黒鯨堕つ・Q---異物衝突・地獄が陥落した日
「世界鯨、黒鯨堕つ」
ソレは下に大地が見える穴の下から
興味深そうに上を覗き見ていた。
巨大な、途方も無く巨大な黒鯨が空を仰いでいた。
泳いでいた。微睡む様に。
全長凡そ1km。====
重量不明。霊重量(戦闘力ではない)… 凡そ
ヒト型ー3kg
河馬ー7kg
陸竜ー8kg
ネフィリム ー11kg
アイン ー14kg
ノートン ー20kg
サージ ー24kg
カドゥケウス ー26kg
ドレイク ー25kg
隠者 ー27kg
ドラゴン ー37kg
3FAITH ー49kg(魂を入れる器の限界)保管庫から霊気無限供給
として……
黒鯨ー15400kg
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あの男の世界が自身の中に出来てから霊量は更に飛躍的に上がった。
馬鹿馬鹿しいほどに。
魂を消化するのに耐えられる器。
その役目ならば他に誰も適任など居ないというほどに。
黒鯨に適していたのだ。
目の前にいても存在を信じる者
はいないだろうと言うほどの圧倒的な霊量を待つ鯨が死期を悟った。
契約者が死んだのかも知れなかった。少し一蓮托生な所があった。
余りにも巨大な霊量を偶々獲得してしまった鯨とあまりにも巨大な夢を見た男の約束だった。
アレが逝ったのだろう。自身の中にあった世界が、胃が腐り落ちていくのが分かる。
最初はアレの肉体、器ではとても持ちきれない、消化もできないエネルギーを預かっていた。
金庫兼金庫番のようなものだ。
後に奴は世界のカードを得て世界を作れるように。
今や黒鯨の体内機関の多くは
3FAITHが作った世界だった。半ば3Fの世界と融合した
形に成った鯨も無事では済まないことは鯨も分かっていた。
恐らく自身は死ぬだろう。しかし
鯨にとってはそれも別段どうでも良いことのように思われた。
何か長い酷く悪い夢でも見ていただけのように感じているのだ。
元々が人生に意味など見出せなかった。
漸く解放されると思うと幾分か気持ちが楽になった。
ただここまで大きく生まれてきた意味を果たしたかった。
だから話に乗った。意識が鮮明になると
それにつれて色々なものが気になるようになったが。
別にあとは寝て、歌って、泳いで。それだけだ。
願わくばもう少しだけ新しい世界を見ていたかったが。
これからどうなるだろうか。気になるのだ。円卓に座わりし者達の末路や…
それにこの力はどうなるかな。
あの獏は悪さをするだろうな。鯨は思った。
悪い奴ではないが善を良く知らないのだ。誰も教えずにいたからだ。
それに鏡の湖のほう、輝く大きな月を冠する場所。
小さきものがカードを手に入れた。月と審判。ひいき目なしに強いカードだった。
自身の力がこの小さなものに渡らなければいいのだが、と
黒鯨は最後に思って雲の中眠りについた。
途方も無く巨大な鯨はもう起きてくることはなかった。
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「明けない夜の街・Q」
レストラン・コラッジオでは東方騎士団残党がANKH・Qにより保護され
歴戦の猛者である騎士たちが騒々しく飲み食いをしていた。
保護された騎士達は上級騎士20名、下級騎士40数名。見習い200名以上。
騎士は百にも満たないがよくよく考えてみれば恐ろしい戦力だった。
上級騎士は全て賢人連盟で言えばA~B格に匹敵するほどの戦闘力を持った能力者であり
下級騎士でもB~C格の実力がある。
因みに自動人形2のL型個体がC格に相当。下級騎士を一人止めるためには
自動人形2が3体は必要である。
そしてそれを騎士達も良く理解していた。
少数であったが彼らの中には場合によってはANKH領土をかすめ取る必要性や
領土を分けてもらい自治権を認められて当然と主張するものも出始めていた。
理由としてはANKHの住人たちが人外であること。
人外は存在自体が悪であること。等だった。
勿論それが本当に理由かはわからない。別に同じ人間であっても
同様の主張は為されていた可能性は容易に想像できたのだ。
彼らは何よりも領土を欲していたし。そして失った領土を取り返す自信があるかは
微妙なところでもあった。
今は騎士団長ドレイクが抑えているが
いくら彼らを保護したからと言ってANKHと騎士団の関係が良好というには
多少の無理があったし、険悪というには
まだ何も起きてはいないと言うのが実際の所。つまり何が起きても可笑しくないような
空気が僅かに漂い始めているということ。
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「極寒の街ニブルス。マチルダベルモンテ邸」
真冬は終わり、ニブルスはまだまだ寒かったが
雪は姿を見せなくなり始めていた。
ベルモンテの屋敷に久しぶりに主が帰って来た。
夜も更けたころ。窓に雨がザアザアと降りかかる。
窓際にはてるてる坊主のようなものが吊るされていた。
白いシーツを被った典型的なお化けのようなデザインの人形がてるてる坊主のように
下げられていた。ANKH・Rを現すデザイン。
マチルダとマケンナ共に互いの武器等にキーホルダーの様につけている。
雨降るANKHの象徴である。
それはさておき、部屋の扉がノックされ
窓際に立っていた悪魔女史が振り返ると
車椅子に乗ったエレーニとそれを押すアイン、続いてアントニオが入室してきた。
騎士団という異物、特にその中の一部の派閥に対する懸念。
