表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダブルサイココライド2 ―Saga Of Hermitー  作者: KJK
10章 精神衝突 
69/111

2話 悪夢の世界2 ・ 首無しと呪われた迷宮 ・ 人形姫とゴーストタウン

「悪夢の世界」



JOHN・SMITH



バーを切り取って領土の編入。

周辺のカフェや本屋、スーパーマーケットも。


相変わらず街は薄暗く空は2色だが、変化が起き始めた。

法則は不明だったが稀に春の昼時のような天気に変化するときがある。

5分から一時間ほどしか続かないし基本は夜明け前や日没前のように暗い。


それでもこのような変化は悪くなかった。


この世界は。

特に領土内はイメージの力で

色々出来ると言うので

バーの内装を自分好みに変えていく。


ゴゴゴゴ


地震…

内装を変え終わる前に外から山が崩れているかのような鈍い音。

アシュリンと共に外に出ていく。


相変わらず外は暗い2色の空だった。


切り取った領土その外側の街が無くなっている。

一面が地平線まで続く荒野。

黄色い光を帯びている地平線の向こう側から何かが来ている。


「何かが来てるよ。あたしも戦う。

多分ここを切り取ったのに反応したって所ね。」

「ああ、戦えるのか?」

「まぁね。それに魂だけの身体ならむしろ大強化。

超占術師兼ドルイドのクー・フー・リン様からしたらアッパー調整やねん。

生身がむしろ弱点なのよ。つまり無敵だわさ。」


鋭い目つきでクーフーリンが言った。

手を人差し指と親指を伸ばして銃のような形にして

顎のあたりに持っていって謎のポーズをして遠くを見ている。


「それでどう戦うんだ?」

「ほいさ! 出でよ札の束!」 


光の粒子が現れてアシュリンの手元に収束すると

それがタロットカードになる。

左手のカードの束を放り投げると札がばらけ円状に列をなして

流れるように回転しだす。


「いっちゃんいい武器を頂戴。スピリット!」


一枚のカードが煌めく。それをアシュリンがドロー。


「ほい! 戦車来たぁ!」


ハイテンションになってきた占い師が左手に先ほど見た本の一冊を召喚。

「天使の占い師 魂の旅 いや家路」の表面をさっと払うと

ATMのカード受付口のようなものが現れそこに戦車のカードを挿入。


本が変化し、重機関銃に4本足が生えたメカが出現。


続けてアシュリンが手を合掌して何やら念じ始めると

霊気の粒が合わせた手のひらの隙間から溢れ出していく。


手を離すとボーリングの玉大の水晶が現れる。


「あたしはこの重力水晶を投げつけながら影ながら戦うから、後はアンタ達頑張って!」


「ああ、危なくなったら教えろよ?」


「ドンとこーい! ムワッハッハ! それと領土周辺ならアンタの傀儡も出せるからね。

やってみな。」


「了解。」


シャドウを出すと、以前と少し違う。進化した?


コートにハット、アルミ色の身体。ここまではそこまで変わらないが。

所々少し違う。

出した瞬間にそれが変形出来ることも理解した。


―ジョン・ウィック人形が何かしたんだ!

凄い! アンタの傀儡強くなってる!


アシュリンが興奮して声を上げる。


荒野の方へ目を向けると、エイリアンや魔獣の大群。

全て頭部にヒトデとナメクジを足したような寄生生物のようなものが付いていた。



アシュリン?===

型 天使な占い師

サブ サイキック霊媒師

天使の呼吸 

幽体離脱改→行先:集合的無意識と思念の海   

ギャンブルウェポンタロットおみくじ

多目的水晶召喚 霊会話(霊的会話いや通話) 

超占術師の勘

===



魔物の大群を迎え撃つ前に、運命のカードを見る。

隠者の背後の夜空に星がいくつか

繋がりそうだった。








@@@



死霊都市

旧万魔殿 地下迷宮


ANKH・D領

「呪われしベルシモックの迷宮」




死霊都市、万魔殿跡地の地下深く

具体的に言えば地下2階から地下5階

及び地下道で繋がるSINシティ郊外の廃教会まで

首無しは支配区域を広げていた。

 


ベルシモック 首無しの迷宮主===

D・デュラハン系統 自走傀儡

型  探索する迷宮の主

技:

