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1話 とある時計塔での会話


雨がザアザアと大都市のビル群に絶え間なく降っていた。

通りを行き交う人々は一様に慣れた様子で雨の中を歩く。


とある大都市のランドマークとなっている大時計塔。


時計塔の中に2つの人影があった。

テーブルに一人が落ち着かない様子で腰を下ろす。背が少し低い中年の男。

年齢は見たところ50代半ばから後半か。

明るい茶色の目は猛禽類のように鋭く、

趣味の悪い服に身を包み、成りあがりもの特有のオーラがあった。


もう一人は背もたれに体を預けながらティーを口に運んでいる男。

年齢はもう一人の男と同じくらいか。白髪と白髭にサングラス。体躯は良く筋肉質。

ベージュのスーツにシルバーの髪。背は高くサングラスと白い髭で表情は伺えないが

僅かに上がっている口角が男が身に纏う余裕を良く現していた。



対照的な雰囲気を身に纏っている両者だが旧知の仲らしく互いに気使っている様子は見られない。

落ち着きがない方の男が紅茶を勧められるがままに一杯飲むと早速とばかりに口を開いた。


「それで? どうなってる? チッ、首が痛い… 

ネフィリムから無事羽化出来たのはええが、わしがいない間何が起こっていた?」

「フフフ、落ち着き給えよ。世界は面白くなっているのだからさ。」

「んなこたぁ、どぉーでもいい! 何がどうなっているかわしの派閥じゃ把握しとらんことを教えろいうてるんじゃ!」


「ふぅん、口の利き方に気を付けたらどうだい? 協力者に唾を吐くなんてさ。

エゴというのは恐ろしく阿呆なものだよ。」

「チッ、わかった… 悪かったな。教えてくれ。この通りだ。3FAITH(スリーフェイス)… 3信仰の3フェイス殿。」


「いいよーん、私は器のでかい男だからね。ジョージ君。」

「……それで、どんな情報を持っている?」


紅茶を満足気に飲んでいた男の顔が真剣になった。


「さて何から言おうか。えーと本流のネフィリムが4体殺された。」

「は? 本流のネフィリムだと? いや、…ちょっと待て4体といったか?」

「ああ、本流の幹部7人のうち4人死亡だ。」


落ち着きのない、少し背の小さな中年の男。

ジョージと呼ばれた男は目が潤んだり、わくわくした表情になったり。

ハッとしたり忙しく顔色を変える。


「はは、そ、それで、死んだ幹部は? どいつが死んだ? どいつがまだ生きてる?」

「知らないよーん、誰がネフィリムになって何処に行ったかなんて最高機密だよ、君ぃ。」

「糞っ、でもその後は? というか誰がやったんだ? うちじゃないぞ。」

「悪魔派でもない。何か生き残りの人間でめっちゃ強い奴らがいてそいつらと戦争に発展していたみたいだね。」


「誰だ、その人間たちは?」

「知らなぁーい。知るわけがなかろうだよ。兎に角その二つの勢力と本流のネフィリム軍で戦争しててたのさ。」

「結果は?」

「本流が負けた。」

「嘘だ! そんなわけがない!」

「アハハハ、バカだねぇ。君は最高にドアホだ、ハハ。」

「ダマレ! 貴様ぁ…」

「ハッハハ、流石に惨めすぎる。」


「あ?」


ジョージの目つきから光が失われ蛇のような目つきに変わる。

その場が凍てつくような空気に支配された。

雨の中、時計塔のすぐ近くに落雷。

稲光のすぐ後、近くに雷鳴が二人の間に入るように轟いた。


3フェイスと呼ばれた男は対照的に

輝くような真っすぐな目でジョージを見返す。

ジョージがしばらく蛇のような目で3フェイスを睨むが数瞬して目を逸らし謝った。


「……すまなかった。 オレはプライドが高いから…… すまん。」

「プライドねぇ? 肥大化したエゴは病的にまで低い自己評価を隠す布のようにも見えるが?」

「……うるさい。もう止めてくれ。」


「君は狡猾なところがあるからね。いつもお人よしの有能な人間を利用してさ、そうやって上にいって頭が良くなったつもりなの? 

ほら! 俺に利用されやがってこのお人よしの馬鹿が! だから俺様の方が有能なんだ! とかよく好んでるじゃない? 私はまさにお人よしの超ド有能だから怖いんだよぉ…」

「いや… 謝るからやめてくれ。」


「やめるかやめないかは僕が決めるけどね?」

「…………」

「沈黙? ふぅーん。まぁいいや。どのくらい君が信用できるのか試したくなるのさ。だって君ってさ、信用した奴がバカなんだって裏で言いふらすタイプじゃない?」

「……それは… つい…」



「また沈黙を選んで… まったく君ってやつは。 まぁいい。じゃあ行くよ。 

結果は本流の負け。敵のリーダーの男は何とか倒したらしいけど、もう一つの勢力の当主の女には逃げられた。その後は女の勢力が男の勢力を吸収。男の配下だった強力な魔物たちは女の勢力に加わったみたいだね。その後ネフィリムになっていたノートンが羽化に成功。生き残ってゾンビの軍団を引き継いで指揮して抗戦しているけど、もう無理。 勝敗は決してるよ。」

「ノートンの奴めが羽化して生き残りおったか… それで、そいつらは魔物を従えられるのか。」

「別にそんな奴いるでしょ?」

「まぁな。」


「その後、女の勢力witcheryが領土を急速に拡大。ノートンはその女に負けそうみたいだし。

本流が狙っていた南方の土地で覇権勢力になりつつある。対抗馬は見当たらない。

本流はこれ以上この女とやり合うのは危険だと判断して南からは手を引きたそうにしているよ。」

「アッハッハ。 そりゃ、戦力を半分も失ったらな。他には?」


「これ以上は何かくださいよ。私もさすがに優しくしてあげたいんだけど。

裏でさぁ、君が何やっているか知っているよ?」

「う…わかった。いろいろと払うよ。それでいいか?」


「OK。他に君が必要な情報だね? 