勃発した円卓の大戦に対しての会議を始めるのだ。
魔女も数日以内にはニブルスに来訪する予定。
隠者が隠れた日。ジョン・スミスとの連絡が途絶えてからは
ANKHの仕切り役は悪魔女史マチルダ・ベルモンテに任されることに。
主に議題に上がった事は…
・エレーニについて。
何とか首と体を繋げることは出来たものの、
完全には意識が戻らなかった。
コミュニケーションは未だあまりとれない。
今は僅かに意識があるので車椅子でアイン等と共に来た。
会話することはほぼ無い。霊魂は未だあるし
稀に立ち上がってお茶を入れようとしたりはするが。
エレーニに関しては血液資源を通した回復ポッドをアインが作成。
そのポッドと吸血鬼用の棺のベッドで兎に角眠らせて
様子を見ていくことに決定。
Qの仕切り役がいなくなったことで正式に
QとD両方のANKHをRに編入する流れに。
・次にANKH・Oについて。
始まりのANKH。彼らはあまり協力的ではない。
DMネットワークにも殆ど参加せず。呼びだしにも応じない。
他のANKHと脚のみをそろえずに単独で判断、行動する。
この現象に対する懸念。ジョンが消えたことと何か関係しているかもしれなかった。
この問題によりO以外の連携しているANKH
Q、RとDの3勢力をANKH3と呼び、分けることに。
・次に敵対勢力「SCARE CROW」
隠者を盟主として魔女が中心となり
「魔女軍、ANKH3、聖種、騎士団残党」が連合を結成することについて。
・最後にANKHの主。隠者「JOHN・SMITH」について。
傀儡達はジョンが生きていることは分かっている。
繋がっているからだ。しかし居場所が分からない。
隠者捜索隊の創設と隠者からの手紙について話し合われた。
その日の雨降る夜の会議はぼんやりとそして静かに進められて、皆表情は暗かった。
マチルダ・ベルモンテ 人型 自走傀儡(霊魂有)
ANKH3ー総帥代理
型:大改革者--新! (雨の加護)
サブ:育成者
技能--- 霊毒生成、拘束蛇、高速鞭、霊蛇召喚、蛭弾
新技能---断罪する炎の雨、霊猛毒
創造育成:
警棒鞭ウロボロスー形態変化
形態変化 鞭 銃 剣
特殊技能 蛇龍召喚 波打つ雨の剣(対霊 破邪の武器)
断罪の炎
創造改革ライン ---現在スロット4
1・DMネットワーク強化
2・兵器 作成、生産ライン
3・マケンナズホーンテッドシリーズ強化
4・自動人形開発室
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「地獄が陥落した日」
桃色の髪の騎士が聖種の種の始まりの森の奥深くにある
深き森の地下牢に侵入を果たした時。
聖遺物・隠者の傀儡が発見され、一つが
魔女の館、天啓の間に置かれた時。
マチルダ・ベルモンテが正式にANKH3総帥代理を就任。
ANKH3、雨と夜と地下のANKHを束ねることになった時。
ヘルシティの悪の塔に魔物の大群が襲い掛かった。
後にANKH・Oの暴走と呼ばれる。
witcheryの人員ですらこの化け物達に襲われた。
これによりジェイソンとマリオが負傷。トニーが軽症を負った。
魔女とその他ANKHが対話を試みるも難航する。
まともに対話できたのは白き大狼くらいであったが、その白狼も
ANKH・Oの一員として総意に基づいて動くの一点張り。
ANKH・OとWICTHERY間で緊張が高まっていた。
原因は不明。
突如ヘルに侵攻した魔物の軍団。
回転しながら空を飛ぶ巨大な化け物蜘蛛。
飛行、光学迷彩、金属の嵐のような尾銃と口筒から放たれる
大威力の砲撃は機械兵達を木っ端みじんに粉砕した。
一定以上のダメージを与えると姿を消し、次に現れた時には全快している。
更にはcクラスのエイリアン蜘蛛の配下を大量に使役。数は不明。
溶解糸の工作や空からの爆弾投下、地雷設置等。恐ろしく厄介な魔物の群れ。
確認できているだけでも千以上。
脅威度AA
白き大狼
電撃を操り、数多の鳥獣を率い群れと共に領土を蹂躙する。
群れの規模は犬・狼系700以上。鳥系2000以上。
この狼の率いる群れに侵入された領土は殆どの機能を停止する。
ヘルも変わりなく。塔に供給されていたマナが滞り機械兵で
群狼を追い払わないわけにはいけなくなった。
また謎の樹人型エイリアン達。
数こそ少ないもののこれのまき散らす胞子に感染すると恐ろしい弱体化
が始まる。体は樹木のように硬くなり、最後には胞子を撒きながら
動けなくなって死ぬ。
これらのせいで党側は一度外に出した兵士の帰還を渋る様に。
悪の塔の外壁には大量の大型犬サイズの蜘蛛型エイリアン。
塔の門が閉まるとこの蜘蛛らは恐ろしい溶解糸を張り巡らして
機械人の出陣を妨害する。この糸を焼き払うためにわざわざ
多数の自爆者を出さねばならないのが厄介極まりなかった。
その上待ち構えている樹人を早急に撃破しつつ
群狼を追い払わなくてはならない。
この任務の難易度は機械人にとっては恐ろしく高かった。
一度の出陣に払うコストの多さはゼフ・アドリエルが怒りで
軍人たちを大量に処刑するほどであり
この化け物の群隊には悪魔党もほとほと参った。
化け物達はコンラッド等には通称イナゴと呼ばれた。
機械化に成功した爆弾機械鳥を散発的に外に放ってはいるが状況は良くなることは無かった。
それから数日後。
ついに悪魔党はヘルシティを放棄。
籠城を決定した。悪魔党の狙いは…
他都市及び塔からの増援を待ってから挟撃。
地獄が陥落した日であった。