不死の怪人

再生 怪力2 ヘッドハント

暗黒属性耐性(極)  不屈

首実験


D・Mネットワーク

(ダンジョンマスターネットワーク)

離れている仲間の領土と多種多様な取引が出来る。






死霊都市の地上にて災厄が発生。

にわかに上は騒がしくなる。


迷宮の主である首無しは

地鳴りがする前に、既に予測できていたかのように

帰路についていた。


部屋には振動を測る装置のようなもの。

棚の上のガラス瓶の中に蝋燭が4本あり

灯された炎の色が変化する。震度を現しているらしい。


首無しが部屋の中の赤いボタンを叩くように押す。

全てのセーフルームに二重のシャッターが下りる。

対災厄構造。


様々な首が飾られている本棚ならぬ首棚

を掴み横に引くとその裏の壁に穴が空いており

進むと階段。さらに進むと地下への階段。

その途中には別の寝室があり、土で出来た棺桶のベッドが床下にある。

最近は首無しはここがお気に入りで床下の棺桶で寝ることが多い。


そのお気に入りの寝室を通り過ぎて松明を手にとり

暗い地下道を進んでいく。


長い地下通路を進み続けると今度は上階へ向かう。

階段を上がりさらに上を目指す。

天井の蓋を開けると地上。


SINシティ郊外

山の中にある廃教会へ出た。










@@@@



新・罪都

ニュー・シン・シティ



伝説の中の生き物をもっとお目に掛かれないのは残念ではあったが

今はとてもそんな場合ではないことはエレーニも分かっていた。

新罪都を脱出しようとするも

大量の不死者と死物が連携して襲い掛かって来る。

亡者の群れ、群れ、群れ。

高速で飛行し魔術を行使する強力な不死者リッチに

15m以上はあるであろう巨大な骸骨。白いのと黒いのがいる。

白い個体でも十分すぎるほど強いが、

死物と化した黒い個体に寄生死物が浸食すると

角と小さな羽が生え手が付けられないほど強力になる。





「やっぱりアイツらが犯人じゃない!」


エレーニがつい叫んだ。

奴らが死物を作ったかは不明だがコントロールできるのは明白であったからだ。

「KNIGHTS OF LIBERTY」に「死人」と「聖種」の化け物は任せて

急ぎ退却。

突風のようにアインと走り抜けてSINシティから脱出。

大量の不死者たちが逃さないとばかりに追いかけて来る。


振り返ると

マナの衝突が発生させている稲光のような光。

竜たちの咆哮が街の外まで響いていた。


空飛ぶしゃれこうべや、追跡してくるリッチを躱しつつ逃走を続けると、

段々と霧が深くなってくる。

それでもペースを落とさないようにしていたが

霧を避ければどうしても速度は落ちる。

理解していてもじれったい。


「エレーニ、気をつけろよ! 

しゃれこうべよりも霧の中の奴の方がシャレにならないからな。」


「糞ガキ、寒いダジャレはいらないわ。しゃれって洒落ているどころかダサいし。

あたしは早く帰って血を補給しなきゃならない。それに眠いし。」


糞ガキがいつも通りうっとおしいことを抜かしてくるが、

返している余裕がなくなって来ていた。

血が足りない…

喉が渇く。頭がボーっとする。


どうしようか、ガキンチョには黙っていたけど、

本当にさっきまで、いや…

今も死の瀬戸際一歩手前だ。これ以上ダメージを負えば…

また血ではなく、マナで代替して回復しなければいけなくなる。

そしてそのマナを使えば大幅に自分の戦闘力は落ちる。


アインに正直に今の私はお荷物一歩手前だと言おうか…

それともこいつから血を貰えないか… 

コイツ相手なら許可取らなくてもいいか。

人間じゃないし、ちょっとくらい吸血されてもどうせ死なないんでしょ?


アインの首元を一瞬みて、舌なめずりすると。


―な、なんだよ!


