨人みたいな奴か、クリーム色の肌に大きな目…」

(さっきもまた殺したが…)


「そうそう、宗教上の理由で私はアレになりたいの。だから仕方ないよねぇ?」

「手引きしたことか?」


「うん、だって何を信じるかは自由っていうじゃない?」

「まぁ、それと敵の侵入の手助けをすることを許すことは別だよ。」

「手助けなんてしてないけどね? 手引きしたわけじゃないし…」


「アイツらが勝手に入ってきたと? 今お前が手引きしたと自分で言ったんだろうが。」

「うん、ただあっちのことも裏切れないでしょ? それに君も私に何も聞かなかったじゃない。」

「伝えないことを選んだんだろ? 自分で。」


「で、でも僕はほら、嘘つきだし。悪い存在だから… 仕方ないんだよ…」

「それはどうでもいいとして、あの森は何処に繋がっているんだ。

巨人の化け物はここから来た? あとあの小さなネフィリムは何だ?」


先ほどから疑問に思っていたことを仕立て屋に聞く。


「小さなネフィリム? 何言ってるの? そんなの知らないけど。もう、遅いよ…」

「遅い?」


外がにわかに騒がしくなった。









ジョンスミス


超人

霊仙 1

ANKH 当主

固有技能「8つの世界」

所有技能 「傀儡の王の半身」「幻視」 「三略」「六韜」

「隠形」  「霊仙の呼吸」 「霊質変化」 「白蓮」

「宝具作成」「傀儡開発」「エレメントマスタリー」

当主アビリティ

「仙桃の果樹園」 「仙人印の野菜畑」 「傀儡街」

「自爆人形」 「生命の湧き水」 「治癒の温泉」

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