1つ目、君が入れ込んでいる女。やめておきな? ふふ、ありゃ君にはもったいほどの女だよ。格が違うっていうのかな?」

「うぐ… うるさい、んなことわかっとるわ…」


「まぁ、いい。 2つ目だ、悪魔派が襲撃された。」

「な、な、んだと!? そ、それで?」


今日何度目か、ジョージが前のめりになる。


「どこかの勢力に喧嘩を売ってネフィリム化してた主要幹部が4人死んだらしい、その上『火の夜』にメイヘムの主要な拠点とゼフの屋敷を襲撃された。」

「アイツらが!? ククク、ヒィーヒヒ。あのイカレた糞ども! ウフフそれは愉快なニュースだなぁ、イーヒヒ。 はぁー、笑いが止まらんわ。」

「メイヘムは真っ赤に燃えていたよ。

勢力名はわからない。ちょっと謎が多い勢力かもね。ゼフがなんかめっちゃ怒ってて、部下を阿保かというほど処刑しまくってた。」


「ギヒャハアヒャ! あのパラノイアの狂人が! アハハヒャ! アヒャ… グスッ、ヒック… 可哀そうに… 可哀そうになぁ。全くあんな奴の部下になったのが運のつきというところか。自業自得じゃ!ヒヒヒ」



「ゼフはしばらくその勢力と戦争するかもしれないけど、まぁどうなるかな。

アイツがそうそう負けるとも思えないけど…」


ーさて私はもう行く。いろいろと忙しい身だからねえ。

それと情報代として君の部下から何人か見繕っていただいていくし、もちろん君の街の住民を少しもらっていくよぉん。


「チッ、好きにしろ…」


それだけ言い残して3フェイスと呼ばれた男が時計塔の中の暗闇に消えていく。

ジョージと呼ばれた男はホッと一息ついた後に頭を抱え込んで体を震わせ始めた。

突発的に空に何度も拳で何かを殴りつける動きをする。

稲光の中で

時計塔の針に向かって何か大声で叫んだ。


震えが収まるとテーブルの上のものを薙ぎ払う。

泣きながら何かつぶやいている。


「あの糞忌々しいヤツめ… いやそれよりも… いや、ちょっと待てこれは素晴らしい情報だ。3フェイスのゴミと最も通じているのはワシで間違いない。

…ちょっと待てよ、ゼフのクズのところも幹部が半数以上死亡か。フフフ、なんだ状況はいいじゃないか。天はワシに味方している! 遂に! パワーバランスが動くぞ!」




雨降りの町の中

人の波に紛れて獏が悠々と歩いていく。

眼は何だか笑っている。

鈴のような鳴き声と奇妙な足音を鳴らしながら。


通り過ぎていく人々は誰一人、街を闊歩する獏の存在に気づかない。


通り過ぎていく人々は誰一人、獏に引き寄せられるように付いていきはじめる

人々に興味を示さない。


その日

摩天楼派の幹部1人と都市の住人の一部が忽然と姿を消した。

精神干渉が市民に対して行われた可能性が指摘され

主要幹部が事件の捜査に動き出したが魔上人はこの事件を追わないことを決定し、

捜査は強制的に打ち切られた。




________________


3フェイス 3FAITH

55歳~60歳

180センチ ー 190センチ 鍛え抜かれた体躯。

白髪白髭サングラス。スーツ。黒や白、緑、カーキ、ベージュ。ツイードのジャケット等も。

毎回違う。


種 超人

型 超・救世主 


・夢喰い(記憶、精神干渉)

・夢移し (魂移動)

・催眠

・睡魔召喚

・サトリ (読心)

・変幻自在 (自分や他者の姿かたちを自在に変える)

・ソウルスティール (魂を取り込む、取り込んだ魂の個性を手に入れる。)

・エナジーバンク(手に入れたマナを保存しておける。)

・リビングストック (生き物を自分の予備に。魂をうつろに。)


スキルリスト:超再生、バリア、認識干渉、空中浮遊、飛行、テイム・エイリアン、テレポート、不老。




魔上人 ジョージ 55歳

身長160~165センチ 成金趣味 


種 超越者

型 魔商人 


・ライアーライアー (嘘を咎められにくくなる。)

・悪魔の舌 (話を聞いてもらえやすくなる、相手がOKする条件がスラスラ出てくる。)

・悪魔の契約 (相手に得がなく自分にだけ得がある契約を結んでも気づかれにくくなる。)

・沈黙する能無し (裏切りなどを咎められた時、疑われた時に沈黙すると、相手に見下される代わりにうやむやにしやすくなる。)

・差配の勘 (人事に+補正、 他人の才能に気づきやすくなる)

・悪魔の招待(相手に交渉のテーブルに座ってもらいやすくなる、相手はいい話だと誤認しやすくなる。)



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