目が合ってしまった。

いいアイデアかと思ったが、無理やり仲間から血液補給するのはダメか。

魅力的な考えではあったものの心の奥ににさっさとしまう。



新シンシティに隣接する、廃墟と化した街を通り抜けている最中

高速道路方面のポータルに向かいたかったが、

霧が邪魔で思うようにルートが開けないどころか、霧に囲まれてしまう。


廃屋だらけの小さな

ゴーストタウンで立ち往生する。

頭がズキズキする。

やはり調子は良くないとエレーニは思った。


四方に霧がある今、霧が空いた場所が出来るまでここで留まるほかない。

せわしなく霧の隙間を縫って進めそうな場所があるか、チェックしていく。

気のせいか一瞬幽霊のようなものが見えた。

頭を振って小さなビルの中に入る。

壁に背を預けて少し気を抜いて、神経を休める。

大丈夫、まだいける。

ペース配分に注意して、焦らずに進んでいけばいい。


「おい、大丈夫か? その、もしかしてお前かなり弱ってる?」


気付かれた。


「まぁね。だって血がないんだもの。

それよりあたしたちが知っているポータルまでのルート…」


「まさか、俺の血飲みたいとか思ってる?」


「別に? まぁそうだけど…」


「嫌だけど、本当にこれ以上ピンチになったら… 別にいいからな?」


「うん、わかった… でも兎に角ポータルに着きさえすりゃいいわけでしょ。」


「ああ、だけど。

このままじゃ簡単にはたどり着けない。正直どんどん離れて行っちゃってる。

それにあのDEADMANって勢力。俺たちを襲うのは正気の沙汰じゃない。

衝動的にやるわけのない行動。

アイツらは本気でエレーニを狙っていた、理由はわからないけど。

仮にポータルにたどり着いたとしても待ち伏せだってされているかも…」


「身に覚えは?」


「無いに決まってんでしょ… ガキンチョ。」


「そりゃそうか、あーあ。せめてボスと合流出来たらなぁ…

また会いたいな。」


「何しんみり現実逃避してんのよ。帰還するための方法を話しなさいよ。」



事実や真実を話すのは疲れる。

誰だってそうだ、人によっては往生際が悪いほど傷ついても疲れても

それをやり続けられる奴もいる。ただそんな奴は稀で多くの人間はこの疲れ

を避けたいと思っている。自分だってそうだ。

今も、霧の向こうに巨大なアンデッドがまた見えた。

これは口に出せる。

でも生きて帰れる自信が無いこと。

嫌な予感がすること、アインも言ってたけど

ポータルの場所はアイツらはわかっているんじゃないかということ。

待ち伏せされている気がしてならないこと。あのポータル以外の場所からの

帰還方法を私たちは知らないこと。

ここら辺のことを話し合うのは億劫だった。



ファッキンな空飛ぶしゃれこうべは戦闘力でいえば雑魚だが、

他のアンデッドと連携してくる。

特にあの巨大骸骨の黒い奴とリッチは連れて来られるとマズイ。

リッチは強さに個体差がかなりあるモンスターだった、見た目もそれぞれ違う。

何体かのリッチは恐ろしく強く少なくともネフィリムに届きそうなほどの戦闘力だった。

この状況では絶対に相対したくない。


何となく割れた窓から外を見る。

視線を車道左側の霧のカーテンに向けた時だった。


しゃこうべが霧を抜けてこちらへ突っ込んできた。

それを打ち壊そうとする前に

突撃してきた頭蓋骨の眼窩(がんか)

の中に炎が灯り、それが絶叫する。



すぐに頭蓋骨をアインがYOYOで砕き壊す。


―な、こいつ!

まるで何かを知らせたように、絶叫した!


「ファック! 逃げるよ、ガキンチョ!」



廃ビルから飛び出す。

無理やりに。

当てずっぽうに霧の薄いところを探して駆け抜けていく。

1分もしないうちに幸か不幸か、霧を通り抜けられた!

