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京都タワー  作者: ジンジン
5/6

初キス


パスタを食べ終えた私たちは

三条木屋町にある

人気のパブへ。


とても人気のお店で

入店時間はMAX2時間。


タツヤと初めて出会ったお店と同じように

ボックスにカラオケ&踊れるスペース。


賑やかな店内に響き渡る

店員の子たちの華やかな声。

『いらっしゃいませ〜。』


それもそのはず

このお店のスタッフは

吉本新喜劇の練習生がほとんど。

次のスターになるための軍資金調達と

顔を売るためもある。


ここからやがて

誰もが知る芸人になっていった。


そんなことはまだぜんぜん知らない私たち。

楽しい話術で接客してくれるスタッフよりも

タツヤの方がずっと魅力的。


乾杯し終わると

スタッフがカラオケの注文を取りに来る。


歌には自信がちょっとあったけど

また恥ずかしい。

それに満杯のお客さんかわ所狭しにいる。

さらに恥ずかしい。

タツヤも遠慮した。


てか、

カラオケ注文って(笑)


ところが、

そのお店のシステムは少し変わっていて


飲食タイム

カラオケタイム

ディスコタイム

と、タイムテーブルが決まっている。


だから、歌える時間が限られている。

みんな常連さんは歌いたいから

我も我もと注文が入りタイムアウトとなる。


カラオケタイムが始まると

さっきまでウエイターやホールをしていた

スタッフ2人がステージに出てきて

司会が始まる。


さすが吉本練習生たち。

めっちゃ笑わせてくれる。

カラオケを歌う人が呼ばれて

軽く自己紹介をさせられる。


えっ!良かった〜。

こんな大勢の人前で自己紹介って…

その後歌うって…恥ずかしいよぉ。


『はい!それでは〇〇ちゃん

張り切って歌いましょうー!』

との合図でカラオケが始まると

スタッフ総動員で狭い客席のあちこちに

タンバリンやマラカスを持ってきて

踊って盛り上げる。


これは、歌に自信ある人は気持ちいいわぁ。

しかも、

この時間はスタッフの人手が無くなるから

お給仕も遅れるために、

お客さんは皆、カラオケを歌う人に注目し

店全体的で盛り上がる。


私たちも自然に気持ちが高揚する。

ちょっとしたLive会場にいるみたい。

しかも、狭い店内に詰めて座るから

横並びの私たちの距離が近い。

っていうよりも、くっついている。


手拍子している私の腰に彼が腕を回す。

顔を見合わせ何度も笑う。


その後、カラオケが5人程で終わると

ディスコタイム。


スタッフも一緒にその頃の流行りの踊りを。

振り付けを教えてくれる。


私たちは、みんなの盛り上がり絶好調に

少々圧倒されて出遅れていたら

スタッフがマイクで話しながら私たちに

『はいっ!今日はこのお2人様が

本日のカップル賞〜!みんな拍手〜。』と

私たちの手を取りステージへ引っ張り出す。


きっと、初めてでどうしたらいいかわからず

しかも、付き合い始めだから初々しく見えてか

私たちを盛り上げようとしてくれている。

ダンスフロアに出た瞬間アナウンスが。


『それではカップル賞のお2人から

チークダンスタイム入りま〜す!』


曲調が一気に

ダイアナロスの if we hold on togetherに。


タツヤに『どうしようー!』と言うと

『ええやん、踊ろ!』と私の腰に手を回してきた。

すると、

辺りから一斉に次々とカップルが来たから

またもやフロアもぎゅうぎゅうになり

もうくっつくしかない。


1曲が終わり次のエンドレスラブに。

『この歌、大好き』と私がタツヤを見上げたら

タツヤが『俺もやで。それとリサも。』と

少し屈んで、そのままキスを。


ほんの1〜2秒だったと思う。

でも、優しいキス。

タツヤの薄い唇が初めて触れた。


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