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京都タワー  作者: ジンジン
1/6

出会い

忘れられない思い出。今でも昨日のように。

貴方がいたから、私は今こうして笑っていられます。感謝とともに。


遠い昔の話。


あの頃は若すぎて

後先も考えずに

その時、その時を生きていた。


楽しいことも

悲しいことも

思い通りにならないことも

たくさんあったけど

今となっては

思い出。


忘れてしまうには

もったいないから

思い出して記してみよう。


少しずつ、

少しずつ

記憶を手繰っていこう。





クリスマスも近い週末。

彼氏のいない仲良し4人で繰り出す

四条河原町。


一度行ってみたかった

その頃流行っていたお店。


カウンターに

大きなボックスが3つ。

踊れるスペースもあるパブ。


中村雅俊に似ているオーナー。

バイトの男の子たちも

イケてる大学生たち。


早い時間に行ったから

お客さんは誰もいない。

私たちが一番乗り。


いつもはビールで乾杯だけど、

ちょっと気取ってウイスキーの水割りを。


先輩のお姉さんが

どんどんピッチをあげ

カラオケで盛り上がる。


そこに男性4人のグループが隣のボックスへ。

大学生のグループみたい。


私、彼らに背中を向けている場所に

座っていたから見えなかったけど、

先輩がチラチラ彼らを見て

ニコニコしてる。


タイプの人がいたのかな?

気になる。

でも、飢えてるみたいだから

努めて気にしないふり。


程なく隣の男性グループの1人が

声をかけてきた。


『一緒に飲めへん?』


待ってましたとばかりに

先輩お姉さんが

『かまへんよ。一緒に飲も。』

と、店長にテーブルを繋げてもらい

2つのボックスはひとつの大きなボックスへ。


お姉さんは自分のグラスをさっと取り

多分見定めていたお気に入りの男性の横へ。

声をかけてきた人だった。


背が高くて

シュッとしてる。

細いんだけど、

上半身は肩幅も広く

下半身はまっすぐに伸びた長い足。

その上、銀の縁のメガネ。


実は私も一瞬でタイプと思った。

あまりジロジロ見るのもなんだから

なんとなく印象だけ。


他のふたりの友達は

男性たちの交互にさっさと座ったから

私は1番端に座る。


お姉さんの横に座っていた男性が

おもむろに立ち上がり

私たちのグラスを集め

ウイスキーの水割りを注いでくれる。


各自がグラスを取ろうとした時、

端にいる私のグラスを持ってきて

『俺、ここ座るわぁ。トイレ近いし。』

と、私の横に。


お姉さんがすかさず

『あ〜、リサを狙ってたんや(笑)

しゃぁない、リサ、このイケメン譲るわ。』


その一言で一気に場は盛り上がり

かんぱーい。


銀縁メガネの彼が

私を覗き込み

『リサって言うんや?

俺、タツヤ。宜しくな。

はい!もいっかい、かんぱーい。』


良く見ると

奥二重なんだけど、ぱっちりした目。

銀縁メガネがよく似合ってる。

鼻もスッとしていて

唇は薄いけど、綺麗な形。

笑った時に口角が上がって

綺麗な歯並び。


改めてよく見たら

素敵な人。


これがタツヤとの出会い。


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