6 ギルドに到着?
さて、バークに連れられこれからお世話になる宿屋に挨拶したが今回の目的の冒険者ギルドに行って冒険者登録をするというのがこれっぽっちも進んでいないというのにふと、気づいてしまった。
やはり冒険者ギルドというと美人なお姉さんが受付業務を行っているのだろうか?
ラノベのテンプレのように先輩冒険者さんに絡まれるなんてこともあるのだろうか?
なんて、とりとめもないことを考えながらバークに着いて冒険者ギルドに向かう。
「おーい、悠なんかぼーとしているよだが大丈夫ですか?」
ぼーとしている僕を心配してわざわざ声をかけてくれるバークは本当に凄いやつだと思う。
「いえ、少しぼーとしてしまっただけです。すいません、気をつけます」
「いや、何もないならいいんだ。異世界の平原に突然立っていたんだろう?混乱してしまっていても仕方がない」
バークはこんな小さなことまで気にかけてくれているのに僕はテンプレだ、美人の受付嬢だ、なんて考えていた自分がひどく矮小な存在に思えてしまう。
「着きましたよ」
そんな自己嫌悪をしている間に冒険者ギルドに到着したようである。
冒険者ギルドは古いアメリカンな酒場という雰囲気が一番しっくりくるような建物だった。
「お邪魔しますね〜」
なんてバーグさんの間延びしたような挨拶に引き連れられ僕は初めて冒険者ギルドに足を踏み入れた。
ギルドに入ってみたはいいものの冒険者ギルドという割にはあまり人がいないようである。昼だからであろうか?……
「バークさん、冒険者ギルドはいつもこんな風に人が少ないんですか?」
気になったことをバークに聞いてみる。
「いえ、今は昼ですので殆どの冒険者の方はクエストをこなしているところですかね。基本的に冒険者は朝早くにギルド内のクエスト掲示板からクエストを選び基本的に夕方前にギルドに戻ってきます。ここに酒場が併設されているのは帰ってきた冒険者がここでお酒を飲んむことで酒代をギルドの経費の足しにするためですかね」
なるほど冒険者ギルドそうやって酒飲みの冒険者からお金を稼いでいるのという事は実はギルドの財政は案外カツカツなのだろうか?
「冒険者ギルドに登録するとギルドカードがもらえるんですよね? ギルドカードはどんな時に使うんですか?」
そういえばギルドカードの使用方法なんかを全く聞いていないことに気づいて慌てて質問した。
「基本的に身分の証明なんかに使われることが殆どです」
などと、バーグに色々とギルドのことを聞きながら僕はギルドの受付へ歩を進めるのであった。