1話 悪魔大統領と親衛隊長 ・ 魔上人と3人の男たち
暗黒教団 悪魔派 首都ヘルシティ
大統領邸 悪魔宮殿
悪魔大統領ゼフ・アドリエルと親衛隊長コンラッドが
2人で酒を飲み交わしていた。
豪勢な宮殿の中では珍しく、手入れの行き届いていない
まるでテロリストや、山賊の隠れ家のような一室だった。
「ヒーヒヒ! 親父! D・ロンドンはもう制圧した!
抵抗はあるにはあるが。 他の都市も時間の問題だ、
後は魔上人の野郎と摩天楼派の3人の最高幹部を爆殺して終わりだぜ。」
―コンラッド、勝った気になって気を抜くなよ?
まだ奴らは全力じゃない。
「いやいや、分かってるって。 ヒヒヒ。」
と言いながらもコンラッドは笑みがこぼれてしまう。
気を引き締めようとした時にふと気になっていたことを思い出す。
「そういや、カルロについてだが離反した後の消息がつかめねぇ。何かきなくせぇ気がする。」
―カルロについては気にせんでいい、見つけ次第殺せ、それだけだ。
3Fが生け捕りにしたら実験に使うからよこせともいってたが…
もうヤツが見つけて攫っている可能性もある。
「ああ、そういうことか。後は黒い雨が弱まっているってこと、どう思う?
朗報続き過ぎないか? この機に全部取り返しに行くか?」
―雨については知らん。 ただここで気を抜いたらダメだ。
メイヘムは今は捨てていい。ニブルスも今本気で取り返すはない。
二正面作戦は許可しない。摩天楼派撃滅に集中する。
これから奴らも本格的な反攻作戦を始めるだろう。
「へいへい、まぁそうなるよな。 了解だぜ。」
―それより摩天楼派の幹部たちの潜伏先はつかめたか?
「いや、ちぃと難航してる…
多分B・ブライトンあたりに潜んでるんじゃねぇかと思うが。
全然見つかる気配がねぇ。
意外とD・ロンドンの地下とかに秘密の隠れ家でもあるんじゃねぇかって気がしてきた。ネズミみてぇなやつらだし。」
―D・ロンドンではどのくらい抗戦してきている? 問題は?
「今のところ問題ねぇ、
アダムの巨人兵は黒い火と爆弾兵で活動停止状態まで追い込んだ、が逃げられちまった。
後は、オジーの野郎のオジボルグが本気でうぜぇ… あのふざけた槍はマジで厄介だ。
対処できねぇ。
ジェシーはほとんど出張ってこねぇし、あいつは俺的に問題ない。どうせ大したことねぇだろ。
ジョージなんて別にどうでもいいしな。」
―ジェシーとオジーには気をつけろよ。
俺はどっちかっていうとジェシーの方が危険に思うが…
まぁいい。アダムは本流を恨んでいる、奴の場合はこっちに寝返る可能性もある。
「イヒヒ、これだけいいことずくめで
アダムまで味方になったらもう悪魔崇拝どころか神を信じちまうわ。ヒヒヒ。
でも最悪の状況を切り抜けてからどんどん状況が良くなっている。
マジで接触してみる価値あるかもな。親父、本気で考えてみてもいいんじゃねぇか?」
―ま、そうじゃなくてもネズミ共の隠れ家さえ分かっちまえば
暗い火の爆弾兵を送り込んで消し炭にしちまえるけどよ。ヒヒヒ。
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旧摩天楼派 支配都市 ダーティー・ロンドンを
走る地下鉄道のさらに地下深く。
秘密の迷宮シェルター。
「何が、悲しくてワシがワシの領土でゲリラ戦なんぞせねにゃならんのじゃい! 誰か答えてみぃ!」
沈黙…
「何が! 悲しくてワシが摩天楼の主が地下なんぞに隠れ住まねばいかんのじゃい! 答えてみぃ!」
シェルターの魔上人のスイートルームにて
摩天楼派のトップ魔上人ジョージが怒声を上げ
幹部たちに当たり散らしていた。
そしてその幹部たちは誰一人として委縮していない。
今この場にいるのは魔上人の側近中の側近のみ。
カラフルで派手なシルクのパジャマ姿の魔上人とは対照的に
全員がブラックスーツだった。
魔上人の3人の懐刀。摩天楼派の3枚の切り札。
ジェシー、オジー、そしてアダム。
魔上人ジョージが本流の最高幹部ノートンにも匹敵すると
全幅の信頼を置いている3人であった。
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ジェシー・アルクトゥス
型 道士
サブ 牛飼い
・インキュベーター(孵化気、孵化器) ・テレパシー
・成長の心得 (対象に選んだスキルを磨く。)
・ソウルボンド(自身と絆を結んだ他種族の可能性を引き出す、対象はジェシーの仲間と成る。)
・習いの呼吸 (スキル学習+補正)
・霊極拳
絆―ボンド・生物(犬1匹、猫1匹、豚1匹、鳥1羽、ヒト型エイリアン1体、)
怪獣一匹。
過去対象としたスキル
・成長促進→インキュベーター
・太極拳→霊極拳
・他種族間交渉→SOUL BOND
元来優しい人間で教団に力を貸すことに抵抗を感じていた。