明けた場所に出る。

まだこのゴーストタウンの中。

まだ頭はズキズキする。


ゴーストタウン。

4階建てのビルの割れた窓に人影らしきものが見えた。

気になるが、今は気にしている場合じゃない。


破壊されつくした小さな駅と

その周りにある雑居ビル。横にはバスターミナル。

何かがいる。空気の動きに違和感。


霧のカーテンの隙間から

アンデッドたちがじわじわと現れているのが見えた。

まだ距離はあるけれど。

囲まれた。


アインが装着していた外骨格の機械を外した。


―おい、バカ女。俺の血を飲んでこれ着て逃げろ。


「これって…」


―うん、最新作。

スタンの残骸を使ったやつ。


可変式 強化外骨格傀儡 スタン・リー・ジャン



アインに押し付けるように渡される。

胴体に装着する。

外骨格は主に背骨を中心にして存在して、動きを阻害しない。

背骨からは2本の触手。それが第三、第四の腕として機能する。

腹と胸には簡単な装甲。


「一応言っておくけど、ここでアンタの血は飲めないからね。

あたしに吸血されると数時間から半日は

意識が朦朧とする。この状況でアンタからもらえない。」


言いながら強化外骨格を着けようとすると上手く装着できない。

アインが外骨格に触れる

着付けをしてもらっているみたいだ。


スタンの形が私の身体に合わせるように変わった。


礼を言う前に

アインが告げた。


―多分、ここで二人で戦っても追手のアンデッドたちを殲滅できない。

結局また逃げることになる。

今逃げれば、多分エレーニが最初に死んで俺が助かるかは結果は未知数になると思う。

今俺がこいつらを足止めして、それから指定した地点で落ち合ったほうがいい。


「それでアンタは?」


―出来るだけひきつけて少しの間だけ殿(しんがり)をする。

その後この街の向こう側にある山で落ち合おう。




―OK。

アンタがそういうなら乗ってあげる。

でもきちんと生き残ってよね。





@@







廃屋と霧しかない幽霊の街で

アインと別れた。


ゴーストタウンを駆け抜けて山へと向かっている最中。

いきなり外骨格が反応。真横から突っ込んできた何かから

2つの腕を交差させて私の上半身を守った。


強烈な衝撃。

ゴロゴロと土煙を上げながら転がってから立ち上がる。


襲撃してきたのはアンデッドではなく

黒衣を身にまとった大男。

肌の見えるところが焼けただれている、

それに数えるのも馬鹿らしくなるほどの

無数の傷。

見覚えのある異形であった。

 


Qの怪人…


頭がガンガンする。

何故こいつがここにいて私を襲っているのか

分からない。

激しく荒々しくフシュウと呼吸を繰り返しながら

怪人がこちらに襲い掛かってくる。


近くにあったATMを蹴り壊してグレネードランチャーとショットガンを生成。

グレネードランチャーを怪人に向けてぶっ放す。

爆風や火炎をものともせずに

そのまま突っ込んで来る。

外骨格の腕の鋭い手先が手刀のような形に変形。

マナを纏いカウンターをとるように怪人の焼けただれた頬に突き刺さる。


頬骨よりもわずかに入ったところで刃が止まる

怪人は赤黒い炎を身にまといながら突進を止めない。


「うおぉぉぉぉ! 近づくな! アタシに近よるんじゃない!」


必死の形相で意味をなさない言葉を吐きながら

武器を捨て血の魔剣を生成。

外骨格の触手をヤツの顔面から抜きながら、

幾度となく斬りつける。


(こいつ、血が少ししか出ない! 

皮膚や骨の下に何層にも鉄板でも入れているのかって程固い!)


荒い呼吸で逃げながら、何処に斬りつければいいか

考える。首だ、次は首を狙う。

この化け物の首にケーブルのように体に通っているはずの

頸動脈をぶった切ってやる。


逃げながらエレーニが自身の真横に視線をやる。

目にしたものは怪人が

自身の胴体に向かって自身の頭ほどのサイズがある大きな拳を

振りぬこうとしている所であった。


赤黒い炎を纏った拳が脇腹から胴を貫いた。

内臓が焼かれるだけではない。

魂が悲鳴を上げるような痛み。


絶叫。


頭痛は痛みで消えるどころか酷くなった。

意識が朦朧する、地面に倒れ込む。

怪物が近くのガードレールに手をかけて引っ張り上げ

ねじ切る。


荒々しい呼吸の怪人はエレーニのもとまで歩いてきて

それを振り上げる

ガードレールだったものが人形姫に振り下ろされた。

自身の頭部と身体が切り離されたことだけエレーニは理解した。


最後に

エレーニの瞳には向かおうとしていた山が写っていた。



怪人が何か呟く。

その時霧の隙間から

拳大の様々な紋様が施された鉄球が転がって来て怪人の足に当たった。








巨大骸骨 =アンデッドキング

寄生強化死物 巨大骸骨 = 罪の王 SIN・アンデッドキング


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