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ダブルサイココライド2 ―Saga Of Hermitー  作者: KJK
6章 悪魔女史と夕暮れのスワンストリート
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4話 ANKH・R---雨降るANKHの発足



このイタチ。もしかして傀儡?



==KB 自走式 宝具型 傀儡 レベル2

技能: 防霊毛皮 魔素保全ポケット



イタチが飛び跳ね体を動かす。何か伝えようとしている?

公衆電話の受話器を取れと言っているな。

取ってみると。違う、違う! というジェスチャー。


「なんだ、違うのか。」


イタチは再度体を珍妙に動かし

横の公衆電話を指してジェスチャーゲームが始まる。


「ええと、……公衆電話、…が腹の中? 食べちゃった? ん?」


首を傾げると、がっくりと言う具合にうな垂れる。

「もういいや! 」

という具合に私の懐に飛び込んできて

黒いマフラーになった。


こいつは何がしたかったんだ。私と同じ傀儡。

ジョンの物で間違いない。

毛皮のマフラーに触ると違和感。


ポケットが内側にあり手を入れてみると

黒い端末。


この端末。私があげたジョンの携帯。

触れるとロックされてない。

ボイスメッセージが録音されていた。


再生。音は聞こえてこない、が

情報が、映像や音声、様々な形になって伝わって来る。

このイタチがジョンの思念を保管して運んできた……



>>>>ジョンからの思念


・レゾは倒した

・マケンナが怨霊使いに乗っ取られている可能性あり

・アジトに入る手順を添付する


マチルダに役職任命。

【ANKH・R司令官】


ジョンからの指令

・生き延びること、力を付けること

・勢力拡大(急ぐべからず)

・可能なら怨霊使いを倒せ

・こちらとの合流を目指すこと。又は他のANKH


それだけ伝わってくると端末は崩壊して消えた。


ふむ、いろいろとすっきりしたな。

目標があるのはいい。やりやすくなった。

ジョンとの合流は良いが、他のANKHね。初耳だった。

ふむ、どうやら私には見知らぬ仲間がいるらしい。


さて、一気に1傀儡から司令にまで出世だ。

構成員は今のところ、私と、マケンナ(憑かれている可能性あり)

そして、このイタチ、KBか……

何とも言えないメンツだが大丈夫だろうか。

まぁ、なるようになるさ。


まずはアジトに戻り、ジョンから送られてきたアジトへの入り方を試す。

意味不明な手順に従っていき最後に本当のような嘘。


ガチャリ

カードをかざさなければ入れなかった扉から音がした。


本当に開いた…… 恐る恐る中に足を踏み入れる。

玄関にある花瓶に目が吸い寄せられた。

扉を開けて直ぐの所。階段の横の台に置かれた花瓶。


違和感を感じた。

こんなものあっただろうか?

ここに来た当初はなかった。


あ、この花瓶。前の街雨降りの

オースティンにアジトがあった時に見た気がする。

そうだ。あの時割れた花瓶。

私が扉を開けてしまう直前に、忠告するように割れた……


2階へ上がる。ふてくされたキューピッドの像。

ニホンザルの肖像画。花ではなくて十字架が突っ込んである花瓶。

スピーカー、CDやレコード、音楽プレーヤ―。


RHCPにマイケルジャクソン、ラナ・デル・レイにジャパニーズシティポップ。

全て見覚えがある。何故今になって追加されたのか。


椅子に腰かけているマケンナ人形に話しかけてみる。


「おい、聞こえるか?」


……


指がぴくッと動いた気がした。

顔を見るとここに来た時よりも安らかに目を閉じている。


キッチンに紅茶を入れに行くと紅茶の種類も増えていた。

インスタントコーヒーもコーヒーバッグだ。


何故置いてあるものが違うのか。

不思議だ。私は鈍い時があるからピンとこないが何か重要なことのように思えた。

それにこの部屋の方がずっと落ち着く。


ふと胸ポケットに違和感。

カードを取り出すと、禍々しい瘴気を放っているのが見えた。

床に落としてしまう。瘴気が霧散し、カードが消えていく。

まるでこの家には歓迎されていないように。


この家のカードなのに?

同じ場所、空間に違う家があるのか?


イタチが持ってきたジョンの思念。

マケンナが操られている可能性か……


恐らく昨日までいたアジトはそのレゾとマケンナを憑りついていたヤツの空間。

シーソーのようにどちらかの影響が強く出るか傾いたりするのかも知れない。


レゾもマケンナもそいつに殺された。

前にドアを開けてしまった時に見た男レゾ。

アイツに纏わりついていた泥だらけの亡者たち。


あれが、怨霊なのだろう。泥霊に酷似している。泥霊が怨霊なのか。

それを使う能力者が怨霊使いか…

怨霊を私に集めさせて力を得ようとしていた?

マケンナに憑りついたものの、弱っているのか?


途端にスピーカーから音楽が流れだした。

マケンナの傀儡が体育座りをして、

うつむいたまま窓の方を指をさす。


なんだ?

ダンスフロアのほうに置いてあるピアノ?


古そうな茶色のピアノのほうに行く。

ピアノの鍵盤板を開けてみると

カギが入っていた。


手にするとエネルギー体に変化して輝きだし

私の中に溶けるように沈み入っていく。

手が、胸がジンジンする。


大きな力の奔流を体内で爆発でも起きたかのように感じた。

右手がまるで蛍のように光りだす。


呼吸するようなリズムで明滅する光が今度は体の外に出てきて

カギからANKHの形に変わった。

これはマケンナの所有物だったものか。


この鍵がマケンナにとってのANKHだった…


途端にあるかもわからない心臓が跳ねた。アジトが全く違うように見える!

私のテリトリーだということを心で理解する。

領土線、LMPの量に、濃さ。


マケンナの状態も伝わって来る。

異物が彼女の中にある。

それは弱っていた。あれが怨霊使いか。


外に出ていく、目の前の立ち並ぶ高級カーディーラーに

通りの店、半径100mほど切り取って領有。


得た領土のマナが私たちに向かって流れだしANKHに属し始めた。

ANKH「R」の力が増していく。


成長の感覚がやって来た、今までとは少し違う。

私個人の成長だけではないような感覚も…


====

マチルダ・ベルモンテ

改革者・育成者 レベル5

スキル取得可能


・蛭弾

・警棒強化

・蛇召喚コスト低下


蛭弾(リーチブレット)を取得。


ANKH・R 司令 レベル2


司令スキル取得可能


・ケンナズ・ホーンテッド・アパートメント扉強化

・傀儡休息カプセル

・弾薬生産ライン


傀儡休息カプセルを取得

====



成長の余韻を味わっていた時、領土内に違和感を感知。

駐車してある車の近くに気配。

空気が動いた、警棒を取り出して体の前に出す。


透明な何かが噛みつこうとして来たところに警棒に当たった。

もう目の前には居ない。飛び退いたか。


姿を消す鰐頭のエイリアン…

周囲のどこにいるかあぶりだす為に高速で鞭を振るう。


斜め前にいるな、と思った時また風の動きが変わった。

背後に違和感。


もう一匹?





KB 

自走式宝具型傀儡 レベル2

防霊毛皮 マナ保全ポケット 


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