ひょんなことからギャングにさらわれ脅迫されながら悪事を
働かされていたところを本流に救われるが結局は
状況が少しマシになっただけと感じていた所を
ジョージにスカウトされた。ジョージ曰く「天才か化け物。」
オジー曰く、「いやそれ以上。」
「一切の悪事を働かなくていいからワシのもとで才能を発揮してくれりゃあいい。」
オジー・カーディス。
型 伝説鍛冶
外套鎧 オジーコート・アーマー 対霊、対熱、対斬撃ー耐性大
大魔槍 オジボルグ(エネルギーをため込んで、自動で飛翔、突撃する槍 サイズ変更可、)
悪魔鎖 オジーチェーン (オジーの思うままに動く鎖。ほぼ破壊不可)
執着の呼吸 (執着したものに対して+補正を集中投下。対象武具作り)
資源の要求者(霊的リソースを他者から得る限り、全能力大幅+補正)
ジョージが派閥を作るときに真っ先に誘った友人。
変わり者で冷淡、全ての人間を見下している。無生物が好き。
「ワシと一緒に派閥を作ってくれ! 頼む!」
「え? お前なんかと?」
何故かOKして、しばらくの間仕事をさぼり続けて面倒ごとを全てジョージに押し付けていた。
実力は本物。
アダム
型 大機械技師
弾丸パンチ ロケットパンチ マシンアーム
霊気霧散スピーカー スーパーキャノン
作品:
*魔導列車
*魔導巨人兵 イブ
*改造人間 アダム
*暗黒生物 消滅爆弾
暗黒教団の領内に鉄道を走らせたヒト。
魔導列車は、レールさえ無事なら霧も抜けられる。
元々本流に所属していた。
恋人のイブに浮気され激昂し殺してしまう。
イブの浮気相手は本流のマンフリード。
マンフリードへの殺意から本流と距離を取りはじめた所、魔上人にスカウトされた。
恋人の死体を使い、巨人兵イブという巨大戦闘用ロボットを作成。
そこから得た経験と学びをもとに自らも、半機械化、改造人間となる。
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摩天楼派発足前からの友人のオジーが冷めた表情でジョージを見る。
「お、お前! なんやそのツラは!」
「いやぁ、ねぇ。こんな時に言うのもなんだけどもう幹部も我々以外は大分少ないよ?
一体どこ行っちゃったんだろうねぇ?」
「そ、それはアレや! 悪魔派の大攻勢で散り散りになったんやろうが!
だぁからワシが発破かけてワシらのモノを取り戻さんと…」
―え? 散り散り? ワシらの? ふぅーん…
ジョージはそういうけど俺は全然そんな気になんない。
あーめんどくせぇって感じだ。
「と、兎に角! 徹底抗戦してあの狂人どもを押し返すんじゃ! 反撃の手はずはどうなっとる!」
ジェシーが報告する。
―D・リバプールで反攻の準備が出来ています。
ただ、攻め手に欠ける。今動くのは得策ではありません。
私は育てるか攻めるかというタイプですし、
能力上今動くと両者被害が甚大になりすぎる可能性があり現状は無難に行くなら
オジーさんとアダムさんに頼ることになります。
―ただしオジーさんもアダムさんもLMPコストが高くつくタイプ。
領土を失ったうえでの長期戦は避けなければいけない。
本流と連絡を取り今外交での解決を模索しています。
「それでまた本流に会っとるんやろうが!
そんなことをいけしゃあしゃあ言いながら裏切る準備でもしてたら許さんで!?」
―この状況でそういわれると怒りで心が動きますが……
ジョージがしまった! という顔で固まる。
しばし沈黙が流れた後ジェシーが再開した。
―本流は、他の勢力とまた抗戦中とのこともあり
あまりこの戦争に深入りしたくない様子。
「#*%! アイツらぁ!!!!」
ジョージが発狂したかのように金切り声を上げ叫ぶ。
―堕天主様は仲介してもいいが、強制は難しいとのことです。
「ワシらで交渉のテーブルつかせろやっちゅうことやろ! んなこと出来るかい!」
―次にあちらのリソースですが、そろそろ限界が見え始めるはずです。
これ以上の大規模な侵攻はないとみていいでしょう。
「これ以上あったら、泣くわ…」
―魔上人様は以前どちらかを攻めると決めた時。
3Faithさんからの協力の手はずが整っていると話されていましたが
そちらはどうなっていますか?
「……いやぁ、そんなこと、言ったっけかな?」
チッ
舌打ちをオジーがして不機嫌そうにし始める。
―イヤ、チョット… チョットダケ 返事が遅くて。……連絡しても
あまり返事が無くて…
絶望した顔で魔上人が地面を見たまま固まっている。
―わ、わ、わかった! どうにか奴らを交渉の席に引きずり出す!
それで行くぞ! いいな!
お前らがふがいないからやぞ! そこんとこを忘れんなよ! ホンマにぃ…
最後にオジーが魔上人に
偉そうにすんな! と声を荒げて会議はお開きとなった。




